不動産投資において、物件探しはその後の成否を左右する重要な鍵です。そのため物件探しは念入りに準備を行う必要があります。
しかし、たくさんの物件の中からどのように選べばいいのか分からない方もいるのではないでしょうか。
本記事では物件探しをするまでの流れ・お勧めの探し方についてご紹介いたします。物件探しをする際にぜひご参考ください。
物件探しをする前に:不動産投資の知識をつける
Googleなどの検索エンジンで「不動産 物件」と検索してみると、不動産投資用の物件が全国各地にあることがわかります。たくさんある物件の中からいざ探しはじめようと思っても、ただやみくもに探すだけでは、その物件が本当に自分の希望にあった物件なのか、判断することは容易ではありません。
これは居住用の物件探しをする際も同様のことがいえます。不動産投資は第三者が入居し、その家賃を収入として得ることが主な目的ですから、投資する側も居住者の選ぶ視点を知っておく必要があります。
以上のことから物件探しをする前段階として、不動産投資に必要な知識を身につけることをお勧めします。
必要な知識として代表的なものを以下にまとめています。
不動産投資に必要な4つの知識
不動産投資はメリットだけではなくデメリットもあります。はじめる際はリスクを理解した上で準備を進めることが鉄則です。
必要な知識は主に以下の4点です。これらの情報は常に更新されますので、勉強を怠らずにチェックし続けることが大切です。
税金・法律の知識
不動産投資において税金と法律の知識は必須です。税金に関する知識は自身の収益性にも大きく影響するため、収益目的で投資をする方は特に入念に勉強しておかなければなりません。
お金の知識
不動産投資をはじめるにあたって発生する費用や、必ず話題にでる不動産投資ローン、どうやったら収益をあげることができるのか、などお金についての知識も必要です。
賃貸の知識
不動産投資は、第三者が入居して収める家賃が収入源となります。適切な賃貸経営を行うための知識を身につけることも大切です。
建物の知識
不動産は「物」である以上、経年劣化は防ぐことはできません。経年劣化に対応する方法、築年数と入居者のニーズの相関などを勉強しておくと、長期的な不動産運用に対応できるようになります。
また初心者向けに必要な5つのノウハウを以下の記事にて紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
>『不動産投資の初心者に必要な5つのノウハウ│始め方は?いくら必要?成功のコツは?』
物件探しをするために:不動産投資の目的と条件を設定する
不動産投資の知識をつけた上で、次に行うことは条件を絞っていくことです。条件の絞り方は以下の流れで進めて行くことをお勧めします。
- 不動産投資をする目的を明確にする
- 資金計画を考える
- 投資物件の種類・条件を決める
不動産投資をする目的を明確にする
不動産投資を行う背景には主に3つの目的が考えられます。目的によって選ぶ物件の定義が変わってきますので、まずどの目的で不動産投資をするのか明確化しましょう。
副収入目的
将来に備えて賃料収入などから、利益を得るために不動産投資をするケースです。老後に備えて貯蓄や年金以外の生活資金を得る手段として検討する場合が考えられます。
節税目的
給与所得が多く所得税率が高い方が、節税目的のために利用するケースです。不動産投資を行なうことで所得税が安くなることがあります。
相続目的
現金資産が多い場合、不動産投資によって相続税を下げることもできます。土地や建物などの不動産には相続税評価額を下げる措置があるためです。
目的別の物件の選び方について、以下の記事で詳しく紹介しています。併せてご一読ください。
>『不動産投資用の物件の選び方│種類と目的別の選び方まとめ』
資金計画を考える
目的を固めた上で次に考えることは資金計画です。不動産投資は長期的に運用を考える必要がありますので、事前にさまざまなリスクを想定した資金計画を立てておかなければなりません。
不動産投資の主な収入は前述したように入居者の家賃になりますが、支出は初期に発生する自己資金と、毎年(毎月)支出が想定される管理費・修繕費などが挙げられます。
自分自身の現時点の資金状況、今後の収入・支出計画を踏まえ、初期に発生する自己資金がどのくらい準備ができるのか、運用後の黒字を目指すためにはどのくらいの家賃収入があればいいのか、などについて無理のない運用を考える必要があります。
自己資金は物件購入時に支払いが必要になるお金の総額で、その中には頭金と諸費用が含まれます。一般的に、頭金は物件価格の2割、不動産投資ローンの融資額は8割と言われています。頭金を含む自己資金の必要な金額の水準は、自身の属性と物件の評価に加え、そのときの金利や政策で変化してしまう可能性もあるため注意しておきましょう。
不動産投資の収益計算をする上で大切な利回りについては以下の記事で詳しく紹介しています。併せてお読みください。
>『不動産投資の表面利回りと実質利回り│理想の相場から計算方法まですべて網羅』
投資物件の種類・条件を考える
目的と資金計画が固まったら、次は詳細の条件を考えていきましょう。
条件は次の3つのポイントごとに考えます。
- 物件の種類
- 物件のエリア
- 築年数、設備、間取り
物件の種類
不動産物件にはさまざまな種類がありますが、居住用不動産でいうと主に区分マンション投資、一棟マンション・アパート投資、戸建投資の3種類があります。
上記のメリット・デメリットについては以下の記事で紹介しておりますので併せてご覧ください。
>『不動産投資用の物件の選び方│種類と目的別の選び方まとめ』
物件のエリア
物件のエリアに関しては、投入できる自己資金や借入可能な融資額を考えた上で検討することをお勧めします。なぜなら、人気のある大都市は家賃相場が高く収入も見込める一方で、物件価格は高い傾向にあるからです。
しかし、不動産投資を考える上で収益性は大切な観点であり、入居者がいなければ家賃収入を得ることができません。人口増減率・転入超過数など情報収集を踏まえた上で、人口増加しているエリア、または減少率の少ないエリアを選択すると良いでしょう。
(参考)令和2年国勢調査 人口等基本集計 結果の要約・総務省
(参考)住民基本台帳人口移動報告 2021年(令和3年)結果・総務省統計局
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数のポイント(総務省)では、令和3年1月1日時点の都道府県・市町村別の人口増加地域がまとめられているので併せてご参考ください。
さらに詳細の地域まで絞る際は交通面や生活の利便性など、入居者の希望を想定しながら検討をしましょう。
築年数、設備、間取り
築年数、セキュリティ性、通信設備、部屋の間取り、2階以上(区分マンション投資の場合)など、物件によって設備の状態は様々です。こちらに関しては全ての希望が叶わない可能性もあるため、希望に優先順位を付けておくことが大切です。
物件探しをはじめる:不動産投資物件の情報収集方法
物件の目的と条件を絞ったら、いよいよ本格的な物件探しです。物件探しには様々な方法があります。
- 不動産情報ポータルサイトを見る
- 不動産”投資”会社に問い合わせる
- 不動産”仲介”会社に問い合わせる
- 不動産競売物件情報サイト「BIT」を見る
- 新聞広告や地域のタウン誌を見る
以下の記事で、上記の5点の検索方法をまとめています。メリット・デメリットも紹介していますので、ぜひ物件探しの参考にしてください。
また、物件を探す際は1つの方法だけではなく、複数の方法から探すことをお勧めします。
なぜなら、それぞれの方法でメリット・デメリットがあり、1つだけに絞ってしまうと偏った情報しか得ることができない恐れがあるためです。
そして大前提として、物件探しは早い者勝ちの世界ですので、常に情報が更新されていきます。希望に近い物件をみつけるためには、常にアンテナを立てて物件探しをしていきましょう。
希望の不動産投資物件を見つけた際の注意事項
情報収集をはじめ、希望に近い物件を見つけた際の注意事項を2点ご紹介します。
- 現地調査は必ず行う
- 購入できる準備をしておこう
現地調査は必ず行う
ネットや紙面上で見た情報は、購入されることを念頭に掲示されているため、見栄えの良い写真が掲載がされています。情報収集して気になった物件は、必ず現地調査をしましょう。
特に物件の外観は、これから住もうと考える入居候補者が物件選びをする際に重視するポイントです。写真だけでなく実物もチェックして、手入れが行き届いているかを確認しましょう。併せて、物件の内部もできる限り事前に目視で確認することをお勧めします。
購入できる資金準備をしておこう
不動産投資は運用が上手くいけば利益が望めますが、リスクも存在します。そのため十分な準備をしておく必要があります。前述しているように物件探しは早いもの勝ちです。希望に近い物件をみつけた際、購入の検討ができるように資金準備も併せて進めましょう。
まとめ:物件探しは入念な情報収集と資金準備が大切
今回は不動産投資で物件探しを始めるまでの流れを順を追ってご紹介しました。
- 物件探しをする前に:不動産投資の知識を身に付ける
- 物件探しをするために:不動産投資の目的・条件を決める
- 物件探しをはじめる:情報収集をする
- 不動産投資物件を見つけた際の注意事項
物件探しは不動産投資の成功の鍵を握る大切な項目です。だからこそ知識や事前の準備をした上で情報収集をすることが必要です。
しかし、せっかく良い物件に出会えても資金準備が間に合っていないと物件を購入することはできません。情報収集と同時に資金準備をしておくことが非常に重要です。
本記事を通じて物件探しをする際の流れや、お勧めの探し方についてご参考いただけますと幸いです。
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