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不動産投資の表面利回りと実質利回り│理想の相場から計算方法まですべて網羅

2022/01/27
2022/01/25
不動産投資コラム

不動産投資を成功させるためには、たくさんの学びが必要です。

その中でも真っ先に理解を深めるべきなのが、「利回り」についてです。

不動産投資の表面利回りとは何なのか。
実質利回りとはどう違う?
正しい計算方法は?
どの程度の%があれば理想的なのか…。

このような内容についてわかりやすく、かつ詳しく解説します。

 

不動産投資の「利回り」とは?

不動産投資において、一年間に投資した金額に対して得られた収益額の割合のことを利回りといいます。一般的に「表面利回り」と「実質利回り」に分けて考えます。

それぞれの定義や計算方法は以下のとおりです。

 

不動産投資の表面利回り

不動産投資で「表面利回り」とは、一年間の家賃収入の総額を物件価格で割って求める単純化された指標のことをいいます。不動産投資サイトやチラシなどに記載された物件情報で「利回り」と書いてある場合、この表面利回りのことを指すと思って間違いありません。

なぜ「単純化」なのかといえば、実際にかかる細かい諸費用がここでは想定されていないためです。

なお「グロス利回り」などという場合もこの表面利回りのことを意味しています。

不動産投資の表面利回りは、以下の計算式によって算出します。

 

表面利回り(%)=年間賃料収入÷物件投資金額×100

 

不動産投資の実質利回り

一方の実質利回りはというと、上でも述べた「諸費用」を含めて計算した利回りのことを指し、より実態に近い収益性を計算で求める場合に用いる指標です。

「ネット利回り」という場合は、この実質利回りのことを指しています。

不動産投資の実質利回りは、以下の計算式によって算出します。

 

実質利回り(%)=(年間収入ー年間諸費用)÷購入金額×100

 

不動産投資の利回り計算例(シミュレーション)

表面利回りと実質利回りの定義と計算方法がわかったところで、理解を深めるために特定の条件に該当する物件における利回り計算(シミュレーション)を行ってみます。

【不動産投資物件の仮定条件】

  • 物件購入価格:6000万円
  • 年間賃料収入:300万円
  • 年間諸費用:100万円

 

表面利回りの計算例(シミュレーション)

表面利回りの計算式は【表面利回り(%)=年間賃料収入÷物件投資金額×100】でした。

これを当てはめると、

 

300万円÷6000万円×100=5%

 

諸費用は計算に含めず、この物件の表面利回りは5%であることがわかりました。

 

実質利回りの計算例(シミュレーション)

続いて「諸費用」も計算に含めた実質利回りです。

実質利回りの計算式は【実質利回り(%)=(年間収入ー年間諸費用)÷購入金額×100】でした。

これを当てはめると、

 

(300万円ー100万円)÷6000万円×100=3.3%

 

諸費用を計算に含めたこの物件の実質利回りは3.3%であることがわかりました。

 

不動産投資の実質利回り計算で考慮すべき諸費用とは?

上の計算では「諸費用」と一括りにしましたが、その内訳はどのようになっているのでしょうか。概ね次のような項目が諸費用として発生することが一般的です。

  • 管理委託料
  • 消耗品費
  • 通信費
  • 水光熱費
  • 修繕費・修繕積立費
  • 租税公課(固定資産税、都市計画税)
  • 火災保険料など

 

不動産投資ローンの返済は利回り計算に含めないの?

諸費用の内訳に「不動産投資ローンの返済額」が含まれていないことにお気付きかもしれません。不動産投資の利回り計算においては、ローン返済額は含めないことになっています。

なぜならば、不動産投資ローンの融資を受けるには厳しい審査を通過しなければならず、審査を通過した不動産投資物件においては、基本的にほぼ家賃収入の中からローンの返済が行えることが想定されるためです。

これが不動産投資の最大のメリットのひとつであり、「レバレッジ効果」といいます。レバレッジについて詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。

>『レバレッジ効果を活かした不動産投資~知っておくべきメリット・デメリット~』

 

表面利回りを見る際の注意点

不動産投資用の物件を探す際に、物件情報として目にするのは表面利回りです。

表面利回りが高ければ、すなわち高収益を得られる確率が高いのかといえば、必ずしもそうではありません。

不動産投資で表面利回りを見る際に注意すべき点が2つあります。

 

中古物件の表面利回りは「現況」と「満室想定」がある

ひとつめの注意点は、中古物件における表面利回りの考え方です。

中古物件の場合は同じ表面利回りでも「現況」と「満室想定」の2パターンがあり、それぞれ意味が大きく異なります。

「現況」の表面利回りは、物件の現在の空室率なども加味された数字で、より実態に近いものになります。

一方で「満室想定」の表面利回りは文字どおり物件が満室だった場合の数字で、仮に現況が空室だらけであっても高い数字で表わされることもあります。

表面利回りを見る際は「現況」と「満室想定」のどちらなのかを確認してください。

 

表利回りが高い=優良物件ではない

もちろん表面利回りが高く出ていれば、実際に収益性が高いことも考えられます。

しかし特に中古物件においては、購入金額が安く設定されているために異常に高い利回りになることもあり、その場合はなぜ物件価格が安いのかを慎重に確認する必要があります。

「表面利回りがずいぶん高いな」と思ったら、次のようなケースを疑ってみましょう。

  • 設備が極端に古い
  • 建物が劣化したりして状態が悪い
  • 築年数が経過している
  • 入居率が低い

 

表面利回りが低くても「買い」の物件とは?

逆にいえば、表面利回りが低くても「買い」の物件もあります。

たとえば次のような条件に当てはまる物件であれば、表面利回りが多少低くても十分に収益を確保することが期待できます。

 

人気エリアの物件で買い手が付きやすく出口戦略が立てやすい

不動産投資の成功は「出口戦略」で決まります。

出口戦略とは基本的に物件を売却することを意味しますので、物件の人気が高く売れやすいエリアであれば多少の表面利回りの低さをカバーできるかもしれません。

なお「出口戦略」について詳しくは以下の記事にまとめていますので、この記事を読んだ後にぜひ併せてご覧ください。

>『不動産投資の出口戦略を極めるために必要な3つの知識』

 

また需要の高さを計るには、たとえば「住みたい街ランキング」などが参考になります。

2021年のランキングにおいては、関東では横浜、恵比寿、吉祥寺がTOP3を占めており、関西では西宮北口、梅田、神戸三宮が人気のようです。

 

空室率などその他の指標が優れている

表面利回りが低くても、空室率が低くて安定稼働している物件などは長期的に収益を確保できる可能性があります。

入居率が70%~80%もあれば安定していると考えられるため、空室率は20~30%未満になっていることが望ましいでしょう。

空室率の相場は、「LIFULL HOME’S不動産投資 東京都の賃貸用住宅の空室率一覧」などを見ると参考になります。

なお、物件購入にあたってその他にチェックすべき指標は、以下の記事に詳しくまとめています。

利回りについて十分に理解できたと思ったら、次は以下の記事をご覧ください。

>『不動産投資用の物件の選び方│種類と目的別の選び方まとめ』

 

不動産投資における理想の表面利回りと相場

表面利回りについての基礎知識を理解したら、いよいよ「理想的な表面利回りの%は?」ということが気になるかと思います。

結論からいえば汎用的な理想値はありません。

必ずしも高ければ良いというわけではないことは先述のとおりであり、また物件のエリアや投資の用途によって期待すべき値が異なるためです。

ただし相場を知っておくことは、適切な表面利回りを判断する上で参考になります。

表面利回りの相場をチェックするには、「LIFULL HOME’S 不動産投資」や「日本不動産研究所 不動産投資家調査」が便利です。


(LIFULL HOME’S 不動産投資 より)

 

(日本不動産研究所 第45回 不動産投資家調査(2021年10月現在) より)

 

まとめ:不動産投資の表面利回りはあくまで参考

不動産投資の利回りの各種類、そしてそれぞれどのように利用すべき指標なのかということがご理解いただけたかと思います。

特に表面利回りはあくまで参考であり、これの高低によって物件の良し悪しが判断できるものではありません。正しい知識をもって適切な物件選定を実施してください。

また理想の表面利回りの%というものはなく、自身の投資目的やエリアによって適正値が変わってくることも忘れてはなりません。これについても自身で参考サイトを確認するなどして正しい基準を持つようにしてください。

当サイトではこの記事のように、不動産投資の参考になる情報を数多くまとめています。

利回りについては以下の記事もお役に立つかと思いますので、よろしければご覧ください。

>『不動産投資の理想の利回りが自分でわかる!初心者向け利回り完全ガイド』

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