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不動産投資の成功率は平均何%?成功率を高める3つのシンプルな方法とは

2022/03/24
2023/03/16
不動産投資コラム

「不動産投資の成功率って、どのくらいなんだろう?」
「不動産投資に興味があるけど、失敗するのが怖い…」
これは、不動産投資を検討する方なら誰でも考えることです。

その疑問や不安を解決して不動産投資の検討をもう一歩踏み出していただけるよう、この記事で必要な情報を整理します。

不動産投資における成功とは何を指し、その成功率はどの程度で、少しでも成功率をアップさせるにはどうすれば良いのか。一緒に学んでいきましょう。

不動産投資の成功率に関するデータは”ない”と知る

まず最初にハッキリさせておくべき事実は、「不動産投資の成功率に関する正確なデータはそもそも存在しない」ということです。

理由は2つありますが、いずれも単純です。
・人によって成功の定義が異なるということ
仮に定義がわかったとしてその成否を計測する手段がないこと
です。

そのため、不動産投資を検討するにあたって「まずは成功率を知りたい」と考えている方は、一度そこから脱して視点を変えてみましょう。

つまり、一般的な成功率を参考にするのではなく、「自分に合った不動産投資とは?」、「その不動産投資における成功の定義は?」、「その成功率を左右する要素は?」と考えていくのです。

不動産投資における成功の形は人それぞれ あなたの目的は?

まずは、不動産投資の主な目的を理解し、その中から自分が検討しているものがどれなのかを定めましょう。これによって目指すべき形が変わってきます。

不動産投資の目的は以下の3つに分類できます。

■不動産投資の目的1:副収入を得る
不動産投資の目的2:節税
不動産投資の目的3:相続税対策

■不動産投資の目的1:副収入を得る

いわゆるサラリーマン大家さんなどであれば、副収入を得ることが不動産投資における最大の目的でしょう。
この目的で投資を行う場合、当然ながらいくらの収入を得られるのかによって成功か失敗か、見え方が変わってきます。

ちなみに、不動産の収入には「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類があり、いずれも収入に大きく影響します。

詳しくは以下の記事にまとめているので、このコラムを読み終えた後に併せてご覧ください。
>『不動産投資の初心者に必要な5つのノウハウ│始め方は?いくら必要?成功のコツは?』

■不動産投資の目的2:節税

資産を不動産に変えることで節税するのが目的である場合、節税の額や割合が成否を判断するポイントになります。

帳簿上で不動産投資事業が赤字になれば、それに合わせて本業のほうも含めて所得税・住民税が節税できます。

■不動産投資の目的3:相続税対策

同じ税ですが、相続税の対策で不動産投資を行う場合も運用のコツや成功と失敗の判断基準が異なります。相続税は「評価額」によって決まるものであり、この評価額は現金よりも不動産のほうが低く抑えられる場合があります。

そうなると、相続税対策で実施した不動産投資における「成功」の定義は、どのくらい評価額を圧縮できたか、という点で判断することになります。

不動産投資の成功率は「出口戦略」の成否で決まる

あなたが検討しているのは、どんな目的の不動産投資でしたか?
目的がわかれば、あとはその分野についてひたすら勉強して知識量を増やすことで、成功率を高めるだけです。

目的によって成功の形は異なりますが、いずれの場合においても共通している成否の軸がありますので、それだけは確実に押さえておきましょう。

それが「出口戦略」です。

出口戦略とは「不動産投資における”終わり”の迎え方」のことです。
不動産投資は長期運用が前提ではありますが、いつか必ず何
かの形で終わりを迎えます。その終わり方によって最終的に「損をした」「得をした」かが確定するわけです。

したがって、一般的には「売却をする」ということによって、トータルの収支を計算し、それがプラスになっていれば不動産投資は成功した、といえるようになります。

出口戦略は不動産投資において必須の知識です。理解に不安がある方は、このコラムの後に必ず以下の記事もお読みください。
>『不動産投資の出口戦略を極めるために必要な3つの知識』

ちなみに:キャッシュフローが赤字!=失敗ではない

キャッシュフローとはそのまま直訳で「現金の流れ」のことです。
入ってくるお金である「キャッシュインフロー」、出ていくお金である「キャッシュアウトフロー」を合わせて把握し、すなわち不動産投資において最終的に手元に残る現金を意味します。

もちろん、キャッシュフローがプラスになることは良いのは間違いありませんが、一時的なマイナス(赤字)は=失敗というわけではありません。

わかりやすい例を挙げるなら、リフォームによって投資額が増しても、その結果として家賃がアップして入居率も上がれば、投資対効果としてはプラスになるので失敗どころか大成功です。

キャッシュフローは投資の健全性を計測する指標として優れていますが、一時的なアップダウンを見て一喜一憂するものではない、と覚えておきましょう。

なお、キャッシュフローについて不安がある方は以下の記事も参考にしてみてください。
>『不動産賃貸事業で失敗するワケ キャッシュフローを知る』

不動産投資の成功率を下げる「7大リスク」を知る

ここまでは不動産投資の目的と出口戦略について学んできたため、何となく成功の形はイメージできるようになってきたかと思います。続いて覚えていただきたいのは、成功の形を疎外する「リスク」たちです。

よく見る表現として、不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターンの投資だ」などと言ったりします。
これは株式投資のように大きく損をする可能性も一発で大儲けする可能性もある、というわけではなく、かといって投資信託のように大損もしないけど大儲けもしない、というものでもありません。その間くらいのリスクで、間くらいの利益を期待できるのが不動産投資というわけです。

それでは、不動産投資にはいったいどのようなリスクがあるのか。代表的な7大リスクを紹介します。

先に述べてしまうと、以下7つリスクを潰すことが成功率を高めることに直結します。

・リスク1:家賃の下落
リスク2:物件価格の下落
リスク3:空室
リスク4:家賃滞納
リスク5:ローンの金利上昇
リスク6:災害
リスク7:修繕費用

リスク1:家賃の下落

築年数を重ねたり周辺環境が変わったり経済状況が動いたりすると、賃貸物件の家賃を調整する必要が生じるかもしれません。アップできれば良いのですが、下落したときは投資家にとってはリスクになります。

リスク2:物件価格の下落

同じく複数の要因から物件そのものの価格が下落することも考えられます。

不動産の価値は築年数と共に下降傾向を見せることが一般的ですから想定内なら問題はありませんが、これが予想を越えて急落するようなことがある場合、先述の「出口戦略」などの観点では大きなリスクになり得ます。

資料「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)」から抜粋した以下のグラフを参考にしてみてください。

中古マンションの築年帯別平均㎡単価

リスク3:空室

せっかく賃貸に出している物件があっても、入居者がいなければ一円の収入も得られません。それでも維持費は待ってはくれませんので、空室は最大のリスクのひとつと云えます。

特に区分マンションを一室だけ保有するような場合では他物件でカバーするという方法が取れませんので、一層の対策が求められます。

リスク4:家賃滞納

入居者がいたとしても、家賃を支払ってもらえなければ収入はありません。入居時の審査を徹底したり、家賃の回収実績に優れた管理会社に委託したりするなどしてリスクを抑える必要があります。

リスク5:ローンの金利上昇

不動産投資では一般的に不動産投資用ローンを用いて物件を購入します。このとき住宅と同様「固定金利」と「変動金利」からローンを選択できるわけですが、不動産投資ではほとんどの場合が変動金利ローンです。

つまり、経済状況などによって金利が上昇した場合、収支に大きく影響するというリスクを抱えているのです。

リスク6:災害

予測も対策も難しく、影響も大きいのが災害です。

日本では毎年のように地震や台風が発生し、また冬場には火事が起きる恐れもあります。災害に備えた構造にしたり、ハザードマップを見て災害リスクの小さいエリアを選定したりするなどして対策します。

リスク7:修繕費用

不動産投資は長期運用が前提ですから、必ずどこかで修繕が必要になります。

これ自体は問題ないのですが、修繕費用が想定よりも高くなったり、上述の災害などによって思わぬ修繕が必要になったりすると、収支計画が崩れるリスクになり得ます。

リスクを抑える「リスクヘッジ」で不動産投資の成功率アップ

これらのリスクを抑えようとする活動を「リスクヘッジ」といい、以下の記事に詳しくまとめています。
>『不動産投資のリスクヘッジまとめ|7つのリスクとそのリスクヘッジ』

まとめ:不動産投資の成功率を高める3つの方法

ここまで述べてきた内容を整理すると、不動産投資における成功率アップの方法は、次の3つにまとめられることがわかります。

■不動産投資の成功率アップ方法1:目的を明確に持つ(自分にとっての成功を定義する)
不動産投資の成功率アップ方法2:出口戦略を立てて長期的なトータル収支をプラスにする計画を立てる
不動産投資の成功率アップ方法3:7大リスクを理解してはじめから対策を立てておく

不動産投資に限りませんが、成功のコツなどはおしなべて「こんな単純なことなの?」「これだけで本当に効果があるの?」というものばかりです。ではなぜ多くの人がそれでも成功を掴めないのかというと、実行力が不足しているためです。

「ふーんそうなのか」「なるほどね」と納得することは誰にでもできますが、さっそく今日から自分の不動産投資目的を整理し、出口戦略を描き始め…という行動をとれる方はきわめて稀でしょう。

自身の不動産投資の成功率を可能な限りアップさせるため、ぜひ実行力をもって準備に臨んでいただきたいと思います。

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