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不動産投資の利回り最低ラインとは?利回りをみるポイントと注意点を解説

2022/04/07
2023/03/16
不動産投資コラム

不動産投資を検討するにあたり、重要なポイントのひとつに「利回り」があります。
利回りについて「最低ラインは10%」という言葉をよく聞きますが、果たして本当なのでしょうか?

この記事では、「利回り」とは何かについて詳しく解説しつつ、利回りの最低ラインを見るためのポイントと注意点を中心にご説明いたします。ぜひ最後までご覧ください。

不動産投資の利回りとは?

不動産投資において「利回り」というときは、一年間に投資した金額に対して得られた収益額の割合のことを指します。

さらに、計算方法によって「表面利回り」と「実質利回り」の2つに分けて考えます。それぞれの定義や計算方法は以下のとおりです。

不動産投資の「表面利回り」とは

不動産投資で「表面利回り」とは、一年間の家賃収入の総額を物件価格で割って求める単純化された指標のことをいいます。なお、「グロス利回り」などという場合もこの表面利回りのことを意味しています。

不動産投資サイトやチラシなどに記載された物件情報などに「利回り」と書いてある場合、この表面利回りのことを指すと思って間違いありません。

なぜ「単純化」なのかといえば、実際にかかる細かい諸費用がここでは想定されていないためです。不動産投資の表面利回りは、以下の計算式によって算出します。
表面利回り(%)=年間賃料収入÷物件投資金額×100

不動産投資の「実質利回り」とは

一方の、実質利回りは上記でも述べた「諸費用」を含めて計算した利回りのことを指し、より実態に近い収益性を計算で求める場合に用いる指標です。

「ネット利回り」という場合は、この実質利回りのことを指しています。不動産投資の実質利回りは、以下の計算式によって算出します。
実質利回り(%)=(年間収入ー年間諸費用)÷購入金額×100

具体的な計算例や「利回り」の注意点については下記の記事で紹介しています。併せてご一読ください。
>『不動産投資の表面利回りと実質利回り│理想の相場から計算方法まですべて網羅』

不動産投資における利回りの最低ラインとは

不動産投資の利回り最低ラインで10%という言葉をよく聞きますが、実際には選ぶ不動産投資物件の条件や、投資方針、利回り以外のことを踏まえて検討する必要があるため、最低ラインは変動します。

具体的には以下4つの条件があります。

・利回りの最低ラインにかかる条件1:都心と地方
利回りの最低ラインにかかる条件2:新築と中古
利回りの最低ラインにかかる条件3:物件の構造
利回りの最低ラインにかかる条件4:投資目的

利回りの最低ラインにかかる条件1:都心と地方

都心と地方の場合、物件価格が都心のほうが高い傾向にあります。家賃相場の差は物件価格と比較すると差が少ないため、利回りは都心は低く、地方は高い結果になります。

利回りの相場を知りたい場合は「LIFULL HOME’S」などのポータルサイトを参考にしましょう。

全国の想定利回り
(参考)全国の想定利回り・LIFULL HOME’S

上記を見ると利回り最低ラインは都心の場合、平均利回りが東京都で6%前後と、他の都道府県より利回りが低いことがお分かりいただけたかと思います。

しかし、東京都は地方から人が流入してくるため、人口が多い都市です。
また、人口密度も高く人口世帯数とともに今後も上昇傾向にあるため、空室のリスクが低く安定的な家賃収入を得ることが可能です。

不動産投資先として東京都をおすすめする理由は下記の記事で紹介しています。併せて参考にしてみてください。
>『これから不動産投資をするなら東京都内に注目せよ』

利回りの最低ラインにかかる条件2:新築と中古

利回りの最低ラインにかかる2つ目の条件は新築物件と中古物件です。こちらも上記の条件と同様で物件価格の差が大きく関わっています。

一般的に新築物件は物件価格が高く、利回りが低い傾向にありますが、中古物件は物件価格が安い分、利回りが高い傾向にあります。そのため、中古物件にも一定の人気があります。

注意点として、この場合の利回りは表面利回りでみられるケースが多く、中古物件によっては物件購入時に修繕が必要なこともあります。実質利回りで計算すると利回りが低くなる可能性もあるため注意しておきましょう。

利回りの最低ラインにかかる条件3:物件の構造

利回りの最低ラインにかかる3つ目の条件は物件の構造です。

「RC構造<鉄骨構造<木造」のように、構造が強固になると物件の利回りの最低ラインは低くなります。その理由は投資物件の構造が頑丈になればなるほど、物件価格も高くなる傾向があるためです。

利回りの最低ラインにかかる条件4:投資目的

上記の3つの条件から、利回りには物件価格が大きく関わることをご理解いただけたかと思います。しかし、それ以外にも利回りの最低ラインが変動する条件がありますが、その条件は投資目的です。

以下の2のキーワードを軸に目的を考えると求める最低ラインは変わってきます。

・インカムゲイン
キャピタルゲイン

インカムゲイン

インカムゲインは資産を保有することによって得られる利益のことで、不動産投資の場合、家賃収入が運用益にあたります。

中・長期にわたって収入を獲得する運用益狙いであれば、利回りが低くても需要がある物件を購入することもひとつの投資手法になります。例えば、都心や駅近物件、新築物件がそれにあたります。

キャピタルゲイン

キャピタルゲインは、資産(不動産であれば物件)を売買することによる売買差益で得る利益のことを指します。

短期売却による利益獲得を目指したい場合は、利回りよりも「すぐに買い手に購入してもらえるか」の需要を意識して購入する必要があります。

不動産投資は第三者に物件を貸し出す、または、売却して利益を得ることから、利回りだけではなく、需要がある物件かどうかの視点も大切であることをお判りいただけたかと思います。

その他、税金対策目的によっても購入する不動産投資物件は変わってきます。
詳しくは下記の記事で紹介しておりますので、併せてご一読ください。
>『不動産投資用の物件の選び方│種類と目的別の選び方まとめ』

不動産投資物件の利回りが高い物件の注意点

ここまで不動産投資の最低ラインについて述べてきましたが、利回りが高い物件が必ずしも良い物件という訳ではありません。

ここでは利回りの高い物件の注意点を3点ご紹介いたします。

1.空室リスクが大きい
2.
建物の老朽化
3.
部屋の設備が古い

注意点1.空室リスクの影響が大きい

利回りが高い物件の注意点のひとつとして挙げられるのは「空室リスクが大きい」傾向があるということです。

利回りが高いということは物件の価格が相対的に安いということですから、すなわち以下に掲げるような理由から空室が生じやすい恐れがあります。

不動産投資は第三者に物件を貸し出すことで家賃収入を得て利益を出すことが可能です。空室が増えるとその分収益は減り、不動産投資ローン返済でマイナスになってしまう可能性も考えられます。

注意点2.建物の老朽化

建物が老朽化している物件は、売値を下げることで表面利回りを高く設定し、買い主を探していることがあります。

安い価格で不動産投資物件を購入できたものの、リフォームや設備の新調など、建物の修繕に費用が取られてしまうことが考えられます。
建物を修繕するお金をかけても収益があがる物件なのか、必ずその視点を持っておきましょう。

注意点3.部屋の設備が古い

利回りが高い物件の注意点として、部屋の設備が古いかもしれない点があります。部屋の設備が古い部屋は住み心地が悪く、入居者が入らないという空室のリスクを招く恐れがあるため注意が必要です。

上記の対策としては、購入前に必ず現地を見学することです。第三者に貸し出すことを想定したときに住み心地はどうなのか、設備が古い場合はリフォームや環境を整える必要があるのか見ておきましょう。

なお、空室リスク対策に関しては下記の記事で詳しく紹介しています。併せてご一読ください。
>『東京の空室率から読み解く不動産投資の空室対策』

まとめ:不動産投資の利回り最低ラインは条件によって異なる

ここまで、不動産投資の利回りについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

不動産投資の利回りの最低ラインは条件や投資目的によって変動するため、不動産投資の方向性を固めた上で参考にすることをお勧めします。

また物件の立地、築年数や状態によって実際にかかる諸費用も変わってくるため、利回りに関しては表面利回りだけではなく、実質利回りも想定した上で検討をしましょう。検討ができるようになるためには、不動産投資の知識についてしっかりと学んでおく必要があります。

この記事を読んで不動産投資について勉強したいと思った方は、下記の記事で初心者向けに不動産投資の注意点を紹介しています。併せてご一読ください。
>『初心者必見|不動産投資で気を付けるべきポイント5選』

また、不動産投資を勉強する際にお勧めしたい本を下記の記事で紹介しています。参考にしてみてください。
>『不動産投資の勉強ならこの本!【初心者向け】お勧め不動産投資本8選』

なお、LIV PLUSでは不動産投資に関するコラムを随時アップしています。不動産投資を検討する際にご参考いただけますと幸いです。

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