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東京の空室率から読み解く不動産投資の空室対策

2021/12/16
不動産投資コラム

不動産投資には空室リスクがつきもので、正しい知識をもって対策する必要があります。

東京の空室率は、全国と比較して”ある傾向”を見せており、これを読み解くことで不動産投資における空室対策がわかります。

空室率の計算方法から東京における傾向、なぜ空室が増えるのかという理由、そして具体的な空室対策までをこの記事でまとめます。

 

不動産投資における空室率の計算方法

空室率とは、賃貸物件の部屋数における空室の割合を表わす数値です。

この空室率を計算する方法は2つあります。

ひとつは、募集をかけている部屋数に対する空室の割合です。

空室数 ÷ 募集をかけている部屋数

これは主に民間企業が独自の指標として用いており、一般的にはあまり使いません。

もうひとつは、全体の部屋数に対する空室の割合です。

空室数 ÷ 全体の部屋数 

これは総務省統計局も用いる計算方法で、一般的にイメージしたり使われたりするのもこちらの計算です。

この記事を含め、今後「空室率」について調べる際には、どの計算方法を用いて算出した数値なのかを先に確認するようにしましょう。

 

全国の空室率の推移

空室率を調べようと思えば、情報はインターネット上でも簡単に手に入ります。

たとえば信頼性の高いデータでいえば、総務省統計局の「住宅・土地統計調査」などに「空き家数及び空き家率の推移」が掲載されています。

(抜粋:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」)

このグラフを見るとわかるように、全国の空室率は年々増加の傾向を見せており、平成30年(2018年)時点では13.6%にのぼっています。

 

なぜ空室率が上がり続けるのか

全国の空室率が上がり続ける原因は主に2つあります。

ひとつは人口が減り続けていること、そしてもうひとつは物件数が増え続けていることです。需要が下がり続けるマーケットにおいて供給が増え続けるわけですから、当然ながら空室率が上がっていくのです。

(抜粋:総務省統計局「人口推計(令和3年(2021年)6月平成27年国勢調査を基準とする推計値,令和3年(2021年)11月概算値)」)

ご存じのとおり日本の人口は減少を続けており、2021年現在における総人口の概算値は1億2507万人です。減少傾向は2100年以降も続くと見られています。

(抜粋:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」)

人が住まなくなったからといって、直ちに住宅が取り壊されるわけではありません。また建設業者は建て続けることによって経営を持続するため、結果として総住宅数は増え続けています。

だから全国の空室率は上がり続けているのです。

しかし増加率を見るとわかるように、上がり幅は少しずつ抑えられている傾向が見えます。空室率は増加傾向にはありますが、青天井ではないため、その都度の最新情報を確認し続けることが大切です。

 

不動産投資家として知りたい:空室率の高いエリア

(抜粋:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」)

総務省の資料では都道府県別の空室率も掲示しており、特に甲信と四国地方において空室率が高いとしています。

別荘などのを指す「二次的住宅」を除いた空室率の高い都道府県トップ10は以下のとおりで、第一位の和歌山県では平成30年時点で18.8%と、全国の値と比べて5ポイント以上も高いことがわかります。

(抜粋:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」)

また国のデータ以外にも、賃貸住宅情報を掲載するポータルサイト「LIFULL HOME’S」などで空室率のデータを公開しています。

(抜粋:LIFULL HOME’S不動産投資「全国の賃貸用住宅の空室率一覧」)

全国の総戸数に対する空室率がグラフで示されており、ここでも概ねの傾向が読み取れます。そしてやはり、甲信や四国地方の空室率は高く出ていることがわかります。

しかし不動産投資を検討する上で気になるのは

「どこのエリアは空室率が低いの?」

ということでしょう。

 

不動産投資家として知りたい:東京の空室率は低い

結論からいえば、東京の空室率は低い、ということになります。

以下のデータを見てみましょう。

(抜粋:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」)

同じ総務省のデータを見ると、空き家率の低い都道府県として第4位に東京都が位置しており、その空室率は平成30年時点で10.4%と、全国値よりも約3ポイント低いことがわかります。

「沖縄県や埼玉県のほうが空室率が低いんじゃないの?」

と思う方もいらっしゃると思いますが、不動産投資の観点ではマーケットの規模も視野に入れる必要があります。

先程のLIFULL HOME’Sのデータをもう一度見てみてください。

(抜粋:LIFULL HOME’S不動産投資「全国の賃貸用住宅の空室率一覧」)

棒グラフの長さからわかるように、東京都は住宅数が多いにも関わらず空室率が低いことが見て取れます。一方で沖縄県や埼玉県はたしかに空室率は低いのですが、住宅数が少ないため、マーケットが小さいということも同時にわかります。

総務省のデータでは、平成30年時点での東京都の住宅数は7,667,000戸であるのに対し、沖縄県は653,000戸、埼玉県は3,389,000戸であると示されています。

(抜粋:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」)

不動産投資物件を検討するならば、空室率の観点では東京都が良かろうということが読み取れます。

 

東京の空室率が低い4つの理由

なぜ東京の空室率は全国に比べて低い傾向があるのでしょうか。それには主に4つの理由があるとされています。

  • 東京の空室率が低い理由1:職住近接
  • 東京の空室率が低い理由2:少子化
  • 東京の空室率が低い理由3:高齢化
  • 東京の空室率が低い理由4:晩婚化・未婚化・持家離れ

 

東京の空室率が低い理由1:職住近接

全国的にも「共働き」の世帯が増える傾向があり、仕事と育児を両立する観点から住宅と職場が近いほうが便利とする見方が増えています。経済の中心である東京には「職場」が多いため、必然的に住宅需要も多いのです。

また単身世帯においても、上述のとおり供給が増えたことによってワンルームの賃料が抑えられる傾向により、東京に住むという需要は安定的です。

 

東京の空室率が低い理由2:少子化

全国で少子化が進むことにより、全国の大学のキャンパスが東京を中心に回帰する傾向があります。地方の空室率が上がる一方で東京の空室率が下がる原因のひとつとしてこれが挙げられます。

 

東京の空室率が低い理由3:高齢化

高齢化が進むと、医療ニーズが高まります。東京は全国でも最も医師の数が多く、高齢化に伴う医療需要に対応できるエリアとも考えられています。

これにより地方から東京へ移住する方が増え、東京の空室率低下の一因になっています。

 

東京の空室率が低い理由4:晩婚化・未婚化・持家離れ

若者世代を中心に晩婚化や未婚化が進み、併せて持家に対するニーズも低下していることから、賃貸住宅の需要が高まっています。特に若者が集まりやすい東京においてこの傾向が顕著に出るため、空室率の低下につながっています。

 

不動産投資の空室対策

ここまでのデータを見ることで、不動産投資とは切っても切れない「空室リスク」に対する施策の考え方がわかります。

まず退去者があってもすぐに次の入居者が決まるような、需要の高いエリアを選んで不動産投資を実施するべきです。空室率のデータから見れば、エリアとしては東京都が適当であることがわかります。また東京都内でも特に23区の需要が高いことがわかります。

(抜粋:LIFULL HOME’S不動産投資「東京都の賃貸用住宅の空室率一覧」)

また会社が多いエリアの物件ならば「職住近接」の需要が期待できますし、大学の近くを選べば安定した学生需要を期待できるでしょう。マーケットの動きを見ながら情報を集め、安定して空室率の低いエリアを選べる知識を付けることも重要でしょう。

ただし入居者の募集における実務は不動産管理会社に依頼することが一般的であることから、パートナー選びも空室対策に大きな影響があります。

不動産管理会社は豊富な実績を持ち、信頼できる会社を選ぶようにしましょう。

なお不動産の選び方については以下の記事にも詳しく記載しています。気になる方はぜひ併せてご覧ください。

>『不動産投資用の物件の選び方│種類と目的別の選び方まとめ』

 

不動産投資のその他のリスクにも備える

不動産投資におけるリスクは空室だけではありません。その他にも想定されるリスクがあり、それぞれに回避策があります。

不動産投資に想定される7つのリスクとその回避策である「リスクヘッジ」について、以下の記事にも詳しくまとめています。よろしければご覧ください。

>『不動産投資のリスクヘッジまとめ|7つのリスクとそのリスクヘッジ』

 

まとめ

不動産投資における空室率は東京都において低い傾向があることがわかりました。

空室リスクを回避するためにも、物件のエリアとしては東京都、23区を選ぶと需要の安定を期待できます。

全国的に空室が多い状況は今後も続くと見られているため、不動産投資の成功のためには継続した情報収集と適切な物件選び、不動産管理会社選びが大切になってきます。

当サイトではこれからも不動産投資における有益な情報を公開してまいりますので、ぜひ引き続きご覧ください。

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