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不動産用語解説 | 管理会社・建ぺい率

2020/06/25
2023/03/10
不動産投資コラム

不動産用語解説 | 管理会社・建ぺい率

前回から引き続き、専門用語として「管理会社」と「建ぺい率」について解説していきます。

管理会社って何をするの?

不動産の管理会社は、物件の維持管理、入居者の募集から契約、入居後の対応など、オーナーと入居者の架け橋のような業務を担います。

投資用不動産を所有する際、大抵の場合はそれらの業務を管理会社に委託します。

主な理由は以下の2つにあります。
1)不動産投資は副業だから
2)空室リスクの軽減ために

1)不動産投資は副業だから

オーナーの多くは会社員や他の事業が本業のため、物件の管理に時間を充てることが難しく、さらに、住居地と所有物件が遠く離れているということも少なくありません。

入居者によって対応の頻度や内容も様々なので、副業のオーナーが自ら全ての管理を行うというのは結構な負担になると考えられます。

2)空室リスクの軽減ために

そもそも投資用不動産は、家賃収入があって成り立つものです。
継続的且つ安定した収益を得るためには、家賃が下落しないよう資産価値を保ち空室期間が長引かないよう入居者付けをしていくことが必要となります。

投資用の物件に立地の良さは大前提ですが、さらに、プロの知識をもとにマンションの管理をしてくれる管理会社はオーナーにとって心強い存在となります。

管理会社のことが何となく分かったと思いますが、実際に管理を任せる際に注意すべき点があります。

管理会社にもそれぞれ異なる特徴があり、どこでも同じレベルの仕事をしてくれるという訳ではないのです。客付けが得意な会社、長年その地域に定着し周辺のことなら何でも詳しい会社など様々です。

数ある中から良い管理会社を見分けるコツは、管理物件の多さや平均空室率を確認することです。管理している物件に空室が少なければ、オーナーにとって安心材料のひとつになるでしょう。

建ぺい率とは?

建物を建てる際には「建築基準法」をクリアしなければならないことはご存知かと思いますが、その基準の一つに「建ぺい率」があります。

建ぺい率は建築基準法53条で規定されている「敷地面積(土地の面積)に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合」のことで、建物の大きさを一定の割合に制限するために設けられたルールです。

自分の土地だからといって好き勝手に建物を建ててしまうと様々な弊害が出るため、それらの対策として制定されています。

具体的な対策として主に以下の3つが挙げられます。
1)防火対策
2)風通しや日当たりの確保
3)景観の美しさ

1)防火対策

建物が密集した状態で並んでいると、一つの家が火事になったときに次から次へと隣家に燃え移ることになります。
特に日本では、地震による二次災害で火事が発生することが多く、実際に阪神淡路大震災等では多くの家屋が火災による大きな被害を受けました。

それらをなるべく回避するために、建ぺい率によって建物同士の間に距離をとることで、万が一の時の逃げ道や防火の対策となっています。

2)風通しや日当たりの確保

風通しや日当たりは、快適な住環境づくりに不可欠です。
建ぺい率というルールのおかげで、建物同士の距離を空けることができ、最低限の風通しと日当たりを確保するこができるのです。

また、法律として定められているからこそ誰もがそれを遵守し快適な住環境が守られているわけです。

3)景観の美しさ

建ぺい率は、景観を守る役割も担っています。
もし、建ぺい率というルールがなく、住宅やビルを建てる際に土地の面積ギリギリまで建築してしまえば、圧迫感のある街並みになってしまうでしょう。

ちなみに建ぺい率は一律ではなく、高級住宅地や歴史ある観光地では、より厳しく規制されていることがあります。

例えば、新宿の商業地域周辺は建ぺい率80%に対して、歴史や文化が息づく人気の観光地として知られる鎌倉は40%・・・というように、建ぺい率はエリア特性など様々な視点により指定されています。

もしも建ぺい率を守らずに建物を建築した場合ですが、「違法建築」として扱われるため、いざ住宅ローンを組もうとしても審査が通ることはほぼありません。
何故なら、違法建築物は市場に流通させることができず担保としての価値を持たないからです。

土地の購入をお考えの場合は、建ぺい率をはじめその他の規制などをしっかりと確認してからにしましょう。

まとめ

今週は、前編・後編の2回に渡り、「フリーレント」「都市計画区域」「管理会社」「建ぺい率」の解説をいたしました。

フリーレントや管理会社は、あなたが入居者・オーナーどちらの立場だとしても、知っておくことで入居時の初期費用を下げたり、所有物件の空室率を低減することができます。

また、日本における都市計画区域は、国土面積の約 1/4 を占め、国内総人口の94%が居住しています。
日本人のほとんどが、交通ネットワークの充実した都市計画区域内に密集して生活しているということが分かりますね。

そして建ぺい率は、その地域によって認められている割合が変わるため、どの場所でも自分の好き勝手に建てることはできない、ということです。

生活を送る上で関わりを断つことのできない「不動産」という存在ですが、ちょっとした知識を持っておくことで、より良い選択肢を選ぶことができるのではないでしょうか。

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