近年は副業として「マンション経営」に取り組み、将来の年金対策・資産形成・税金対策などを行っている人が増えています。
ただ、ご存知のようにマンション経営には“マンションの購入”が必要です。価格も高額で様々なリスクが伴うことから、いざ始めたくてもそれが理由で一歩を踏み出せない人も多いのではないでしょうか?
この記事では、マンション経営のリスク、失敗例、対策法などについて解説していきます。
「マンション経営ってリスクある?」
「マンション経営の失敗例を知りたい…」
「失敗しないためにはどういう対策が必要?」
このような疑問・不安を抱いている人にピッタリの内容です。
マンション経営のリスクは?
マンション経営は資産運用の一つですが、マンション経営に関わらず資産運用には利益を生む魅力がある反面、リスクが伴うのも正直なところです。
利益のことしか頭になく、後になって「知らなかった…」では取り返しがつかなくなってしまうケースもゼロではありません。
そうならないためにも、マンション経営に伴うリスクを把握することが重要です。事前に知っておくことで軽減・回避するための対策も行えますので、まずは考えられるリスクについてご紹介します。
1.空室リスク
2.家賃滞納のリスク
3.入居者同士のトラブルのリスク
4.災害時のリスク
5.金利上昇のリスク
6.増税のリスク
7.管理会社倒産のリスク
リスク1.空室リスク
マンション経営で最大のリスクが空室リスクです。
賃貸マンションは入居者を募集したところで直ぐに入居者が決まるとは限りません。空室期間が長いと家賃収入は得られないため、絶対に頭に入れておかないといけないリスクと言えます。
管理会社との「サブリース契約」を結ぶことで家賃保証はしてもらえますが、サブリース契約を結ばない場合は入居者などの管理を自分で行う必要があります。
空室が続き未収入の期間が長いと、管理費や税金など支出のみ発生してしまい赤字になってしまうので注意が必要です。
また、入居者がいる場合であっても住む期間が不明確のため、退去時に備えて新たな入居者を獲得するための対策も必要になってきます。
リスク2.家賃滞納のリスク
入居者を確保できたからと言って安心しきるのは危険で、入居者が家賃を滞納するリスクを想定しておく必要があります。
万が一滞納された場合、当然ですが想定していた収入が得られなくなってしまい、マンション経営が成り立たなくなってしまう危険もあるのです。
そのためには、滞納された場合に備えて資金に余裕を持っておくことが重要になってきます。
リスク3.入居者同士のトラブルのリスク
入居者同士のトラブルのリスクも頭に入れておきましょう。
入居者が問題を起こしたり、近隣住民と揉めごとを起こしたりするケースも無きにしも非ず…近年は“ベランダ喫煙”によるトラブルも増えていますので、そういったトラブルを想定しておく必要があります。
また、「あのマンションに住んでいる人はトラブルが多く…」といった悪い噂が広まると入居者が決まりづらくなり、結果、空室になってしまうのです。
トラブルが発生した場合、対応責任だけでなく損失を伴う可能性もありますので、頭に入れておくようにしましょう。
リスク4.災害時のリスク
ご存知のように日本は台風や地震などの自然災害が多いため、災害時のリスクをも想定しておきましょう。
災害によって所有マンションが損傷・倒壊した場合、不動産価値の下落や資産消失にもなりかねません。
自然災害による損失はある程度は防げても完全に防ぐのは不可能です。特に、地震はいつ発生するか分からないため、常にリスクを意識しておくことが必要です。
リスク5.金利上昇のリスク
マンション経営を行う際、一般的には不動産投資ローンを組みますが金利上昇のリスクが伴います。
金利には「固定金利」と「変動金利」があり、2023年11月現在では固定金利のみ上昇。
しかし、ローンの金利は日本経済の影響によって変動するため、昨今の状況から、早ければ2024年中には「変動金利も上がるのでは?」と推測されています。
そのため、金利は一定とは限らずローンを組んだ時よりも上がり支払い額が増えることもあり得ますので、金利上昇のリスクを考慮した上で計画を立てるようにしましょう。
リスク6.増税のリスク
増税のリスクも把握しておきましょう。
増税によって所有マンションにかかる固定資産税や都市計画税などが上がり、毎年の出費が増える可能性が考えられます。
また、マンション経営が順調な場合、不動産所得以外の収入にもよりますが、収益によっては所得税や住民税もかかってきます。
所得税や住民税は収入が多いほど高額になってきますので、マンション経営による収入が多い場合は支払う税金も多くなることを覚えておきましょう。
リスク7.管理会社倒産のリスク
稀なケースですが、管理会社が倒産するリスクを想定しておく必要もあります。
突然業務停止をしたり不正によって倒産したりで管理に関わる業務が停止してしまい、入居者や近隣からのクレームが発生する状況も考えられます。
場合によっては訴訟にまで発展してしまう可能性もゼロではありませんので、管理を委託する際は管理会社の経営状況を調査しておくようにしましょう。
【一緒に読みたい記事】
>不動産投資を始める前に|知っておくべき7つのリスクと対策
マンション経営のリスクを知らずに失敗した例4つ
マンション経営に伴うリスクは前述した通りですが、それらのリスクを知らないままでいると失敗に繋がるケースも…
ここでは、マンション経営のリスクを知らずに失敗した例をご紹介していきますので、同じような失敗をしないためにも必ず目を通しておいてください。
【失敗例4つ】
1.入居者を上手く確保できない
2.物件購入後に近隣の施設が移転した
3.利回りの良さだけで購入してしまった
4.売却益目的で購入してしまった
失敗例1.入居者を上手く確保できない
リスクのところでもお伝えしましたが、マンション経営において一番の懸念は入居者の確保です。
実際に、入居者が上手く確保できず「安定した家賃収入が得られない…」というケースは、マンション経営の失敗例としてよくあります。
マンション経営を始める(投資用マンションを購入する)際はしっかりと計画を立てると思いますが、計画通りにマンション経営を行えるかは始まってみないことには分かりません。
空室期間が長くなってしまうとマンション経営を継続していくことが難しくなるため、いかに長期的に需要が見込める物件を選ぶことが需要になってきます。
失敗例2.物件購入後に近隣の施設が移転した
投資用マンションを購入する際、近隣施設を重視するあまり「物件購入後に近隣の施設が移転した…」といった失敗例も聞きます。
駅から離れていて価格も安く、近くに大きな企業や学校があったことから購入したものの、購入した数年後に企業や学校が移転するといった想定外の事態が発生。
いざ売却しようと思っても、価格が大幅下落してしまい大きな損失を抱えることに…
この失敗例からも、近隣の企業や学校をアテにしてマンション経営を行うのは危険です。
失敗例3.利回りの良さだけで購入してしまった
“利回りが良い”との理由から地方都市のマンションを購入したものの、入居者が定着せず入居者確保のために家賃を下げざるを得なくなった例もあります。
マンション経営において利回りを重視される人もいますが、「利回りが高い=メリットになる」とは限りません。
確かに、地方都市のマンションは都心に比べて利回りが高いケースが多く、しかも、比較的安く購入できます。
しかし、近年は都心への人口流出が問題になるなど“地方離れ”が進んでいますし、土地も豊富にあるため競合物件が建ってくる可能性を踏まえておかないといけません。
また、築年数が経てば入居者が競合物件に流れてしまう可能性が高くなるため、家賃を下げて入居者を確保する必要も出てきます。
失敗例4.売却益目的で購入してしまった
マンション経営を始める際、売却益(キャピタルゲイン)目的で購入して失敗するケースも少なくありません。
近年は売却益目的でマンション経営を始める人は減りましたが、バブル全盛期は不動産価格は購入直後から値上がりすることが多かったため、売却益目的でマンションを購入する人も多くいました。
しかし、バブル崩壊に伴い、売却時の価格上昇目的でマンション経営を始めることはリスクになっています。
そのため、売却益目的だけでマンション経営を始めるのは危険で、長期的な家賃収入(インカムゲイン)の獲得を目的とした方が良いでしょう。
【一緒に読みたい記事】
>ワンルームマンション投資で失敗しない方法!デメリット・リスクから学ぶ成功への鍵
>不動産投資初心者は必見!失敗するケースや始め方などを解説
マンション経営のリスクを軽減するための対策法4選
ここまではマンション経営のリスクや失敗例をご紹介してきましたが、リスクを軽減・回避したり失敗しないためにはどういう対策を行えば良いでしょうか?
その対策法がこちらです。
【対策法4選】
1.都心の新築マンションを選ぶ
2.きちんと資金計画を立てる
3.なるべく内覧を行う
4.自然災害に備え保険に加入する
対策法1.都心の新築マンションを選ぶ
マンション経営で成功するためには、長期的かつ安定して需要が見込めるの物件選びが最重要になりますが、最もおすすめは都心の新築マンションです。
都心の新築マンションは価格が高い理由から、比較的価格も安く利回りも良い地方都市のマンションに目が向くケースも少なくないでしょう。
しかし、先ほどの「失敗例3.利回りの良さだけで購入してしまった」でご紹介したようなことにもなりかねません。
そのことからも、利回りが低くても長期的な需要が見込める都心の新築マンションを選ぶことが重要になります。
対策法2.きちんと資金計画を立てる
マンション経営を行う際、安定した利益が得られるかどうかは実際に始めてみないと分からないのが正直なところです。
ただ、必要経費(管理費・修繕費など)の支出やローン返済は毎月決まって発生するため、「払えない…」とならないようにきちんと資金計画を立てる必要があります。
資金計画を立てておけば、空室による家賃収入が減っても「支払いが回らず売却せざる得なくなった…」という最悪の状況は避けられるでしょう。
対策法3.なるべく内覧を行う
マンション経営をする際、「自分が住むわけではないから」と内覧を行わないオーナー様もいらっしゃいます。
ただ、立地・価格・家賃相場といった要素だけでは分からない部分が多く、特に居住スペースの良し悪しは内覧をしてみないことには気づかなかったりするものです。
そのため、お住まいのお近くで投資用マンションをお探しの方は、なるべくなら内覧することをおすすめします。
対策法4.自然災害に備え保険に加入する
自然災害への対策は保険に加入することです。
火災保険に関しては加入している人がほとんどですが、地震保険については加入の有無が分かれています。
マンションは構造的に揺れに強いという特徴がありますが、100%安全ではありません。
そのため、地震保険に加入することで毎月の保険料こそかかりますが、「万が一、大きな地震が起きても大丈夫」といった安心感があります。
加えて、マンションが建っている土地の地盤やマンションの設計なども確認しておくと良いでしょう。
まとめ
今回はマンション経営におけるリスクや失敗例、そして、それらを軽減・回避するための対策法について解説してきました。
マンション経営には私的年金や生命保険代わりになるといったメリットがある一方で、リスクや失敗が伴うのも事実です。しかし、それらへの対策を行うことで軽減や回避ができることがお分かりいただけたのではないでしょうか?
これからマンション経営を始める人にとって、この記事が参考になったら嬉しいです。
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