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2025年問題が不動産投資に与える影響とポイント3つ

2023/09/21
2024/04/01
不動産投資コラム

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  • 2025年問題とは?
  • 2025年問題が不動産投資に与える影響
  • 2025年問題で不動産投資の需要が見込めるエリアは「大阪」だけ?
  • 2025年問題を見据えた不動産投資のポイント3つ
  • 2025年問題による不動産投資の見極め方
  • まとめ

不動産投資家の中で注目を集めている「2025年問題」ー。

この問題は「不動産投資に大きな影響を与えるのでは?」と懸念されていて、今後の方向性や今から行える対策法などが模索されています。

そこでこの記事では、2025年問題によって不動産投資に与える影響、需要が見込めるエリア、不動産投資のポイントなどについて解説していきます。

すでに不動産投資を取り組んでいる方、これから不動産投資を始める方、どちらにも関わる内容となっていますので、是非ご一読ください。

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2025年問題とは?

「2025年問題」とは、現在約800万人いる団塊世代(1947~1949年生)全ての方が後期高齢者になり、それが原因で医療・介護・年金などの社会保障が膨らみ、社会全体に大きな影響を与えるとされている問題です。

現在、後期高齢者の医療・介護費の自己負担額は1割で他の9割は社会保障によるものです。要は、後期高齢者の増加によって社会保障費が膨らむ可能性が大、というわけです。
しかも、社会保障費が膨らむだけでなく、団塊世代が後期高齢者になる=「労働人口の大幅減少」を意味します。

また、皆さんもご存知のように、日本は子どもの数が年々減っています。
総務省が2023年5月に公表した「我が国のこどもの数」でも1982年から42年連続で子どもの数が減少中と、高齢化だけでなく少子化にも歯止めがかかっていない状況なのです。

【一緒に読みたい記事】
>【2025年問題】不動産価格が大暴落?2つの見極め方を解説

2025年問題が不動産投資に与える影響

2025年問題の概要については前述した通りですが、これから不動産投資を検討している方は「不動産投資を始めても大丈夫なの?」と不安を抱いてしまうと思います。

では、2025年問題が不動産投資にどういった影響を与えるのかというと、主に以下の3つが考えられています。

1.空き家の増加による物件価値の低下
2.空室リスクが高まる
3.高齢者・外国人向けのマンション需要が高まる

影響1.空き家の増加による物件価値の低下

団塊世代が後期高齢者になることで不動産の相続が増加し、今よりも空き家が増えることが予想されます。

2022年10月に国土交通省が公表した「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」でも、空き家率が年々増えていることが分かります。

国土交通省_空き家率推移※引用元:国土交通省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」

また、日本最大手のシンクタンク「野村総合研究所」によれば、政府が何らかの対策をとらなければ空き家率は2033年に30%を超えるとの見通しをしています。
そのような事態になってしまった場合、投資物件があるエリアに空き家が増えれば物件の価値は低下しかねません。

先ほどの資料のように空き家率の上昇は社会問題にもなっているほどですので、これから不動産投資を始める方は投資予定の物件だけでなくエリアや周辺の物件も調査するようにしましょう。

影響2.空室リスクが高まる

不動産投資の中でも代表的なのが“マンション投資”ですが、これからは少子化が加速するだけでなく地域によっては人口減少が進み、ワンルームマンションの需要が下がり空室リスクが高まると懸念されています。

確かに懸念材料ではありますが、それは不動産投資を行う(物件を所有する)エリア次第と言えるでしょう。

結論から言うと、都心部のワンルームマンションは今後も需要が見込めます
その理由は、東京都の総世帯数は2030年にピークを迎えその後は緩やかに減少していくものの、単独世帯数は2060年まで大きな変化がないと予想されているからです(東京都発表の数値による)。

東京都の総世帯数のうち約半分は単独世帯数となっていますが、単独世帯(一人暮らし)はマイホームの購入ではなくマンションなどの賃貸物件に住みますよね?

そのことからも、単独世帯数が大きく減らない東京都では今後もワンルームマンションの需要が見込める、というわけです。

なお、人口減少による不動産投資への影響については、以下の動画で詳しく解説しています。
■リヴトラストが不動産投資について解説|人口減少による不動産投資への影響は?

影響3.高齢者・外国人向けのマンション需要が高まる

既にお伝えしているように、これからの日本は高齢者が増えていくわけですから、高齢者が暮らしやすいシニア向けの賃貸物件の需要が高まることが予想されます。
そのため、バリアフリー対応や低層階の物件は高齢者からの需要が高まるでしょう。

また、今後は日外国人向けの賃貸物件や民泊の需要も高まると予想されています。
新型コロナウイルスも5類に移行されたことでインバウンド事業も以前のように活性化してきましたし、外国人をターゲットとした賃貸経営を始める方が増えてくるでしょう。

2025年問題で不動産投資の需要が見込めるエリアは「大阪」だけ?

2025年問題は「高齢者の増加」「社会保障費の負担増」などネガティブなイメージが先行してしまいますが、悪いことばかりではありません。

それは、同じ2025年に大阪・関西万博が開催されることです。

万博のような世界規模のイベントが開催されることで、国内のみならず海外からも多くの方が訪れます。それが理由となり、大阪府を中心とした関西エリアの都市部では不動産価格の上昇が予想されるでしょう。

また、旅行客向けの宿泊施設やマンション購入の増加に伴い、土地の価格が上がることも予想されています。
しかも、旅行客は万博が開催される関西地方だけではなく国内様々な観光名所や都市に訪れる可能性が高いため、その結果、日本国内全体の不動産価格指数が上昇すると見込まれているのです。

過去の例から見る万博後の経済効果

実は、万博の開催による経済効果は既に証明されています。

2005年に愛知県で「愛・地球博」(以下、愛知万博)が開催されましたが、2005年日本国際博覧会協会が2005年11月に発表した「愛・地球博の経済効果について」によれば、愛知万博の経済効果は実に3兆5,000億円にも上り、その後の株価上昇にも繋がるなどの影響が見られたのです。

景気ウォッチャー調査(愛知万博開催時)※引用元:愛・地球博の経済効果に関する評価

上のグラフで分かるように、愛知万博の開催を機に東海地方のみならず全国の景気が良くなり、この上昇傾向は2009年のリーマンショックによる一時的な落ち込みが起きた際まで続きました。

具体的には、愛知県を中心とした宿泊施設や百貨店の売上が伸び、有効求人倍率も上がるなど、愛知万博がきっかけで景気が上昇したのです。

そのことからも、2025年の大阪・関西万博以降も景気上昇のきっかけになると言えるでしょう。

東京の不動産市場にも相乗効果が期待

大阪・関西万博によって大阪府や関西エリアの不動産価値が上がることで、東京都の不動産市場にも相乗効果が期待できます。

現在、東京─大阪間は新幹線で約2時間半ですが、2045年頃に開業予定のリニア中央新幹線では僅か約1時間にまで短縮。
このことからも、日本人だけでなく訪日外国人の移動も容易になり、大阪府だけでなく東京都や首都圏の不動産市場にも良い影響を与えると言えるでしょう。

しかも、東京都は総世帯数こそ2040年から緩やかに減少していくものの、単独世帯(一人暮らし)数は2060年まで大きな変化がないと予測されています。

単独世帯はマイホームの購入よりもマンションなどの賃貸物件に住むケースが大多数のため、東京都心部にある単身者向けマンションは2025年以降も需要が見込めるのです。

「立地適正化計画」の推進による影響は?

特に少子高齢化や人口減少が進むエリア・地域では、すでに公共施設などの縮小が始まっています。

都市再生特別措置法が2014年に施行され、地方自治体による「立地適正化計画」の推進も不動産投資に影響を及ぼすとされています。

「立地適正化計画」とは、居住機能・医療・福祉・商業・公共機関などの様々な都市機能の誘導によって都市全域を見渡したマスタープランです。

 立地適正化計画制度(国土交通省)※引用元:国土交通省「立地適正化計画作成の手引き」

「居住誘導区域」は各自治体が特に推奨している居住エリアで、立地適正化計画の推進によって区域内の不動産価値が上がり、反対に区域外の地域では価値が下がると予測されています。

このことからも、2025年問題に伴う各種制度の変更によって不動産の受給バランスが大きく変化する可能性は大です。
ただ、2025年突入と同時に急激に不動産価格が下落するわけではなく、2025年をきっかけに受給バランスが徐々に変化していくと思われます。

よって、不動産投資においては受給バランスの変化を見定めることが重要になってくる、と言えるでしょう。

2025年問題を見据えた不動産投資のポイント3つ

ここまで解説してきたように、2025年問題は不動産投資に大きな影響を与えると予想されています。

この予想通りに不動産の需要が下がっていけば、不動産投資を行うメリットは小さく、明るい将来設計を思い描きづらくなってしまうかもしれません。

しかし、以下3つのポイントを抑えることで2025年問題を見据えた不動産投資が行えます。

1.投資先エリアの絞り込み
2.新築物件を中心に選ぶ
3.インバウンド需要を意識する

ポイント1.投資先エリアの絞り込み

ポイント1つ目は投資先エリアの絞り込みです。

近年は働き方改革やライフスタイルの見直しにより地方都市への不動産投資も活発化していますが、2025年問題を鑑みると地方都市の不動産需要は下がる可能性が…。

それは、人口減少によって地方都市の消滅が危惧されているからです。

2014年5月に日本創成会議の人口減少問題検討分科会が公表した調査結果によれば、調査対象1,800市区町村のうち半数の896が消滅する可能性があると記されています。

そのことからも、地方都市は人口減少が加速し公共サービスが萎縮することで、そのエリアや周辺の不動産需要は下がるでしょう。逆に、都心部は地方都市から人口が流入してくるため、都心部の不動産需要は高まっていくと予想できます。

そのため、これから不動産投資を行う上では投資先エリアの絞り込みが重要ポイントと言っても過言ではありません。

ポイント2.新築物件を中心に選ぶ

不動産投資を行う際、新築物件を中心に選ぶのがポイントです。

2025年問題によって不動産市場の冷え込みが予想されていくことを考えると、この先、需要が見込めない場所にマンションが建てられる可能性は極めて低いでしょう。

今後の日本では、国が行う都市計画に基づき需要を分析した上でマンションやアパートなどの不動産が建設されていくため、「投資先は都心部の新築物件!」というように絞り込みをして投資を行うのがおすすめと言えます。

ポイント3.インバウンド需要を意識する

2025年問題による日本人の人口は減少する一方で、日本に永住・定住する外国人や訪日外国人は増え続けているため、インバウンド需要を意識する必要があります。

大規模な企業や工場がある地域では外国人労働者の需要を見込んだ不動産などの価値が上がっていて、実際に、大阪府や京都府などではインバウンド需要による不動産市場が活性化しているのです。

そのことからも、今後は“日本人だけ”に向けた不動産投資を行うのではなく、外国人労働者や訪日外国人といったインバウンド需要を意識することが重要になってきます。

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まとめ

今回は、2025年問題における不動産投資への影響について解説してきました。

2025年以降は高齢化や人口減少が加速し、不動産投資への影響が懸念されています。
不安な部分があるのは確かですが、だからといって“不動産投資の需要がなくなる”というわけではありません。

1.投資先エリアの絞り込み
2.新築物件を中心に選ぶ
3.インバウンド需要を意識する

この3つのポイントを抑えることで、2025年問題による影響があっても安心して不動産投資にお取り組みいただけると思います。

今回ご紹介した内容が参考になったら幸いです。

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