中古マンション市場において、購入者が物件選びで重視するポイントに変化が見られています。コスモスイニシアが実施した調査により、購入検討者や購入者が求める条件や資金計画の実態が明らかになりました。
物件価格の高騰や金利上昇局面が意識されるなか、購入層の動向を1,000人規模で検証した結果、単なる価格の安さや立地条件だけでなく、将来的な価値や建物の維持管理状況をシビアに見極める姿勢が強まっています。
この記事のポイント
- 中古マンション購入者の53.2%がリフォーム・リノベーション済み物件を選択
- 世帯年収2,000万円以上の層では価格以上に管理状態や資産性を重視する傾向
- 日銀の追加利上げ等を背景に若年層のペアローン活用や固定金利志向が増加
- 物件高騰下でも高年収層は先送りせず早期に行動する積極姿勢がみられる
ニュースの概要と背景
株式会社不動産流通研究所(R.E.port)の報道によると、コスモスイニシアが2026年10月5日に公表した「中古マンション購入検討者・購入者の実態調査」において、中古マンション購入者の53.2%が「リフォーム・リノベーション済み物件」を選んでいることが分かりました。
今回の調査では、金利上昇や物件価格の高騰が続く市場環境において、購入者の判断基準に明確な変化が生じている点が浮き彫りになっています。価格や駅からの近さといった基本条件に加え、物件そのものが持つ将来の「資産性」を意識した選定が進んでいます。
とりわけ特徴的な傾向が見られたのが世帯年収2,000万円以上の高年収層です。この層では、物件選びの重視点が「物件価格」から「資産性や建物の管理状態」へとシフトしており、相場が高水準にある状況下でも様子見をせず、早めの行動に移る積極的な姿勢が確認されました。
また、資金調達の面でも変化が生じています。日本銀行の追加利上げなどを背景として、若年層を中心に夫婦などで住宅ローンを借り入れるペアローンの活用や、今後の金利上昇を見据えた購入検討者の固定金利志向など、資金計画の多様化が進んでいます。
不動産市場・投資家への影響
今回の調査結果は、実需でのマイホーム購入だけでなく、将来的な売却や資産価値維持を前提とした不動産選びのトレンドを示しています。買い手の目が「目先の購入価格」から「中長期的な維持管理の質や資産価値」へ向いている点は注目すべきポイントです。
中古マンションを検討する際は、共用部の清掃状況や長期修繕計画の有無など、管理組合による維持管理が適切に行われているかを確認する重要性が高まっているといえます。管理状態が良好な物件ほど、将来の資産価値が保たれやすいと評価される傾向が強まる可能性があります。
さらに、金利環境の変化に伴い、固定金利の選択やペアローンの利用など、資金調達の戦略も複雑化しています。自身の収支バランスに見合った無理のない返済計画が組まれているか、中長期の金利動向を注視しながら慎重に判断することが求められます。
流通市場全体においても、改修済み物件への需要や管理状態を重視する買い手の意向が定着しつつあり、物件選定時の評価基準として管理状況のチェックが一段と重要度を増していく可能性があります。





