トップ > 業界ニュース > 全国基準地価が5年連続上昇、三大都市圏で拡大続く一方、地方4市は建築費高騰により伸び率が縮小

全国基準地価が5年連続上昇、三大都市圏で拡大続く一方、地方4市は建築費高騰により伸び率が縮小

2026/09/15
不動産市場

国土交通省が発表した最新の令和8年都道府県地価調査によると、全国の基準地価は全用途平均で前年比1.5%の上昇を記録し、5年連続でプラス基調を維持しました。東京圏や大阪圏を中核とする三大都市圏では旺盛な需要が継続して上昇幅の拡大が見られる一方で、これまで高い伸びを示してきた地方4市(札幌・仙台・広島・福岡)では建築費や人件費の高騰を背景に再開発の見送りや住宅取得控えが表面化し、上昇の勢いが鈍化しています。全国的な回復傾向の中にあっても、エリアごとの要因によって動向の二極化がより鮮明となっており、今後の不動産動向を見通すうえで各地域の要因を慎重に整理する必要があります。

ニュースの概要と背景

国土交通省が公表した令和8年都道府県地価調査(基準地価)において、全用途の全国平均地価は前年比1.5%の上昇となり、5年連続で上昇トレンドを維持している実態が明らかになりました。今回の調査結果を詳細に見ると、地域間における地価の変動率には明確な差異が生じており、市場の二極化が進展している点が大きな特徴となっています。

具体的には、東京圏や大阪圏を中心とする三大都市圏において、強い需要を背景に上昇幅が一段と拡大する動きが確認されました。都市部への人口集中や活発な開発意欲、利便性の高い立地に対する根強い需要が下支えとなり、三大都市圏の地価上昇が全体を牽引している状況がうかがえます。

その一方で、これまで地価の上昇を牽引する存在として注目されてきた地方4市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)においては、異なる動向が記録されました。地方4市では地価の上昇そのものは継続しているものの、その伸び率が縮小し、実に14年ぶりに三大都市圏の上昇率を下回る結果となりました。

地方4市における伸び率鈍化の背景として指摘されているのが、建築費や人件費の高騰です。工事関連コストの大幅な上昇が重荷となり、再開発プロジェクトの計画見送りや延期が発生しているほか、住宅価格への転嫁による購入希望者の取得控えが広がっていることが、地価の伸びを抑制する主な要因として浮き彫りになっています。

不動産市場・投資家への影響

今回の基準地価の公表結果は、不動産市場の動向を把握し、投資や資産形成を進める関係者にとっても複数の重要な視点を示唆しています。全国平均として地価が5年連続で上昇している事実は、不動産市場全体としての底堅さを示しているものの、エリアによって成長の持続性や直面している課題が異なっている点には注意を払う必要があります。

まず、三大都市圏においては旺盛な需要が持続しており、上昇幅が拡大していることから、資産価値の安定性や流動性の高さを評価する動きが引き続き継続する可能性があります。大都市圏における需要の強さが数字として示されたことで、都心部を中心とした投資判断においては、引き続き堅調な需要動向が重要な評価指標となっていくと考えられます。

一方で、地方4市に見られる伸び率の縮小は、地方都市における開発採算性や住宅需要の動向を再考するきっかけとなる可能性があります。建築費や人件費の負担増は、単に工事段階にとどまらず、最終的な販売価格や賃料設定、さらには事業全体の実現性にも直接的な影響を与える要素です。これにより、再開発の進捗や新規供給のペースに変化が生じ、結果として周辺の土地需要や住宅取得の動きに慎重な姿勢が強まることも考えられます。

したがって、今後の不動産市場や投資環境を見極めるにあたっては、全国的な平均値としての数字のみに着目するのではなく、三大都市圏と地方主要都市との間で生じている需給バランスやコスト高騰の影響度合いを地域ごとに丁寧に確認していく姿勢が求められます。特に地方中核都市においては、建築コストが事業継続や購入意欲にどのような影響を及ぼし続けるのか、今後の推移を注視していく必要があります。

この記事のポイント

  • 国土交通省発表の令和8年都道府県地価調査で、全国全用途平均は前年比1.5%上昇し5年連続のプラスとなった
  • 東京圏・大阪圏を中心とする三大都市圏では、旺盛な需要を背景に地価の上昇幅が拡大した
  • 地方4市(札幌・仙台・広島・福岡)は建築費や人件費の高騰で再開発見送りや住宅取得控えが生じ、伸び率が縮小した
  • 地方4市の伸び率が三大都市圏を下回るのは14年ぶりであり、地域間での二極化傾向が浮き彫りとなった

出典:全国の地価動向は全用途平均で5年連続上昇~令和8年都道府県地価調査~ | 国土交通省

詳細はこちら

おすすめの記事
最新のニュース