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「1法人1物件スキーム」で爆速でメガ大家に?!その裏にはブラックな真実が…

2022/09/22
2023/04/25
不動産投資コラム

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  • 1法人1物件スキームとは?
  • 1法人1物件スキームのメリットとされる4点|資産が増やせるのはなぜ?
  • 1法人1物件スキームの問題点|そのブラックな真実とは?
  • 1法人1物件スキームの大きすぎるデメリット|バレたらどうなる?
  • まとめ:1法人1物件スキームは金融機関に隠し事をしない前提で

信じられないスピードで資産を増やした先輩投資家に話を聞いてみたら、どうやら「1法人1物件スキーム」というテクニックを用いているらしい…。

それを聞いて、てっとり早く資産を拡大する様子を見て羨ましくなり「よし自分も!」と思った方、注意が必要です。

結論から言うと、現在は「1法人1物件スキーム」はバレます

この記事では、あっという間にメガ大家にもなれる「1法人1物件スキーム」というテクニックについて、概要と注意すべきブラックな真実を解説します。

気付かぬうちにこのテクニックに手を染めているケースもあるため、不動産投資に関わるすべての方にとって他人事ではありません。資産拡大を考える前に、ぜひお読みください。

1法人1物件スキームとは?

「1法人1物件スキーム」とは、不動産投資物件を購入するにあたって物件ごとに新法人を作り、法人ごとで異なる金融機関から融資を受けることをいいます。

他に、「複数法人スキーム」「多法人スキーム」などと呼ぶこともあります。

・A物件の購入にあたり、A法人を設立し、A銀行から融資を受ける
次に、B物件の購入にあたり、B法人を新設し、今度はB銀行から融資を受ける
さらに、C物件の…

といった具合です。

ある時期、一部の業者が主催する不動産投資セミナーなどで紹介されて広まった結果、インターネットでも広く話題になり、急速に資産を拡大する「禁断の手法」などともてはやされました。

1法人1物件スキームのメリットとされる4点|資産が増やせるのはなぜ?

この1法人1物件スキームがなぜ広まったのかを理解するためには、まず法人化のメリットを確認しましょう。

メリットは主に以下の4点です。

1.収入が一定額を超えると個人よりも税率が低くなってキャッシュフローが良くなる
2.
経費の計上がしやすく節税方法の選択肢も多い
3.
物件を資産管理法人に所有させると相続を円滑化できる
4.個人よりも融資を受けやすい

特に、最後の「個人よりも融資を受けやすい」点に注目です。

金融機関から融資を受けるにあたって、個人の与信枠には限界があります。収入や資産、職業、年齢、返済中のローンなどの属性から判断され、不動産投資ローンとして借りられる金額の上限が設定されるのです。

ところが、法人になると融資の限度額という考え方がありません。
そのため、不動産投資で資産を増やそうと考える場合、法人化のメリットが大きいことになるのです。

なお、法人化について詳しくは以下の記事にまとめています。併せてご覧ください。
>『不動産投資を法人化すべき人はどんな人?|法人化のメリット・デメリットから紐解く』

ただし、いくら法人だからといって無尽蔵に融資を受けられるわけではありません。金融機関も、その法人の資産・負債・収入などを都度審査して、融資する金額を判断します。

そこで、「複数法人を新設する」という考え方が登場します。ひとつの法人で融資を受けた後は、別の法人を立ててそちらで融資を受けようということです。

このようにして、できるだけ大きな融資を受けながら資産を増やしていくのが「1法人1物件スキーム」です。

複数の法人を立てて融資を引くこと自体には何ら違法性はありませんので、これだけ聞くとまっとうなテクニックのように思えます。
しかし、重大な問題点があります。

1法人1物件スキームの問題点|そのブラックな真実とは?

上述の手法で、法人を新設⇒融資⇒新設⇒融資⇒…を繰り返すためには、ある条件が必要です。

それが、「他の法人で融資を受けていることを銀行に隠す」ことになり、つまり、このスキームは金融機関を欺くことで成り立つのです。

新設法人をつくって融資を受けるにあたって、投資家は「連帯保証人」に設定されます。しかし、この事実は個人の信用情報には記載されません。

そのため、黙っていれば他の法人の借入額が金融機関に知られることはありません。よって、これを繰り返すことで個人の与信枠を超えた融資が受けられるというわけなのです。

「聞かれなかったから答えなかった」という態度をとる人もいるようですが、報告義務違反と捉えられれば重大な結果を招くことになります。

まさに、ブラックな真実の上に成り立っているのが1法人1物件スキームです。

1法人1物件スキームは現在は「バレる」

このスキームが流行した当時は、上述のとおり金融機関が実態を知る方法が限られていました。しかし、昨今は様々な対策がされていて現在では「バレる」ようになっています。

その理由がこちらの2つです。

1.マイナンバー制度によって隠蔽していた法人の存在が明らかになった
2.金融機関の合併によって機関同士の情報連携が強化された

まっとうな手段として複数法人を持つことはもちろん問題になりませんが、金融機関に事実を隠して行う、いわゆる「1法人1物件スキーム」は通用しにくくなりました。

1法人1物件スキームの大きすぎるデメリット|バレたらどうなる?

もし、1法人1物件スキームを行っていることが金融機関にバレた場合、重大な結果と向き合うことになります。一括返済を求められたり、融資を中止されたりするのです。

以下に2つの実例を紹介しますので、1法人1物件スキームがいかにリスクが大きいかの参考にしてください。

・朝日新聞デジタル 2019年3月4日 >『会社員が不動産ローン20億円、突然の「融資中止」通告』
楽待不動産投資新聞  2019年2月22日 >『りそな銀行が「1法人1物件スキーム」に鉄槌か」 』

まとめ:1法人1物件スキームは金融機関に隠し事をしない前提で

「1法人1物件スキーム」は一時期はもてはやされた手法であり、一見すると法的にも問題がないように見えます。

しかし、いわゆるブラックで、その結果も重大なものになるため、よくわからないうちに手を出すのは控えるべきでしょう。

ただし、複数の法人を持つこと自体に違法性はありませんので、正しい知識を持つことが重要です。

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