東京23区の中古マンション価格は高値圏が続く
東京の中古マンション市場は、依然として高値圏で推移している。東京カンテイの市況レポートによると、2026年5月の東京23区中古マンション70㎡換算価格は1億2,849万円となり、25か月連続で上昇した。首都圏全体でも価格上昇が続く一方、都心部では一部で価格調整の兆しも見られ、購入希望者にとっては「どこを買うか」の見極めがより重要になっている。
注目されるのは「駅ごとの将来人口」
こうしたなか、注目されているのが「駅ごとの将来人口」という視点だ。マネーポストWEBの記事では、不動産投資会社リーウェイズが、国土技術政策総合研究所の「将来人口・世帯予測ツール」をもとに、2025年から2035年にかけて人口増加が見込まれる駅を分析し、勝どき、豊洲、入谷などの駅周辺にある中古マンションを取り上げている。
不動産価格を支えるのは「住みたい人」の増加
不動産価格は、立地、築年数、管理状態、再開発、交通利便性など多くの要素で決まる。しかし長期的に見ると、最も基本となるのは「そこに住みたい人が増えるかどうか」である。人口が増えるエリアでは、賃貸需要や購入需要が維持されやすく、将来的な資産価値の下支えにつながりやすい。反対に、人口減少が進むエリアでは、たとえ現在の価格が安く見えても、将来的な売却や賃貸付けで苦戦する可能性がある。
勝どき・豊洲に見る湾岸エリアの需要の強さ
特に勝どきや豊洲といった湾岸エリアは、タワーマンションの供給が多く、価格高騰の象徴として語られることも多い。一方で、都心へのアクセス、再開発、商業施設、子育て世帯の流入といった要素を考えると、単なる一時的なブームだけでは説明しきれない需要の厚さがある。価格が高いから危険、という単純な見方ではなく、「高くても需要が続く理由があるか」を確認することが重要だ。
入谷のような“割安感のある駅”にも注目
また、入谷のようなエリアは、浅草や上野に近い立地でありながら、都心主要部や湾岸エリアと比べると価格面で相対的に検討しやすいケースがある。こうした“周辺人気エリアの波及を受ける駅”は、今後の中古マンション選びにおいて注目度が高まる可能性がある。すでに完成された人気駅だけでなく、生活利便性、交通アクセス、周辺開発、人口動態を合わせて見ることで、割安感のある物件を見つけやすくなる。
人口増加予測だけで判断するリスク
ただし、人口増加予測だけで物件を選ぶのは危険だ。将来人口・世帯予測ツールは、国勢調査などをもとに小地域単位で将来人口を推計できるものだが、予測はあくまで目安であり、個別物件の価格上昇を保証するものではない。国総研も同ツールを都市計画や地域公共交通計画などに活用できる支援ツールとして位置づけている。
中古マンション選びで確認すべき項目
中古マンションを選ぶ際には、駅の将来性に加えて、管理状況、修繕積立金、総戸数、築年数、間取り、ハザードリスク、賃貸需要、出口戦略まで確認する必要がある。特に価格上昇が続く局面では、「今後も上がりそう」という期待だけで購入すると、金利上昇や市況変化によって想定外のリスクを抱えることになる。
これからは「駅の将来性」と「物件の質」を見極める時代
これからの東京のマンション選びでは、単に「人気の街だから買う」のではなく、「人口が増える理由がある駅か」「その駅の中でも需要が残りやすい物件か」を見極めることが重要になる。価格が高騰する市場だからこそ、駅単位の人口動態と個別物件の品質を冷静に比較する視点が、失敗しない不動産選びのカギとなる。
まとめ
東京都の中古マンション市場は高値圏が続いているものの、今後もすべてのエリアで同じように価格が上がるとは限らない。重要なのは、現在の人気や価格だけで判断するのではなく、将来人口、交通利便性、再開発、生活環境、管理状態などを総合的に見ることだ。勝どきや豊洲のように需要の厚いエリアだけでなく、入谷のように周辺人気エリアの影響を受けながら相対的な割安感が残る駅にも注目したい。これから中古マンションを検討する際は、「価格が上がっているから買う」のではなく、「今後も選ばれ続ける理由があるか」を見極めることが、失敗しない物件選びのポイントになる。






