「不動産投資を始めてみようかな」
そう思ったものの、「ワンルーム?一棟アパート?それとも最近よく聞くREIT?」と、選択肢が多くどう違うのかわからなくて困っていませんか?
不動産投資は、あなたの目的や資金力、リスク許容度によって、選ぶべき「種類」が全く異なります。自分に合わない手法を選んでしまうと、後悔に繋がる可能性も少なくありません。
ご安心ください。この記事では、数ある不動産投資の種類を、専門用語を避けつつ、図解や表を交えて分かりやすく徹底比較。それぞれのメリット・デメリットから、あなたに最適な投資手法の見つけ方まで、詳しく解説します。
📖 この記事を読めばわかること(目次)
この記事を読み終える頃には、あなたが進むべき道が明確になっているはずです。
まずは全体像を把握!不動産投資の3つの大分類
詳細に入る前に、まずは不動産投資を大きく3つのカテゴリーに分けて、頭の中を整理しましょう。それぞれ「資産の持ち方」が根本的に異なります。
■①「1室」から始める「区分投資」
マンションやアパートの1室単位で購入・所有する、最もポピュラーな手法です。建物全体の所有者の一人として、管理組合に参加します。リスクや責任が所有する一室に限定されるため、比較的少額から始めやすく、多くの会社員の方がこの方法で「サラリーマン大家」としての一歩を踏み出しています。
■② 建物まるごと所有する「一棟・戸建て投資」
アパートやマンション、または戸建て住宅を1棟まるごと購入・所有する手法です。土地と建物のすべてが自分の資産となり、リノベーションや建て替えなど、経営の自由度が高いのが特徴です。
「一棟投資」は複数の部屋からの家賃収入が期待できる分、初期費用は数千万円以上と高額になります。一方で「戸建て投資」は、都心の新築など高額なものもありますが、地方や中古の物件であれば比較的少ない初期費用で始められるメリットもあります。
どちらも建物全体の維持管理責任を負うため、区分投資に比べて専門的な知識が求められます。
■③ 少額から間接的に投資する「小口化・ファンド投資」
J-REIT(不動産投資信託)や不動産クラウドファンディングなど、多くの投資家から資金を集めて不動産へ投資する手法です。1万円程度の少額から始められる手軽さが魅力ですが、不動産そのものを所有するわけではなく、あくまで配当金を受け取る権利を得る「金融商品」に近い性質を持ちます。物件の選定や管理をプロに任せられる一方、レバレッジ(ローン活用)が効かないという特徴があります。
【徹底比較】主要な不動産投資6種類とメリット・デメリット
それでは、主要な6つの投資手法を、具体的なメリット・デメリットと共に詳しく見ていきましょう。
■一目でわかる!不動産投資タイプ別比較表
種類 | 初期費用 | 利回り目安 | 管理の手間 | おすすめな人 |
---|---|---|---|---|
新築ワンルーム | 中 | 低 | 小 | 初心者〜 |
中古ワンルーム | 小〜中 | 中 | 小 | 初心者〜 |
一棟アパート | 大 | 中〜高 | 大 | 中級者〜 |
戸建て | 中〜大 | 中 | 中 | 中級者〜 |
J-REIT | 極小 | 低〜中 | 極小 | 初心者〜 |
クラウドファンディング | 極小 | 低〜中 | 極小 | 初心者〜 |
■① 新築ワンルームマンション投資
メリット: 金融機関の融資が受けやすく、担保価値が高く評価される傾向にあります。最新の設備で入居者が決まりやすく、当面は大きな修繕の心配が少ないため、管理の手間がかかりません。
デメリット: 中古に比べ物件価格が高いため、表面利回りは低くなります。そのため、月々のキャッシュフローがマイナスになることもありますが、これは将来の売却益や資産形成を見据えた「戦略的な赤字」であるケースが多いです。→関連記事:不動産投資のキャッシュフローマイナスは失敗?
収益性の考え方: 月々の大きなキャッシュフローを狙うより、長期的な視点で資産価値を維持・向上させ、将来の売却益や私的年金を目指す「資産形成型」の投資と言えます。
■② 中古ワンルームマンション投資
メリット: 新築に比べて価格が安く、高い利回りを期待できます。すでに入居者がいる状態(オーナーチェンジ物件)で購入すれば、すぐに家賃収入を得ることができます。
デメリット: 築年数が経っているため、給湯器やエアコンなどの設備故障による急な出費(修繕リスク)が発生する可能性があります。また、金融機関によってはローンの期間が短くなることがあります。
収益性の考え方: 新築同様、長期的な資産価値を重視する「資産形成型」ですが、より高い利回りを狙える分、物件の見極めやリフォームの知識が求められます。
■③ 一棟アパート・マンション投資
メリット: 複数の部屋からの家賃収入があるため、一室が空室になっても収入がゼロになるリスクを避けられます。土地も資産として所有でき、建物全体の管理や修繕を自分の裁量で行えます。
デメリット: 購入価格が数千万円〜数億円と高額になります。外壁塗装や屋上防水など、建物全体の修繕費用は非常に大きく、経営的な視点がより求められる上級者向けの手法です。
収益性の考え方: ワンルーム投資と異なり、複数の部屋からの家賃収入で月々のキャッシュフローを最大化することを主な目的とする「事業経営型」の投資です。
■④ 戸建て投資
メリット: 主にファミリー層が入居するため、一度入居すると長期間住んでくれる傾向があります。土地も所有でき、アパートと比べて入居者間の騒音トラブルなどもありません。
デメリット: ワンルームマンションに比べて、売却したい時にすぐ買い手が見つからない「流動性リスク」があります。また、修繕はすべて自己責任・自己負担となります。
収益性の考え方: 「事業経営型」と「資産形成型」の中間的な性質を持ちます。一つの世帯から得られる長期で安定した家賃収入(インカムゲイン)と、土地という資産価値の維持・向上(キャピタルゲイン)の両方をバランス良く狙うモデルです。
■⑤ J-REIT(不動産投資信託)
メリット: 証券取引所で株式のように売買できるため、換金性が非常に高いです。運用のプロが複数の物件に分散投資しているため、自分で物件を選ぶ手間や知識は不要です。
デメリット: ローンを活用したレバレッジ効果は得られません。市場で価格が変動するため、元本割れのリスクがあります。あくまで間接的な投資であり、不動産そのものは所有できません。
収益性の考え方: 株式投資に近く、定期的な「分配金」(インカムゲイン)と、投資信託そのものの「値上がり益」(キャピタルゲイン)の2つを狙う**「金融投資型」**です。レバレッジは効きませんが、手軽に分散投資が可能です。
■⑥ 不動産クラウドファンディング
メリット: 1万円程度から、特定のプロジェクト(物件)に期間を定めて投資できます。目標利回りや運用期間が最初から決まっているため、計画を立てやすいのが特徴です。
デメリット: 原則として運用期間中の解約(現金化)はできません。運営会社が倒産するリスクもゼロではなく、比較的新しい市場であるため、法整備なども含めて注意が必要です。
収益性の考え方: 定められた期間と利回りに基づく「分配金」(インカムゲイン)を受け取ることを目的とした「プロジェクト参加型」の投資です。短期的なリターンを狙うもので、長期的な資産形成や売却益(キャピタルゲイン)を目的とはしていません。
【最重要】すべての種類に共通する、たった一つの成功法則
ここまで様々な種類を見てきましたが、これらを選ぶ前に、すべての現物不動産投資に共通する、非常に重要な大原則をお伝えします。この視点を持つかどうかで、投資の成功確率が大きく変わります。
それは、「利回りよりも『立地』を最優先する」ということです。
不動産投資を調べていると、「利回り10%!」といった魅力的な数字が目に飛び込んでくることがあります。しかし、どんなに利回りが高くても、入居者がいなければ家賃収入は1円も入ってきません。不動産投資の成功は、9割が「立地」で決まると言っても過言ではないのです。
人口が減少し、賃貸需要が先細りしていくエリアで高い利回りを狙うより、多少利回りが低くても、今後も安定した需要が見込める都心部の物件を選ぶ方が、長期的に見てはるかに手堅い投資と言えます。「高利回り」という言葉だけに惑わされないようにしましょう。
目的・資金力で選ぶ!あなたに最適な不動産投資の見つけ方
■【目的別】おすすめの投資タイプはこれ!
- 「老後のために、手堅く資産形成したい」人 → 都心の新築・中古ワンルームマンション
- 「毎月のキャッシュフローを増やしたい」人 → 地方の中古一棟アパート
- 「とにかく少額から体験してみたい」人 → J-REIT、不動産クラウドファンディング
■【自己資金別】始められる投資の目安
- 100万円〜300万円: J-REIT、クラウドファンディング、自己資金を抑えたワンルームマンション
- 300万円〜1000万円: ワンルームマンション、地方の中古戸建て
- 1000万円以上: 都心の中古ワンルーム、一棟アパート
まとめ
不動産投資には、あなたの目的や状況に合わせて、実に多くの「種類」があります。最も重要なのは、それぞれの特徴を正しく理解し、「自分に合ったものを選ぶ」ことです。
この記事で、あなたが進むべき道の全体像は掴めたはずです。次のステップは、より具体的な情報を得て、あなたのプランを確かなものにしていくことです。
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