マンションの経営を検討している方なら、きっと「失敗したくない」と考えているはずです。
この記事では、マンション経営における失敗例をまとめ、失敗しないための方法も併せて整理しました。
安定したマンション経営を実現する参考になさってください。
マンション経営の5つのメリット
まずは、マンション経営に期待できる代表的な5つのメリットを確認します。
なぜなら、これが実現できない状態が「失敗」の指標になるためです。
メリット1.老後の年金代わりになる
メリット2.生命保険の代わりになる
メリット3.投資商品として収入を得られる
メリット4.インフレ対策
メリット5.節税
メリット1.老後の年金代わりになる
若く健康でローンの審査も通りやすいうちにマンションを購入すれば、引退する頃にはローンを完済し、安定した家賃収入をもたらしたり売却して現金に換えたりできる資産を獲得することができます。
特に現代の30代~40代は年金に対する不安も大きいため、マンション経営が老後の年金代わりに生活を安定させてくれます。
メリット2.生命保険の代わりになる
マンションを購入すれば団体信用生命保険(団信)に加入できます。
万一の死亡などでローンの残債が肩代わりされるため、家族に安心を残すことができるのです。
マンション経営なら家賃収入を得ながら生命保険にも加入できます。
メリット3.投資商品として収入を得られる
ミドルリスク・ミドルリターンの投資商品であるマンション経営は、賃貸中安定した家賃収入を期待できます。
購入にはローンを用いることになりますが、返済は基本的に家賃からなされるので持ち出しを抑えられる「レバレッジ効果」が特徴です。
レバレッジ効果などマンション経営の基本について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしていただけます。
>『不動産投資の初心者に必要な5つのノウハウ│始め方は?いくら必要?成功のコツは?』
メリット4.インフレ対策
現在の日本はデフレーションですが、いつデフレを脱却してインフレ状態に突入するかはわかりません。
インフレーションにおいては現金価値は下がってしまいますが、マンションなどの不動産に換えておけば資産価値を下げることなく保有・運用することができます。
メリット5.節税
マンション経営から獲得した収入は減価償却費や経費等を差し引いた分を不動産所得として計上し納税しなければなりません。
しかし、副業としてマンション経営をしている場合は本業の所得からこのマイナス分を差し引いて計上することができるため、所得税や住民税の節税が期待できます。
マンション経営でよくある失敗例5つ
マンション経営に期待できるメリットがわかったところで、次によくある失敗例を確認します。
上述のメリットの実現を目指し、以下の失敗例を回避することでマンション経営の成功に近付いていきます。
マンション経営の失敗例1:節税効果が得られなくなってしまった
マンション経営の失敗例2:売るに売れなくなってしまった
マンション経営の失敗例3:空室で収入が途絶えてしまった
マンション経営の失敗例4:需要を依存していた周辺施設がなくなってしまった
マンション経営の失敗例5:利回りだけで判断したら全然儲からない
マンション経営の失敗例1:節税効果が得られなくなってしまった
マンション経営のメリットのひとつが節税ですが、大きな恩恵を受けやすいのは設備を短期で経費にできる最初の数年です。
長期的な節税を期待していると、管理費や修繕費、固都税などの各種税金でかかる出費のほうが大きくなり、節税の効果が得られなくなってしまうケースがあります。
長期的な節税効果には過度に期待せず、正しく慎重な計算をすることによって回避します。
マンション経営の失敗例2:売るに売れなくなってしまった
マンションは新築であっても購入した瞬間に売却価格は購入価格の70%程度に下がってしまうことがあります。
手放そうとするタイミングによっては大きな損になってしまうことから「売るに売れず、計画が狂ってしまった」という失敗例があるのです。
ただし現在のマーケットとしてはマンションの価格は上昇傾向にあるため、正しい情報を基に備えれば過度の心配はありません。
なお、マンション売却のタイミングについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
>『マンション売却に最適な5つのタイミングとは?高く早く売るための知識』
マンション経営の失敗例3:空室で収入が途絶えてしまった
マンションを一室だけ保有するようなケースで特に注意すべきは、空室によって収入が途絶えてしまうことです。
収入が途絶えても維持管理費用や税金は発生するため、収支がマイナスになってしまうような失敗例がありえます。
入居率の高さに定評がある不動産管理会社に委託したり、複数室を保有したりすることによって空室リスクは低減できます。
マンション経営の失敗例4:需要を依存していた周辺施設がなくなってしまった
大型の商業施設、病院、学校などが近くにあるマンションは需要が安定する傾向がありますが、特定の施設に需要を依存することは危険です。
たとえ大きな施設であっても移転したりする可能性があり、これによって急激に入居率が低下する恐れがあります。
入居ニーズは総合的に判断して安定性を確認しましょう。
マンション経営の失敗例5:利回りだけで判断したら全然儲からない
マンション経営において重要な指標のひとつが「利回り」ですが、物件の利回りだけで判断して購入してしまうと失敗につながる恐れがあります。
表面利回りが高く、満室想定の入居率では安定した数字が実現できそうに見えても、実態が伴っているとは限りません。
築年数が古くて想定以上に維持費がかかったり、思うように入居者が集まらなかったり、様々な事態が考えられるのです。
利回りだけでなく、総合的に判断して物件を選ぶ必要があります。
なお物件の選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしていただけます。
>『不動産投資用の物件の選び方│種類と目的別の選び方まとめ』
マンション経営失敗を避ける「リスクヘッジ」
上述のとおりマンション経営はミドルリスク・ミドルリターンの投資であり、一定のリスクが伴います。このリスクを軽減し、失敗を避けようとする施策を「リスクヘッジ」といいます。
マンション経営における以下の7つのリスクと、それを回避するリスクヘッジの方法をまとめた記事があります。こちらも併せてご覧ください。
【マンション経営における7つのリスク】
・家賃の下落
・物件価格の下落
・空室
・家賃滞納
・ローンの金利上昇
・災害
・修繕費用
>『不動産投資のリスクヘッジまとめ|7つのリスクとそのリスクヘッジ』
赤字=経営失敗ではない。「出口戦略」を考えると失敗は避けられる
マンション経営の失敗というと「赤字」を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、一律に赤字=経営失敗ではないのです。
マンション経営は長期的な投資であるため、修繕やリフォームなどの出費が発生することによる一時的な収支のマイナスは十分に考えられます。ただし、これらは将来の収入アップに対する投資であるため、長い目で見ると失敗とはいいません。
マンション経営を長い目で見るにあたり、「出口戦略」という考え方があります。いつかは必ず何らかの形で「終わり」を迎えるマンション経営において、どのような終わり方をするか計画することを出口戦略といいます。
出口戦略をしっかりと立てておくことで、短期的に一喜一憂したり、一時的な赤字に計画が狂わされたりすることを回避できます。
出口戦略は原則として「売却」を意味します。
詳しくは以下の記事にまとめていますので、ぜひ併せてご覧ください。
>『不動産投資の出口戦略を極めるために必要な3つの知識』
出口戦略としてのマンションの売り時 5つの判断基準とは
マンションの売り時を正確に見極め、より高く、より早く、計画どおりに売却することができれば、出口戦略を含めたマンション経営は成功に近付くことになります。
マンションの売り時を判断する主なポイントは次の5つです。
1.マーケット(市況)
2.築年数
3.時期
4.大規模修繕
5.所有期間
これらのポイントの詳しい考え方については以下の記事にまとめています。出口戦略として売却を考える場合はぜひご覧ください。
>『マンションの売り時を見極める5つの判断基準│2022年はマンションの売り時か?』
マンション経営に失敗しない物件の選び方
出口戦略を描いてマンション経営の失敗リスクを避けようとするならば、購入時の物件の選び方から慎重になる必要があります。
マンション経営の成功は物件選びにかかっているともいわれています。
以下の記事では、出口戦略や投資の目的によって異なる選び方を整理しましたので、参考にしてください。
>『不動産投資用の物件の選び方│種類と目的別の選び方まとめ』
まとめ:マンション経営で失敗しないために
マンション経営における「失敗」とは、一時的な赤字状態のことを指すのではなく、「想定しない事態」を指すことが多いとわかりました。
想定しない事態を回避するために行うべきは、代表的なリスクを軽減するためのリスクヘッジであり、これは主に7つあることをお伝えしました。
また、長期的な視点で経営判断をするためには経営当初から「出口戦略」をしっかりと立てることが重要であり、さらに出口戦略とは基本的に売却を意味すると述べました。
売却のタイミングを判断するポイントは5つあり、また購入時から出口戦略を見据えた「物件の選び方」が失敗回避に大きな影響があることがわかりました。
マンションの経営において失敗を回避する一番の方法は、常に学び続けて正しい知識と慎重な計画をもって投資を進めることです。引き続き当サイトをご参考にしていただければ幸いです。