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2025年問題による人材不足|建築業や不動産への影響は?

2023/09/07
2024/04/01
不動産投資コラム

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  • 2025年問題とは?
  • 2025年問題の人材不足による影響3つ
  • 2025年問題で建築業も人材不足
  • 2025年問題の人材不足による不動産への影響は?
  • 2025年問題で人材不足が起きても不動産投資は安心?
  • まとめ

刻一刻と迫って来た「2025年問題」ー。

団塊世代が75歳になることで、国民の5人に1人が後期高齢者になるという社会を迎えようとしています。

その2025年問題は、医療・介護・建築(建設)など様々な業界に影響を及ぼすことが懸念されていることをご存知でしょうか?

この記事では、2025年問題で建築業界に与える影響、人材不足による不動産への影響、について解説していきます。

不動産投資にも関わる重要問題ですので、すでに不動産投資に取り組んでいる方だけでなくこれから取り組もうとしている方も、是非ご一読ください。

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2025年問題とは?

そもそも「2025年問題」とは、現在約800万人いる“団塊世代(1947~1949年生)”のすべての方が後期高齢者となり、それが原因で医療・介護・年金などがひっ迫し、社会全体に大きな影響を与えるのでは?と懸念されている問題です。

現在、後期高齢者の医療・介護費の自己負担額は1割で、他の9割は社会保障による費用…
つまり、私たちが払っている税金によって補っているというわけです。

そのため、後期高齢者の増加によって社会保障が膨らむ可能性が大…
税金で補填する額は増える一方ですが、団塊世代が後期高齢者になるということは“労働人口の大幅減少”を意味します。

要するに、2025年問題によって下記のような「負の連鎖」に陥ることが不安視されているのです。

・団塊世代が後期高齢者になる

・労働人口が大幅に減少する
・社会保障が膨らむ

・あらゆる業界が萎縮する

2025年には5人1人が後期高齢者

内閣府が公表している「令和4年版 高齢社会白書」によると、2025年には75歳以上の後期高齢者の人口が2,180万人に達し、65~74歳の前期高齢者人口も1,497万人までに達すると予測されています。
実に、国民の約3人に1人が65歳以上、約5人に1人が75歳以上になるのです。

内閣府_高齢化の状況|令和4年版高齢社会白書※引用元:令和4年版 高齢社会白書

しかも、総務省が2023年5月に公表した我が国のこどもの数によれば、2023年4月1日時点での子ども(15歳未満)の数は1,435万人で1982年から42年連続で減少と、高齢化に加えて少子化にも歯止めがかかっていない状況です。

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>【2025年問題】不動産価格が大暴落?2つの見極め方を解説

2025年問題の人材不足による影響3つ

2025問題によって人材不足が起きると、様々な産業や経済に影響が及ぶ可能性があります。

人手不足によって大きな影響が考えられるがこちらの3つです。
1.労働市場と雇用への影響
2.生産性への影響
3.価格とインフレへの影響

影響1.労働市場と雇用への影響

2025年問題による人材不足が続く場合、企業は労働者を確保するために少しでも高い賃金を提供することが予想されるため、賃金の上昇が期待されます。
ただ、人材不足によって労働者の需要が高まる一方、業界によっては自動化・効率化が加速する可能性もあります。

また、高度な専門知識や技能を持つ労働者は、高スキルによって競争的な賃金や雇用機会を得られるでしょう。

影響2.生産性への影響

人材不足によって必要な労働力を確保できない場合、生産プロセスに遅延が発生し、労働力不足が原因で生産性が低下する可能性があります。
これは特に建築業や製造業などの業界に当てはまるため、2025年問題は両業界に大きな影響を及ぼしそうです。

また、人材不足が続くことで、企業は労働者を引き留めたり新たな労働者を確保するために賃金の引き上が必要になるかもしれません。
これは、労働コストの増加を意味していて、生産性に対するコスト圧力が高まる可能性があります。

影響3.価格とインフレへの影響

人材不足によって、レストラン・ホテル・小売業などのサービス業で価格上昇する可能性があります。
また、製品やサービスの供給が遅れることによって、需要が供給よりも増加する場合は価格が上昇するかもしれません。

加えて、総需要が高まることでインフレの圧力を高める可能性も。
中央銀行はインフレを抑制するために利上げを行う可能性もあり、これは金利が上昇し融資コストが上昇することを意味していて、価格へ影響してきます。

2025年問題で建築業も人材不足

2025年問題は、不動産を建設する建築業への影響も避けられません

それは、後期高齢者が増えることで労働人口が減少し、建築業の人材不足が加速する可能性があるからです。

厚生労働省が2023年5月に公表した一般職業紹介状況(令和5年3月分及び令和4年度分)によれば、建設関連職種の有効求人倍率は高い倍率を誇っています。

・建築/土木/測量技術者:6.55倍
・建設躯体工事の職業:10.68倍
・建設の職業:5.07倍
・電気工事の職業:3.49倍
・土木の職業:6.40倍

全職業の平均有効求人倍率が1.32倍という点を踏まえると、建築業はかなりの売り手市場なのです。

その理由として、「3K(キツい・危険・汚い)」のイメージが強いことから若年層の労働力が不足している点や、作業者や技術者の高齢化なども挙げられます。

国土交通省_最近の建設業を巡る状況について【報告】※引用元:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について【報告】」(令和5年4月18日)

国土交通省が公表している上記データにも書かれているように、現在の建築業は60歳以上の建設技能者数が25.7%と全体の4分の1を占めていて、10年後には大半の方が引退することが見込まれているのです。

建築業の人材不足による3つの懸念

建築業が人材不足に陥ることで懸念されているのは、以下の3点です。
1)建築プロジェクトの遅延
2)コストの上昇
3)品質問題

1)建築プロジェクトの遅延

建築業が人材不足に陥ると、建築プロジェクトが完了するまでの時間が延びる可能性があります。

これは、建築業全体に影響を及ぼしかねなく、プロジェクトの遅延によってコストの増加が発生するなど、発注者や顧客にも影響が及ぶかもしれません。

2)コストの上昇

人材不足によって労働者の需要は高まり、賃金の引き上げが行われる可能性があります。

これにより、建築プロジェクト全体としてのコストが増加し、それがコストや住宅価格に影響を与える可能性も。

3)品質問題

人材不足によって、労働者が過重労働を課せられてしまうのでは?と不安視されているのです。

それが原因で、作業品質に悪影響を及ぼし、建物品質や安全性に関する問題を引き起こす恐れがあります。

2025年問題の人材不足による不動産への影響は?

2025年問題によって建築業が人材不足に陥り、大きな影響を与えることは前述した通りですが、不動産には影響があるのでしょうか?

結論から言うとあります。

建築業の人材不足によって不動産に与える影響は、主に以下の2つです。
1.不動産価格の上昇
2.賃金と家賃の上昇

影響1.不動産価格の上昇

建築業で人材不足が発生すると新築住宅の供給が制限される可能性があり、それによって需要が供給を上回る場合、不動産価格が上昇することが考えられます。

影響2.賃金と家賃の上昇

人材不足が続くことで、労働力の需要が高まり賃金が上昇する可能性があります。

この場合、個人・世帯の収入が増加することで家賃の上昇に繋がることも考えられ、家賃が上昇すれば不動産投資を行っている方は収益(家賃収入)の向上が期待できるでしょう。

2025年問題で人材不足が起きても不動産投資は安心?

2025年問題はネガティブな面が目立ってしまいますが、果たして不動産投資は安心して行えるのでしょうか?

結論から言うと、不動産投資は安心して行えます

2025年問題を把握した上で不動産投資を行う場合は“投資の見極め方”が大事ですが、物件を購入するタイミングさえ理解しておくことでマイナスリスクを生み出すことなく不動産投資を行えるでしょう。

今後の不動産投資で大事なのは「立地」

現在もそうですが、都市部への人口集中は進み、不動産価格も上昇。しかも、生産緑地法(1992年制定)が2022年に無くなったことで都市部の土地売買も加速しています。

そのことからも、不動産投資を行う場合、新築物件を中心に立地条件などを考慮しながら投資を行うと良いでしょう。
理由は、新築物件は需要が見込まれて建設されているからです。

不動産市場が冷え込んでいくことが予想されている日本において、需要が見込まれない場所にマンションなどが建設されることはほぼありません。

今後の日本では、国が行う都市計画に基づき需要を分析した上で不動産が建設されていくため、“投資先は東京の新築物件!”というように絞り込みを行って投資を行うことがおすすめです。

東京都の単身者向けマンションは不動産投資に最適

人口減少による不動産投資への影響も心配されているものの、都心部にある単身者向けマンションは今後も需要が見込めます

東京都の総世帯数は2030年にピークを迎えその後は緩やかに減少していくものの、単独世帯数は2060年まで大きな変化がないと予想されているのです(東京都発表の数値による)。

東京都の単独世帯は総世帯数の約半分を占めていますが、単独世帯(一人暮らし)はマイホームを購入するよりもマンションなどの賃貸物件に住むことがほとんどです。

その結果、単独世帯が多い東京都では、今後も単身者向けマンションの需要が見込める、というわけです。

▼詳しくはこちらの動画をご覧ください。
>リヴトラストが不動産投資について解説|人口減少による不動産投資への影響は?

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まとめ

今回は、2025年問題による人材不足、人材不足による不動産への影響、について解説してきました。

2025年問題は建築業界に大きな影響を及ぼす可能性が高く、それに伴い不動産への影響も懸念されています。

ただ、これから建設される(または築浅の)マンションは“需要が見込める”と予測されているため、不動産投資に取り組む際は立地を選別して行うことが成功へのポイントと言えるでしょう。

これから不動産投資を始める方にとって、この記事が参考になったら幸いです。

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