全国の新築マンション供給戸数が大幅に減少し、8期ぶりに1万5000戸を下回ったことが民間調査機関の公表データによって明らかになりました。全国のすべての圏域で供給の絞り込みが進んでおり、新築市場における品薄感が一段と強まっています。
供給戸数が落ち込む一方で、首都圏の新築マンションの平均価格は上昇基調を維持しており、1坪(約3.3平方メートル)あたりの単価を示す平均坪単価は500万円を超える高水準を記録しました。
新築物件の供給減少と価格の高止まりが続くなか、需要の受け皿として中古マンション市場が存在感を高めており、住まい探しや不動産投資の動向にも変化が見られます。
この記事のポイント
- 全国の新築マンション供給戸数は前年同期比16.8%減の1万4182戸となり、8期ぶりに1.5万戸を割り込みました。
- 供給の減少は一部地域にとどまらず、全国の全圏域で続いており、新築市場の品薄感が強まっています。
- 供給減の一方で首都圏の新築平均坪単価は505.7万円へ上昇し、価格の高止まり傾向が続いています。
- 新築の高騰や品薄を背景に中古シフトが進み、首都圏主導で中古マンション流通戸数が7期ぶりに増加へ転じました。
ニュースの概要と背景
不動産調査会社の東京カンテイが公表した2026年第3四半期(7〜9月)の市場動向調査によりますと、全国で新たに供給された新築マンションの戸数は、前年の同じ時期と比べて16.8%減少となる1万4182戸にとどまりました。供給戸数が1万5000戸を下回るのは8四半期ぶりのことであり、全国的な供給低迷が鮮明となっています。
今回の調査結果では、一部の地域だけでなく全国のすべての圏域において供給の減少傾向が確認されている点が特徴です。新築マンションの市場全体で開発や販売のペースが慎重になっており、市場に出回る新規物件そのものの数が絞り込まれている状況が数字として表れました。
一方で、販売価格の水準は下落しておらず、特に首都圏の新築マンションにおいては平均坪単価が505.7万円に達しました。坪単価とは面積1坪あたりの販売価格を表す業界の一般的な指標ですが、この単価が500万円を突破したことは、新築物件の高額化が依然として続いている実態を示しています。
このように、全国的な発売戸数の減少と大都市圏を中心とする販売価格の高騰が同時に進行しており、新築マンション市場は限られた供給を高水準の価格で取引する構図が一段と色濃くなっています。
不動産市場・投資家への影響
新築マンションの供給戸数が限られ、販売価格が高止まりを続けている状況は、中古マンション市場の取引動向にも直接的な影響を与えています。今回の調査結果でも、新築の高値や品薄を背景として、購入検討者の需要が中古物件へと移行する「中古シフト」の動きが浮き彫りになりました。
実際に、中古マンションの流通戸数に目を向けると、首都圏が牽引する形で7四半期ぶりに増加へと転じています。新築の取得が予算面などで難しくなった層が中古市場へ流入していることが背景にあるとみられ、市場全体の流通規模が拡大傾向を見せています。
不動産の購入を検討している実需層や投資家にとっては、新築物件の選択肢が狭まっている現状を踏まえ、中古市場を含めた幅広い物件比較がより重要になってくると考えられます。中古物件への需要集中によって、良好な条件を持つ中古マンションの取引価格や流動性にも波及する可能性があります。
今後は、全国的な新築供給の絞り込みがいつまで続くのかとともに、中古市場への需要シフトが各地の成約状況や価格水準にどのような変化をもたらすのかについて、引き続き動向を注視していく必要があります。





