首都圏の中古マンション市場において、取引の成立件数が大幅に減少していることが明らかになりました。東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が公表した2026年9月度のデータによると、成約件数は前年の同じ時期と比べて20%以上の落ち込みを見せています。
成約件数だけでなく、取引された物件の1平方メートルあたりの単価や成約価格も下落傾向が続いており、売りに出されている在庫物件の数も増加しています。これまで堅調に推移してきた市場環境に変化が生じている可能性があり、今後の推移が注目されます。
この記事のポイント
- 2026年9月の首都圏中古マンション成約件数は前年同月比22.7%減の3,457件となり6ヶ月連続で減少した
- 成約㎡単価は前年比4.8%下落、成約価格も同4.5%下落となり、ともに5ヶ月連続の前年割れとなった
- 売り出されている在庫件数は5万450件と前年比15.1%増加し、7ヶ月連続で在庫が積み上がっている
- 特に東京都区部では成約件数が約3割減少し、価格高騰や金利先高観による買い控えが影響した可能性がある
- 市場が調整局面へ移行しつつある可能性があり、売買を検討する実需層や投資家は今後の推移に注視が必要である
ニュースの概要と背景
東日本不動産流通機構がまとめた「月例速報 Market Watch」によると、2026年9月における首都圏中古マンションの成約件数は3,457件となり、前年同月比で22.7%減少しました。前年同月の実績を下回るのは6ヶ月連続で、今年最大規模の減少幅となっています。エリア別に見ると、特に東京都区部での取引件数が約3割減と、顕著な冷え込みが確認されました。
価格動向においても下落基調が続いています。成約1平方メートルあたりの単価は前年同月比で4.8%下落し、成約価格全体でも同4.5%の下落となりました。価格関連の各指標が前年同月を下回るのは5ヶ月連続となっており、価格水準の見直しが進んでいる状況がうかがえます。
一方で、市場で売りに出されている物件数を示す「在庫件数」は拡大を続けています。2026年9月時点の在庫件数は5万450件に達し、前年同月比で15.1%増加しました。在庫の増加は7ヶ月連続となっており、取引の減少と供給物件の積み上がりが同時に進行している背景が示されています。
不動産市場・投資家への影響
今回の指標から、これまで続いていた物件価格の高騰や、将来的な金利上昇への警戒感などを理由に、購入希望者の間で買い控えの動きが広がっている背景がうかがえます。取引件数の減少とともに在庫の滞留が進んでいることから、首都圏の市場が調整局面に入った可能性があります。
不動産の購入や売却を検討している実需層にとっては、売り手優位の状況から買い手が物件を選びやすい環境へと変化しつつあると考えられます。供給数が増加しているため、希望条件に合った物件の比較検討が行いやすくなる一方で、相場全体の価格変動には十分な目配りが必要です。
投資家にとっても、価格や利回りの見通しを慎重に再点検すべき局面と言えます。成約単価の下落が続くなかで、保有物件の売却判断や新規の取得タイミングについて、市場全体の需要動向や各エリアの需給バランスを細かく注視していく姿勢が求められます。
出典:月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年9月度 | 公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)





