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後継者難倒産が10月最多の54件に、年間最多更新が確実で小・零細企業の事業承継が課題に

2026/11/08
不動産業

事業の後継ぎが見つからずに経営破綻へ追い込まれる「後継者難倒産」が急増しています。東京商工リサーチの最新発表によると、2026年10月の後継者難倒産は54件に達し、10月単月としては過去最多を記録しました。

2026年1月から10月までの累計件数は444件に達しており、これまで年間で最も多かった2024年の463件を上回って年間最多を更新することが確実な情勢となっています。

人手不足や金融機関の姿勢などを背景に事業継続を諦める動きが広がっており、不動産業界にとっても事業承継に伴う資産整理や不動産売却の動向を注視する必要性が高まっています。

この記事のポイント

  • 2026年10月の後継者難倒産は54件となり、10月単月として過去最多を記録した
  • 1〜10月の累計は444件に達し、過去最多だった2024年の463件を上回る見込み
  • 倒産企業の9割以上が破産を選択し、資本金1,000万円未満の小・零細が約6割を占める
  • 人手不足や金融機関の厳格審査を背景に、後継者不在の企業が再建を断念する例が増加
  • 不動産業界では事業承継に伴う遊休資産売却やM&A、資産流動化の対応が重要となる可能性

ニュースの概要と背景

東京商工リサーチの集計によると、2026年10月に発生した後継者難倒産は54件となり、調査が始まった2013年以降で10月として最も多い件数となりました。1月から10月までの累計は444件に達しており、過去最多だった2024年の年間記録である463件を塗り替える見通しです。

倒産した企業の内訳を詳しく見ると、全体の9割以上が会社を清算して事業を完全に終える「破産」の手続きを選択しています。事業を立て直しながら再建を目指すのではなく、会社そのものを消滅させる決断を下さざるを得ない厳しい実態が数字から浮き彫りになっています。

規模別では、資本金が1,000万円に満たない小・零細企業が全体の約6割を占めています。経営体力に余裕がない小規模事業者ほど、次世代への引き継ぎ手を見つけることができず、経営の行き詰まりに直面しやすい状況が続いています。

その背景には、深刻な人手不足が続いていることや、金融機関が企業の将来性を以前よりも厳格に審査するようになっている影響が挙げられます。借入の継続や新規支援のハードルが上がるなかで、後継ぎが不在の企業が再建を断念して倒産に至るケースが増加しています。

不動産市場・投資家への影響

後継者難による倒産の増加は、不動産市場や関連ビジネスにもさまざまな影響を及ぼす可能性があります。事業の引き継ぎが困難になった企業が増加することで、自社で所有していた本社社屋、工場、店舗、倉庫などの遊休資産を売却して現金化しようとする動きが活発化することが考えられます。

また、倒産に至る前の段階で会社や事業を他社へ引き継ぐ事業承継型のM&A(企業の買収・合併)や、事業整理に伴う不動産の仲介・開発ニーズが高まる可能性があります。不動産を所有する小・零細企業が廃業や倒産を回避、あるいは整理するために、資産の流動化を進める場面が増えると考えられます。

一方で、後継ぎが見つからずに破産を選択する企業が増え続けると、地域によっては空き店舗や使われない事業用不動産が放置されたまま残されるリスクも懸念されます。地域の土地利用や周辺の不動産価値にも関わる問題となり得ます。

不動産仲介事業者や開発事業者、投資家にとっては、後継者不足に悩む企業が手放す不動産物件の動向や、事業承継を支援する枠組みのなかで生じる資産整理の需要について、今後の推移を継続して注視していくことが求められます。

出典:「後継者難」倒産が54件、10月では過去最多 1-10月累計444件、年間最多の更新が確実 | 東京商工リサーチ

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