2011年以降に建てられた中古マンションのうち、約7割が住宅ローン控除の借入限度額を上乗せできる「省エネ基準」を満たす可能性が高いことが、住まいコンパスによる初の大規模実態調査で明らかになりました。
省エネ基準を満たす住宅として減税の優遇を受けるには証明書が必要となりますが、今回の調査では既存の性能評価書が手元にない物件でも、図面などの書類を精査することで証明書を取得できる実態が浮き彫りになっています。
中古住宅の購入時に住宅ローン控除の枠を最大限に活用したい買い手や、売買の仲介を担う実務者にとって、手続きの見直しや実務判断に直結する貴重なデータとして関心を集めています。
この記事のポイント
- 2011年以降に竣工した中古マンションの約7割が、省エネ基準を満たし住宅ローン控除拡充の対象となる可能性が高いと判明しました。
- 手元に住宅性能評価書がない事例が7割超を占めるものの、設計図書等の精査により高い確率で省エネ証明書の発行が可能です。
- 物件の引き渡し(決済)が完了した後であっても、一定期間内であれば省エネ証明書の発行手続きが行える実態が示されました。
- 中古マンションの購入者や仲介実務者にとって、減税メリットを最大限に生かすための重要な判断材料となる可能性があります。
ニュースの概要と背景
住まいコンパスが実施した初の実態調査によると、2011年以降に竣工した中古マンションを対象とした検証において、全体の約7割にあたる67%が省エネ基準を満たし、住宅ローン控除の拡大対象となる可能性が高いと判定されました。住宅ローン控除は、住宅の環境性能に応じて借入限度額などの優遇幅が変わる仕組みですが、築年数が一定程度経過した中古物件においても、多くの建物が適合基準に達している実態が確認された形です。
一方で調査結果では、減税の手続きに活用できる「住宅性能評価書」が手元に保管されていないケースが7割超にのぼることも示されました。これまで評価書がない物件では基準適合の確認を諦めてしまう場面も少なくありませんでしたが、建築時の設計図書などを詳しく確認することで、高い確率で省エネ証明書を新たに発行できる道筋が確認されています。
さらに実務面において重要な点として、物件の引き渡し(決済)が完了したあとであっても、一定期間内であれば省エネ証明書の発行手続きを進められる実態が明らかになりました。取引の現場では引き渡し前の書類取得が原則と捉えられがちですが、購入後でも制度活用の余地が残されていることが確認された点は大きな意義を持ちます。
これまで中古マンションの取引現場では、省エネ性能の確認にかかる手間や書類不足を理由に、減税拡充の恩恵が見過ごされてきたケースも想定されます。今回の調査結果は、築浅から築中程度の中古マンションにおける潜在的な性能の高さを証明し、適切な書類調査の重要性を示す客観的な根拠となっています。
不動産市場・投資家への影響
中古マンション市場や購入を検討する個人にとって、今回の調査結果は資金計画や税制優遇の活用に前向きな変化をもたらす可能性があります。2011年以降に建てられた物件であれば、当初想定していた以上の住宅ローン控除枠を適用できるチャンスがあり、購入時の実質的なコスト負担を軽減できる選択肢が広がるためです。
また、不動産の仲介や売買に関わる実務者にとっても、物件の魅力を高める新たな提案材料となり得ます。手元に評価書がない状態であっても、設計図書を取り寄せて確認することで省エネ基準への適合を見極められれば、購入検討者に対して減税メリットを明確に提示できる可能性が高まります。
すでに物件の引き渡しを終えてしまった購入者であっても、一定期間内であれば手続きを進められる余地があるため、過去に取引を終えた顧客へのフォローや見直し相談につながることも考えられます。証明書の取得には設計図書の精査といった一定の手順が必要となるため、関係書類の管理状況や手続きにかかる期間をあらかじめ把握しておく姿勢が求められます。
今後は、中古マンション市場全体において省エネ証明書の取得や基準適合の確認がより一般的な実務として定着していくかどうかが注目されます。購入者や仲介担当者が書類の有無だけで判断せず、設計図書に基づいた調査を適切に行うことが、中古流通の活性化や資産価値の再評価につながる注視すべき観点といえます。
出典:2011年以降竣工の中古マンションでは、約7割が「省エネ基準を満たし住宅ローン控除拡大の可能性が高い」と判定。住まいコンパスによる省エネ基準適合住宅に関する初の大規模実態調査 | PR TIMES





