首都圏で住宅を住み替える際、以前住んでいた住宅の売却によって利益を得られた世帯の割合が7割を超えたことが、一般社団法人不動産流通経営協会(FRK)の最新調査で明らかになりました。
近年の住宅価格の高騰を背景に、売却益の発生割合だけでなく、得られた売却差額の平均金額も大幅に増加しており、調査開始以来の最高水準を記録しています。
この記事のポイント
- 首都圏の住み替えで前住居の売却価格が購入価格を上回った割合が71.7%に達し、初の7割超えを記録しました。
- 売却差額の平均は1,060万円となり、調査開始以来初めて1,000万円を超える高水準となりました。
- 築5年以内の物件では元本割れが皆無となり、築25年超を含むすべての築年帯で平均売却益がプラスでした。
- 売却益の増加は住宅価格高騰を背景としており、買い替え余力や中古市場の動向として注目されています。
ニュースの概要と背景
不動産流通経営協会が公表した「不動産流通業に関する消費者動向調査」によると、首都圏で住宅を住み替えた世帯のうち、以前住んでいた住宅の売却価格が購入時の価格を上回った割合が71.7%に達しました。売却益が生じた割合が7割を超えるのは、同調査の開始以来初めてのことです。
売却差額の平均額についても1,060万円となり、こちらも初めて1,000万円の大台を超えました。住宅の取得時期や市況の変動が、住み替え時の資金面に大きなプラスの影響を与えている様子がうかがえます。
さらに物件の経過年数別で見ると、築5年以内の住宅では購入価格を下回る「元本割れ」の事例が皆無でした。加えて、一般的に建物価値の下落が大きいとされる築25年を超える物件を含め、すべての築年帯において平均売却益がプラスを維持しています。
不動産市場・投資家への影響
今回の調査結果は、住宅を単なる消費財としてではなく、売却時に資金を回収できる資産として活用できている実態を示しています。以前の住まいから十分な売却益を得られたことで、実需層の次の住宅取得における自己資金や買い替え余力が高まっていると考えられます。
築年数が経過した物件でも売却益が出ている点からは、中古市場全体で資産価値が維持・上昇している状況が読み取れます。これにより、買い替えを検討する層が市場へ活発に参入し、流通が一段と活性化する可能性があります。
ただし、こうした売却益の増加は近年の住宅価格高騰に強く支えられている側面があります。今後の市場環境や金利動向の変化によっては市況が影響を受ける可能性もあるため、住み替えや購入にあたっては慎重な資金計画や動向の注視が必要です。





