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東京のマンション価格は今後下がる?人口減少でも値上がりする理由【東京のマンションはなぜ買えなくなった? 第8回】

2026/10/24
不動産投資コラム

日本の人口は減少している。

総務省統計局によると、2026年9月1日時点の日本の総人口は概算で、

1億2,265万人

となり、前年同月から約54万人減少した。

人口減少は今後も長期的に続くと予測されている。

それなら、

「人口が減るなら家も余り、マンション価格は下がるのでは?」

と考えるのは自然である。

ところが東京では、正反対の現象が起きている。

2026年8月の東京23区における中古マンション70㎡換算価格は、

1億2,677万円。

直近では3カ月連続で下落しているものの、依然として1億円を大きく超える水準にある。

2025年度の東京23区新築マンション平均価格も、

1億3,784万円

に達した。

日本全体では人口が減っている。

それなのに東京のマンションは高い。

なぜ、このようなことが起きるのだろうか。

そして、

東京のマンション価格は今後も上がるのか。

シリーズ最終回では、

人口

世帯数

東京への人口集中

地価

建築費

供給戸数

金利

賃料

という視点から、今後の東京マンション市場を考えていく。

まず結論 「東京のマンションは上がる」とも「人口減少だから下がる」とも言い切れない

最初に結論を示すと、

東京のマンション価格が今後も一律に上昇し続けるとは限らない。

実際、2026年夏には東京23区の中古マンション価格が3カ月連続で下落している。

一方で、

日本の人口が減るから東京のマンションも必ず下がる

という考え方も単純すぎる。

今後重要になるのは、

東京全体が上がるか下がるか

ではなく、

どのエリア・どの物件に需要が残るのか

である。

東京でも、

値上がりする不動産

横ばいになる不動産

値下がりする不動産

が今まで以上にはっきり分かれる可能性がある。

日本全体では人口減少が進んでいる

人口減少そのものは事実である。

2025年国勢調査の速報では、日本の人口は約1億2,305万人。

2020年と比較すると、

約310万人減少

した。

減少率は2.5%である。

さらに国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、出生中位・死亡中位の場合、2070年の人口は、

約8,700万人

まで減少すると推計されている。

50年ほどで現在より数千万人少なくなる可能性がある。

ここだけを見ると、

住宅需要も大きく減少する

と考えたくなる。

しかし、不動産市場は全国一律ではない。

人口減少は「すべての地域で同じように人が減る」という意味ではない

日本全体の人口が減っていても、

すべての都道府県

すべての市区町村

が同じ速度で減るわけではない。

むしろ人は、

仕事

大学

交通

医療

商業施設

娯楽

などが集まる都市へ集中する傾向がある。

その代表が東京である。

2025年国勢調査速報では、東京都の人口は約、

1,424万6,000人

だった。

東京圏全体では約3,698万6,000人で、

日本人口の約30.1%

が東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に集中している。

つまり、

日本の人口が減ることと、東京への人口集中が続くことは同時に起こり得る。

2026年でも東京都の人口は増えている

東京都の2026年7月1日時点の推計人口は、

1,430万1,986人

だった。

前年同月から、

6万6,214人増加

している。

東京23区だけでも、

999万5,823人

となり、1,000万人目前である。

全国人口は減っているのに、

東京都では人口が増えている。

ここが、

「人口減少=東京の不動産価格下落」

とはならない大きな理由の一つである。

東京には毎年多くの人が転入している

人口増加を支えているのが、

人口移動

である。

総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、2025年の東京都は、

6万5,219人の転入超過

だった。

転入者が転出者を約6万5,000人上回ったということである。

東京圏全体では、

12万3,534人の転入超過

となった。

日本人だけで見ても東京圏は30年連続の転入超過である。

全国人口が縮小する中でも、

人が東京へ集まる構造

は続いている。

外国人居住者の増加も東京人口を支えている

東京都の住民基本台帳によると、2026年1月1日時点の外国人人口は、

78万3,701人

だった。

前年から、

6万2,478人増加

している。

増加率は8.66%である。

東京都の人口増加を考える場合、

日本人だけを見ることはできない。

就業。

留学。

家族。

さまざまな理由で東京に暮らす外国人が増えることも、

住宅需要や賃貸需要に影響する。

マンション需要を見るなら「人口」より「世帯数」が重要

住宅市場を考えるとき、

人口以上に重要な数字がある。

それが、

世帯数

である。

例えば4人家族が一つの家に住んでいれば、

4人で1戸

の住宅が必要になる。

しかし4人がそれぞれ単身で生活すれば、

4人で4戸

必要になる。

つまり人口が同じでも、

1世帯当たりの人数が減れば必要な住宅数は増える可能性がある。

人口が減り始めても世帯数は増えることがある

東京都が2024年に公表した世帯数予測では、東京都の総人口は2030年ごろにピークを迎える想定だった一方、

一般世帯数は、

2035年まで増加

すると予測されていた。

理由として、

単独世帯

夫婦のみの世帯

などの増加が挙げられている。

さらに東京23区では、一般世帯数のピークが、

2040年

と予測されていた。

これは2020年国勢調査などを基に作られた将来予測であり、実際の人口は予測から変化する可能性がある。

それでも、

人口が頭打ちになっても住宅を必要とする世帯数はすぐには減らない

という重要な構造を示している。

「人口が減るから家が余る」は地域によっては正しく、東京では単純ではない

地方では、

人口減少

世帯数減少

空き家増加

が同時に進む地域がある。

そうした地域では、住宅価格が下落する可能性は高くなる。

しかし東京では、

転入超過

単身世帯

共働き世帯

外国人居住者

などによって住宅需要が維持される地域がある。

つまり、

日本全国の人口統計を、そのまま東京のマンション価格予測へ使うことはできない。

理由2 新築マンションが増やせない

需要だけではない。

供給側にも大きな問題がある。

2025年度の首都圏新築マンション発売戸数は、

2万1,659戸

だった。

これは1973年度の調査開始以降、

過去最少

である。

東京23区は、

7,708戸

だった。

一方、東京23区の平均価格は、

1億3,784万円。

供給戸数は少なくなっているのに、価格は上昇している。

マンションは需要があれば無限に造れる商品ではない

自動車や家電なら、需要が増えれば工場で生産量を増やすこともできる。

しかしマンションは違う。

まず、

土地

が必要である。

東京23区の駅前や都心部には、マンションを建設できるまとまった土地が限られている。

さらに、

既存建物の取得

地権者との交渉

解体

行政手続き

建設

まで数年間かかることも珍しくない。

そのため需要が増えたからといって、

翌年からマンションを大量供給することはできない。

需要が減らなくても供給が減れば価格は上がり得る

極端な例で考えてみよう。

マンションを欲しい世帯が1万人。

供給されるマンションが1万戸。

なら、おおむね需要と供給は釣り合う。

ところが購入希望者が9,000世帯へ減ったとしても、

供給が5,000戸まで減ればどうだろうか。

人口や需要は減っているのに、

マンション不足はむしろ強くなる。

つまり価格を見る場合、

人口だけではなく、

需要と供給の両方

を見る必要がある。

理由3 東京の土地そのものが値上がりしている

2026年東京都基準地価格では、東京23区の住宅地は前年比、

+8.7%

だった。

全23区で住宅地の平均価格が上昇している。

さらに都心5区では、

+13.2%

だった。

特に港区は、

+16.3%

となっている。

マンション価格の中には、

建物だけではなく、

土地の価値

が含まれる。

建物が築10年、築20年と古くなっても、

その土地の価値が大きく上昇すれば、中古マンション価格が上昇する場合がある。

理由4 建物を造るコストも下がっていない

土地に加えて、

建築費

も高い。

建設物価調査会によると、2026年9月の東京におけるRC造集合住宅の工事原価指数は、

2015年平均=100

に対し、

147.7

だった。

2015年と比較すると約48%高い水準である。

鉄筋。

コンクリート。

設備。

人件費。

物流費。

さまざまなコストが上昇している。

その結果、

新築マンションを昔の価格で供給すること自体が難しくなっている。

建築費が高いと中古マンションにも影響する

一見すると、

建築費は新築だけの問題

に見える。

しかし新築が高くなると、

購入希望者が中古へ移る。

さらに、

「現在、この場所に同じマンションを新築したらいくら必要か」

という再調達コストも高くなる。

そのため条件の良い中古マンションの価格も支えられやすくなる。

第5回で見た、

「中古なのに1億円を超える」

現象にもつながっている。

理由5 家賃も上昇している

不動産価格を考える場合、

賃料

も重要である。

2026年8月の東京23区における分譲マンション賃料は、

1㎡当たり、

5,170円

だった。

前月比0.3%上昇し、

3カ月連続の上昇

となっている。

マンション価格だけが上がり、賃料がまったく伸びなければ、投資対象としての収益性は悪化する。

一方、賃料も上昇していれば、

住宅需要が存在していることを示す材料の一つになる。

家を「買えない人」が増えると賃貸需要が増えることもある

東京のマンション価格が1億円を超える。

住宅ローン金利も上昇する。

すると、

「しばらく買わずに賃貸で暮らそう」

という人も増える可能性がある。

つまり住宅価格高騰は、

購入需要を弱める一方で、

賃貸需要を支える要因

にもなり得る。

不動産市場では、

売買市場

と、

賃貸市場

を分けて考える必要がある。

理由6 再開発によって街の価値が変わる

東京では大規模な再開発が続いている。

品川。

高輪。

渋谷。

新宿。

八重洲。

日本橋。

虎ノ門。

再開発によって、

駅が便利になる。

商業施設が増える。

オフィスが増える。

街並みが整備される。

歩行者空間が改善する。

こうした変化が起きれば、

その周辺にある既存マンションの立地価値も変わる可能性がある。

建物自体は10年古くなっているのに、

街が10年前より便利になったため価格が上昇する

こともある。

これが不動産の特徴である。

ただし「だから東京は永久に値上がりする」と考えるのは危険

ここまで読むと、

「では東京のマンションは今後も上がるのでは?」

と思うかもしれない。

しかし、そう簡単ではない。

実際、2026年8月の東京23区中古マンション70㎡換算価格は、

1億2,677万円

で、前月比0.4%下落した。

6月、7月、8月と、

3カ月連続の下落

である。

東京カンテイは都心部について、

流通戸数

価格改定シェア

値下げ率

などが引き続き弱い方向へ動いているとしている。

価格が高くなりすぎれば、

当然買える人は減る。

下落要因1 住宅ローン金利の上昇

マンション価格に大きな影響を与える可能性があるのが、

金利

である。

日本銀行は2026年9月の金融政策決定会合で政策金利を引き上げ、現在は無担保コール翌日物金利を、

1.25%程度

で推移するよう促している。

日銀自身も、政策金利の変更後には金融機関の貸出金利や変動型住宅ローン金利へ影響が波及すると説明している。

金利が上がれば、

同じ年収でも借りられる住宅ローン額は小さくなる。

金利が上がると「1億円を払える人」が減る

例えば同じ1億円を借りても、

金利1%と、

金利3%では、

毎月返済額が大きく違う。

第2回で試算したように、35年ローンなら、

金利1% 月約28万円

金利3% 月約38万円

となる。

月10万円程度違う。

住宅価格が変わっていなくても、

金利上昇だけで住宅の実質的な購入負担は大きく増える。

そのため金利上昇は、不動産価格にとって強い下落圧力になり得る。

下落要因2 「買える年収」の限界

2025年度の東京23区新築マンション平均価格は、

1億3,784万円。

同年度の㎡単価は214.3万円である。

価格が上がれば上がるほど、

購入できる世帯は限られる。

ペアローン。

50年ローン。

親からの援助。

頭金。

などを使って購入可能額を増やすことはできる。

しかし所得そのものが価格についていかなければ、

いつか、

「これ以上は買えない」

というラインが来る。

下落要因3 高値になるほど売却物件も増える

価格が上昇すると、

「今なら高く売れる」

と考える所有者も増える。

すると中古マンション市場の売却物件数が増える。

買い手より売り手が増えれば、

価格交渉

値下げ

が発生しやすくなる。

2026年夏の都心中古市場で見られている調整は、

今後を見るうえで無視できない動きである。

下落要因4 人口減少の影響は「いつか」ではなく「場所によってすでに始まる」

東京だから人口減少の影響を受けない、

というわけでもない。

将来的には東京都全体でも人口がピークを迎える可能性が高い。

また同じ東京23区でも、

駅から遠い。

築古。

管理状態が悪い。

修繕積立金が不足している。

周辺人口が減る。

というマンションでは需要が弱くなる可能性がある。

東京全体の人口が増えていても、

すべてのマンションに均等に人が集まるわけではない。

これから起こりやすいのは「暴落」より「二極化」かもしれない

東京のマンション市場を考えると、

今後重要な言葉は、

二極化

である。

例えば、

駅徒歩3分

都心へのアクセス良好

再開発エリア

管理良好

適切な修繕

賃貸需要が高い

というマンション。

一方、

駅徒歩20分

人口減少地域

築古

管理不良

修繕積立金不足

というマンション。

同じ「東京のマンション」であっても、

10年後、20年後の価値は大きく違う可能性がある。

「東京都平均」は今後ますます意味が薄くなる可能性

第4回では、東京23区の中でもマンション価格に大きな差があることを紹介した。

同じ70㎡でも、

千代田区や港区では1億円を大きく超える。

一方、足立区や葛飾区では4,000万~5,000万円程度の価格帯も存在する。

人口減少の影響も、

地価上昇も、

再開発も、

同じ東京で均一に起こるわけではない。

これから不動産を見るときは、

「東京が上がるか」ではなく、「この駅、この街、このマンションはどうか」

という視点がさらに重要になる。

値上がりしやすい不動産にはどんな特徴がある?

将来の価格を確実に予測することはできない。

それでも、需要が維持されやすい条件を考えることはできる。

例えば、

主要駅へのアクセスが良い。

駅から近い。

雇用が集積している。

人口・世帯流入がある。

再開発がある。

周辺に新築供給が少ない。

管理状態が良い。

長期修繕計画が現実的。

間取りに汎用性がある。

賃貸需要もある。

といった条件である。

つまり、

「住みたい人」と「借りたい人」と「将来買いたい人」がいる物件

は、需要が維持されやすい。

不動産投資では「値上がりするか」だけで買ってはいけない

ここからは、このシリーズ全体のテーマでもある資産形成の視点で考えてみよう。

東京の不動産価格が長期的に上昇してきたからといって、

「東京のマンションを買えば儲かる」

ということではない。

購入価格1億円。

家賃30万円。

管理費・修繕費。

ローン金利。

固定資産税。

空室。

売却費用。

まで考えなければ投資として成立するかは分からない。

価格上昇は、

利益の一つの可能性

であって、投資計画そのものではない。

高騰局面だからこそ「家賃で成立するか」を見る

不動産投資では、

「将来1,000万円値上がりするだろう」

と予想するより、

現在の家賃で、

ローン。

管理費。

修繕費。

税金。

空室。

を考えても保有できるのかを見る方が重要である。

価格が上昇しなくても持ち続けられる。

そのうえで値上がりすれば、

売却益が追加される。

という考え方の方が堅実である。

不動産価格が高いことは投資にとってメリットだけではない

マンション価格が高騰すると、

すでに不動産を持っている人には資産価値上昇というメリットがある。

しかし、

これから投資する人にとっては、

取得価格が高い

というデメリットでもある。

同じ家賃20万円なら、

物件価格4,000万円

と、

物件価格7,000万円

では投資利回りが違う。

そのため、

「不動産価格が上がっているから投資を始める」

ではなく、

高騰している市場でも採算が取れる物件なのか

を判断することが重要である。

それでも不動産を「持つ側」という視点は重要になる

第1回では、約50年間でマンション価格が給与以上の速度で上昇してきたことを紹介した。

給与が上がる。

貯金する。

住宅価格もそれ以上に上がる。

という状態では、

給与だけで資産価格に追いつくことが難しくなる。

そのため、

現金。

株式。

投資信託。

不動産。

など、

自分がどのような資産を保有するのか

という視点が重要になる。

不動産投資も、その選択肢の一つである。

不動産には「融資を使って資産を持てる」という特徴がある

不動産投資の大きな特徴の一つが、

融資

である。

株式を3,000万円購入する場合、基本的には3,000万円の資金が必要になる。

一方、不動産では、

自己資金

+金融機関からの融資

によって数千万円の資産を取得できる場合がある。

そして入居者から得る家賃を、

ローン返済の原資の一部として利用する。

これが不動産投資の特徴である。

ただし融資を使うということは、

利益だけでなく損失も拡大する可能性がある

ということでもある。

金利上昇や空室についても考えなければならない。

「人口減少だから不動産投資は危険」も「東京だから安全」も極端

人口減少を理由に、

「これから日本で不動産を持つ意味はない」

と考えるのも極端である。

反対に、

「東京なら絶対に値下がりしない」

と考えるのも危険である。

これから必要なのは、

人口がどこへ集まるのか

を見ることである。

日本の人口が減るからこそ、

雇用。

交通。

医療。

教育。

商業。

娯楽。

が集まる場所へ、さらに人が集中する可能性もある。

不動産投資では、

人口減少そのものではなく、

人口減少社会で選ばれる場所はどこか

という考え方が重要になる。

「東京」というだけでも足りない

さらに、

東京都だから安心

23区だから安心

とも言えない。

見るべきなのは、

区。

駅。

徒歩分数。

周辺人口。

賃貸需要。

家賃。

築年数。

管理。

修繕。

再開発。

売却需要。

である。

不動産価格が高くなった今ほど、

物件選びの差が将来の資産価値の差になりやすい。

このシリーズで見えてきた東京マンション高騰の構造

全8回を振り返ってみよう。

第1回では、

東京23区の中古マンション70㎡換算価格が、

1億2,677万円

に達していることを紹介した。

約50年前と比較すると、マンション価格は平均給与以上の速度で上昇してきた。

第2回では、

1億円のマンションを買うために必要な年収

を住宅ローンから逆算した。

「借りられる金額」と「無理なく返せる金額」は違うことが見えてきた。

第3回では、

土地。

建築費。

人件費。

供給減。

によってマンション価格が押し上げられていることを見た。

第4回では、

同じ東京23区でもエリアによってマンション価格が大きく違うことを比較した。

第5回では、

新築価格高騰と供給不足によって、

中古マンションまで1億円を超える理由

を考えた。

第6回では、

住宅価格が高くなったことで、

35年から40年、50年へ住宅ローンが長期化していることを紹介した。

第7回では、

一人の所得では購入できない住宅を、

夫婦2人の収入で購入するペアローン

が増えていることを見た。

そして最終回。

人口減少社会であっても、

東京への集中

世帯数

土地不足

供給不足

建築費

再開発

賃貸需要

によって、

東京のマンション価格が全国人口と異なる動きをする可能性があることが分かる。

東京のマンションが「買えなくなった」ことが示しているもの

このシリーズのタイトルは、

「東京のマンションはなぜ買えなくなった?」

である。

しかし8回を通して見ると、問題は単純に、

「マンションが高くなった」

だけではない。

給料に対して住宅価格が高くなる。

↓

単独年収では買いにくくなる。

↓

夫婦2人の所得を使う。

↓

35年では返せない。

↓

40年、50年ローンを使う。

という変化が起きている。

住宅価格の高騰が、

家族の働き方や金融商品の使い方まで変え始めている

のである。

そして「買う側」と「持つ側」では見える景色が違う

マンション価格が上昇する。

これから自宅を購入する人にとっては、

悪いニュース

になりやすい。

しかし不動産をすでに所有している人にとっては、

資産価値が上昇する可能性がある。

投資用不動産を保有している場合には、

家賃収入

と、

資産価値

の両方を見ることになる。

つまり不動産価格高騰は、

「不動産が買えない問題」

であると同時に、

「資産を持つ側と持たない側の問題」

でもある。

まとめ

日本の人口は減少している。

2026年9月の総人口は約、

1億2,265万人。

前年同月から約54万人減少している。

しかし東京都では、2026年7月時点の推計人口が、

約1,430万人

となり、前年より約6万6,000人増えている。

2025年には東京都だけで、

6万5,219人の転入超過

となった。

さらに住宅需要を考える際には、

人口だけでなく、

世帯数

を見る必要がある。

東京都が2024年に公表した予測では、東京都全体の一般世帯数は2035年、東京23区では2040年まで増加する想定だった。

供給側を見ると、

2025年度の首都圏新築マンション発売戸数は、

2万1,659戸

で、1973年度以降の最少。

東京23区は、

7,708戸

にとどまった。

一方で、

東京23区の住宅地は2026年に、

+8.7%

都心5区では、

+13.2%

上昇している。

RC造集合住宅の建築費指数も、

2015年=100に対し、

147.7

まで上昇している。

人口減少だけを見て、

「これから東京のマンションは余る」

と判断することは難しい。

しかし、

「東京ならこれからも上がり続ける」

と考えることもできない。

2026年8月の東京23区中古マンション価格は3カ月連続で下落しており、金利も上昇している。

これから起こる可能性が高いのは、

東京全体の一方向の値動きではなく、不動産ごとの差が拡大すること

ではないだろうか。

人が集まる街。

駅に近い。

賃貸需要がある。

管理状態が良い。

再開発がある。

供給が限られている。

そうした不動産と、

需要が減っていく不動産では、将来の価値に大きな差が生まれる可能性がある。

だから住宅購入でも不動産投資でも重要なのは、

「東京の不動産価格は上がるか?」

という大きすぎる問いではない。

「この不動産を10年後、20年後にも欲しい人がいるか?」

という問いである。

不動産価格が高騰し、平均年収だけでは住宅価格に追いつきにくくなった現在。

自宅を買うのか。

賃貸で暮らすのか。

金融資産へ投資するのか。

不動産を資産として保有するのか。

選択肢は一つではない。

ただし過去50年間の変化を見ると、

「働いて収入を得る」ことだけでなく、「どのような資産を持つか」を考える重要性は高まっている。

不動産投資も、そのための選択肢の一つである。

価格が上がっているから買うのではない。

人口が減るから買わないのでもない。

需要が続く場所に、適正な価格で、長期間保有できる不動産を選ぶ。

人口減少時代の不動産では、その視点がこれまで以上に重要になるのである。

引用元・参考元

  • 総務省統計局「人口推計 2026年9月概算値」
  • 総務省統計局「2025年国勢調査 人口速報集計」
  • 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年」
  • 東京都「東京都の人口(推計)2026年7月1日現在」
  • 東京都「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」
  • 東京都「東京都世帯数の予測」
  • 東京都「令和8年東京都基準地価格」
  • 東京カンテイ「2026年8月 中古マンション70㎡価格月別推移」
  • 東京カンテイ「2026年8月 分譲マンション賃料月別推移」
  • 不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2025年度」
  • 建設物価調査会「建築費指数 2026年9月」
  • 日本銀行「金融政策に関する決定事項等 2026年」
  • 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」

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