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不動産投資の物件はどこで買う?注目のREIT(リート)とは?

2022/03/17
2023/03/15
不動産投資コラム

不動産投資を始めたいものの、
「どこで買うのが良いんだろう…」
「お金がかかるから購入するハードルが高いな…」
と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

このコラムでは、不動産投資の物件を購入できる場所や、少額から運用できる「REIT(リート)」についてご紹介しますので、不動産投資を検討する際にぜひ参考にしてみてください。

また、不動産投資の基礎知識から学びたい方は、以下記事を参考にしてみてください。基礎知識や考え方について詳しく学べます。
>『初めてのマンション投資|仕組みと基礎知識を分かりやすく解説』

不動産投資で話題にあがるREITとは?

「REIT」とはReal Estate Investment Trust(= 不動産投資信託)の略です。
一般的な投資信託の対象が株式や債券などの有価証券であるのに対し、REITは不動産を投資対象としています。

また、一般的な不動産投資は物件を購入して運用する「取得」が必要ですが、REITは、小額投資が可能であるため、物件を取得せずに投資を行えるのが特徴です。

もともと海外が主流ではじまった投資方法ですが、日本のREITはJapanの頭文字「J」をつけて「J-REIT(ジェイ・リート)」と呼ばれています。
J-REITは投資家から集めた資金で投資を行い、そこで得られた賃貸収入や売却益などの利益が分配される仕組みになっています。

商業施設やオフィスビル、ホテルや物流施設など、個人で投資するには難しい不動産にも小額から投資ができるのが魅力の一つです。

物件を購入して不動産投資を行う場合は、販売金額が高いものだと初期費用として数百〜数千万円が必要になりますが、J-REITは1口10万程度から始められるものもあるため、元手が少なくて済む手軽さが魅力です。

少額の資金で不動産投資を始めたいと考えたとき、「どこで買う?」と迷ったら選択肢のひとつにすると良いでしょう。

 J-REITを始める場合、どこで買える?

J-REITを買う際は大きく分けて3つの購入方法があります。

1.個別銘柄
2.ETF
3.投資信託

購入方法1.個別銘柄(証券会社で購入が可能)

A株式会社やB株式会社の株式を購入する際と同じように、C投資法人やD投資法人などといったJ-REITの個別銘柄を選んで購入する方法です。

一般社団法人不動産証券化協会によると、2022年12月末現在で61銘柄のJ-REITが上場しており、新聞の株式欄にも「不動産投資信託」あるいは「REIT」などの項目で、各Jリートの1口の金額が掲載されています。

しかし、J-REITのどの銘柄を買うかは自分で判断が必要です。株式の個別銘柄と同じく、ある程度投資に慣れた方のための投資方法と言えます。

購入方法2.ETF(証券会社で購入が可能)

ETFとは「Exchange Traded Fund」の略称であり、日本語では上場投資信託のことを指します。J-REITでいうETFは証券取引所に上場している金融商品「J-REIT ETF(上場投資信託)」を購入する方法です。

これは主に、J-REIT全銘柄をまとめて間接的に購入する方法ですが、J-REITの全体の平均の値動き(指数)に連動し、平均の配当利回りを得られる商品です。

個別銘柄を買う場合と比べて、ETFを運営している会社に支払う手数料の分だけ、得られる利益は少なくなってしまいます。実際のJ-REIT ETFの手数料は「日本取引所グループ」が公開する銘柄一覧を見ても分かるように、年0.1~0.3%程度です。

一方で、投資先を分配できるため低リスクである点と、1万円程度の金額から購入できることから、資産運用初心者に始めやすい商品であることに変わりはないでしょう。

購入方法3.投資信託(証券会社、銀行、信用金庫などで購入が可能)

投資信託(投信)は、投資信託専門のプロである「運用会社」が、J-REIT投資信託を購入した人のお金でJ-REITの銘柄を買う仕組みです。運用会社は、投信の値動きができるだけ少なく、かつ、利益が大きくなるような組み合わせを考えてJ-REITの銘柄を購入します。

「どの銘柄を買ったらいいか分からない…」
「証券会社に口座を開くのは難しいけどJ-REITの配当は魅力的だから購入したい!」
と考えている不動産投資初心者にとって使いやすい商品の一つで、こちらも1万円以下の少額から始められます。

一方で、購入銘柄の選択をプロに任せるため、ETFよりさらに手数料が高くなり、手数料が年1%を超える投信もありますので、それぞれの購入方法のメリットやリスクも踏まえて検討しましょう。

不動産投資 どこで買うか迷ったらJ-REIT そのメリットは?

上述のJ-REITについて、主に5つのメリットが挙げられます。

1.少額からの投資が可能
2.
高い換金性
3.
分配金が受け取れる
4.
不動産のプロが運用・管理
5.
複数の不動産に分散投資できる

ひとつずつ解説していきます。

メリット1.少額からの投資が可能

物件を購入して運用する不動産投資に比べて、J-REITは少額での購入が可能です。
購入方法によって初期にかかる費用も異なるため、予算や内容に応じて検討すると良いでしょう。

メリット2.高い換金性

金融商品取引所に上場しているJ-REIT銘柄は、基本的にいつでも購入・売却することができます。不動産投資の物件購入は購入後、売却に時間がかかることから換金性が低くなるリスクを有する場合があります。

一方で、J-REITはいつでも売却することができるため、高い換金性(流動性)が確保されていることが特徴です。

メリット3.分配金が受け取れる

不動産投資信託ですので、分配金を受け取ることが可能です。分配金は主にテナント賃料や不動産売却益から、不動産の維持・管理費用や金利等を支払った残りの利益から支払われます。

また、「オフィスビル」「マンション」「ホテル」など複数の用途の不動産を組み合わせ、J-REITを購入すれば分散投資が可能です。不動産投資は分散投資を行うことで、よりリスクを軽減することが期待できますのでお勧めの手法です。

メリット4.不動産のプロが運用・管理

不動産投資のプロである資産運用会社が、厳選した不動産へ投資を行います。また、不動産の維持・管理は、資産運用会社が選定した専門の管理会社が行います。

基本的に専門家に任せておけば良いので、初心者でも簡単に不動産投資ができる点が特徴です。

メリット5.複数の不動産に分散投資しやすい

J-REITは少額での不動産投資を行えることから、複数の不動産に分散投資を行いやすい形です。

J-REITを利用せずに不動産投資を行った場合、1つの物件を取得するだけで数百万~数千万円の出資が必要になり、個人投資家だと購入できる物件数に限界があるでしょう。

一方、J-REITを利用して少額の分散投資を行えば、複数の不動産にまとめて投資を行えるため、リスクの分散が可能です。損失を減らしつつ安全に物件を運用できることから、投資初心者が安全に行える投資方法だといえます。

不動産投資でJ-REITを選択するリスク

J-REITは多くのメリットを持つ一方で、さまざまなリスクも有しています。物件を購入して運用を行う不動産投資とは異なり、取引価格が日々変動しますので、元本や利回りが保証された金融商品ではないことを念頭におきましょう。

J-REITの価格に影響を及ぼす主なリスクには、以下の5点があります。

1.不動産市場のリスク
2.
金利変動リスク
3.
地震・火災などによるリスク
4.
上場廃止になるリスク
5.
運営に関するリスク

 ひとつずつ解説しますが、不動産投資におけるリスク全般についてそれを回避する「リスクヘッジ」の基本を別の記事にまとめています。よろしければ併せてご覧ください。
>『不動産投資のリスクヘッジまとめ|7つのリスクとそのリスクヘッジ』

1.不動産市場のリスク

不動産の賃貸市場や売買市場、金利環境、経済情勢などの影響を受けて、J-REITが保有する物件の賃料収入が減ったり、保有物件そのものの価格が低下したりする可能性があります。

その結果、価格や分配金が変動するリスクがあります。

2.金利変動リスク

J-REITは一般投資家から資金を集めるほか、金融機関からの借入を行って資金調達している場合があります。この場合、金利の変動はJ-REITの収益に影響を及ぼし、価格や分配金が変動する可能性があります。

3.地震・火災などによるリスク

投資対象の不動産が地震や火災の被害を受けた場合など、予想不可能な事態によって価格や分配金が変動する可能性があります。これはJ-REITに限らず、物質的な要素を伴う不動産投資ならではのリスクであると考えられます。

4.上場廃止になるリスク

証券取引所が定める上場基準に抵触して銘柄が上場廃止になった場合には、取引が著しく困難になる可能性があります。

5.運営に関するリスク

J-REITは一般の法人と同様に、倒産するリスクがあります。このリスクが表面化した場合、価格が著しく下落する可能性があります。

 J-REITを購入する際の注意点

続いてJ-REITを購入する際の注意点をご紹介します。

特に個別銘柄やEFTに関しては、運用を行う際に証券会社に口座を開くことが必要になります。それは、銀行や証券会社以外の金融機関では原則として個別銘柄やETFは買えないルールになっているためです。

不動産投資運用初心者にとって、証券会社に口座を開くことは、ハードルが高いと感じる要素でしょう。 前述した「3つの購入方法」と「どこで買うか」の2点を踏まえて検討することをお勧めします。不動産投資初心者にはETFまたは投資信託がお勧めです。

また、J-REITは株式や証券と比べて高利回りを期待できる金融商品です。しかし、他の投資商品と同様に、元本保証がないことを覚えておきましょう。

世の中の動向にあわせてマイナスリスクが発生する場合もあるので、投資物件の「エリア」「将来需要」についてもチェックしてみてください。

J-REITを検討する際の情報収集方法

一言でJ-REITといっても、投資先の物件が複数あります。

では、投資先を選ぶためには、どこで情報収集すればよいでしょうか?ここでは2点ご紹介いたします。

1.目論見書
2.
資産運用報告

情報収集方法1.目論見書

目論見書とは投資信託の募集・販売の際に用いられる投資信託の募集要項や費用、運用の内容などを記載した書面のことを指します。

証券取引所に新規に上場した際や公募増資した際は必ず掲載がされますので、購入する前に必ず確認をしましょう。なお、公募増資とは新しい株式を発行するに当たり、不特定かつ多数の投資家に対して取得の申し込みを勧誘することを指します。

また、公募増資をする場合は目論見書の内容を一部省略して提出している「有価証券報告書」もあります。どちらも財務局等や金融庁のホームページに掲載の「EDINET」や証券取引所でも閲覧が可能です。

情報収集方法2.資産運用報告

資産運用報告とはJ-REITを保有している投資家に対して、運用の状況などを知らせるために作成・交付される書類を指します。投資信託で言えば、運用報告書にあたる書類です。

資産運用報告書には多くの情報が記載されています。たとえば以下のようなものがあります。

・保有物件
投資法人の運用状況等の推移
分配金等の実績
今後の運用方針
主要な保有資産
借入状況

資産運用報告はJ-REITの決算ごとに作成されて投資家に送付されています。

日本の証券取引所に上場しているJ-REITの多くは、年に2回決算を行います。基本はJ-REITの投資証券を保有している投資家に向けて発行されていますが、証券取引所に上場している場合は、誰でも資産運用報告を証券取引所で閲覧することが可能です。

まとめ:REITはどこで買うことができる?購入方法によって異なる

不動産投資の中でも少額で運用を始めることができるJ-REITはどこで買うことができるのか、J-REITの基本的な仕組みのお話から様々な観点でお話してきました。

・不動産投資で話題にあがるREITとは一体何?
J-REITを始める場合、どこで買うことができる?
不動産投資 どこで買うか迷ったらJ-REIT そのメリットは?
不動産投資でJ-REITを選択するデメリット
J-REITを購入する際の注意点
J-REITを検討する際の情報収集方法

 J-REITを買う場合は、紹介した3つの購入方法から投資を検討してみてください。そこが決まると買う場所も自ずと決まってくるはずです。

また、今回はJ-REITをメインでご紹介してきましたが、不動産投資はその他にも種類があります。以下の記事では初心者向けに詳しく解説していますのでご一読ください。
>『不動産投資の初心者に必要な5つのノウハウ│始め方は?いくら必要?成功のコツは?』

さらに、最新のJ-REITのニュースを下記の記事でご紹介しています。参考にしてみてください。
>指数をしのぐ運用実績を持つ 注目の国内REIT投信

なお、 LIV PLUSでは不動産投資に関するコラムを随時アップしています。不動産投資を検討する際にご参考いただけますと幸いです。

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