【後編】「今、都心のマンションを買うのは高値掴み」は本当か?
後編では「投資用ワンルームマンションはなぜ、不動産バブルが起きにくいのか」その理由についてお伝えいたします。
投資用ワンルームマンションと居住用ファミリーマンションは価格設定法が違う
投資用ワンルームマンションは、なぜ不動産バブルが起きにくいのか。その理由は価格の設定法にあります。
投資用ワンルームマンションの価格は、実は、私ども事業者が自由に決めることはできません。融資する金融機関が、対象マンションが生みだす将来の収益を賃料ベースに試算し、物件を評価する「収益還元法」に基づいて算出した価格がベースになっています。
というのも、ワンルームマンション投資は、会社員の方が金融機関の融資を受けて投資するビジネスモデルであり、金融機関が物件を評価して「このくらいの価格なら妥当なので、購入者に融資をしましょう」となって、初めて成立するものだからです。
事業者がいくら「景気が良いから価格を上げたい」と思っても、金融機関の物件に対する評価と釣り合わなければ、上げられない仕組みになっているんですね。
一方、居住用マンションは、事業者が売りたい価格で販売することができます。それだけの資金を調達できる人に売るビジネスモデルだからです。
居住用マンションの価格は、対象マンションの近隣にある物件の価格と比較して試算する「取引事例比較法」によって設定されることが多く、「あっちがあの価格なら、こっちはもっと高く売れる」というように、物件本来のポテンシャルに関係なく、価格が際限なく上がったり、反対に下がったりすることもありえます。
また、あえて億ションをブランドに販売戦略を行い、一部の富裕層だけをターゲットにする場合も多いです。