米国初、不動産オンライン買取サービスを提供する企業、オープンドア
※リーテックとはReal Estate Technologyの略で、直訳すると「不動産テクノロジー」です。
不動産事業にIT技術を活用することを意味しています。
前回までリーテックの雄WeWork社についてのコラムを書いていましたが、世界にはまだまだ有望なリーテック企業がたくさんあります。
今週からは今世界で注目されているリーテック企業をご紹介させて頂きたいと思います。
まずご紹介させて頂きたいのはアメリカで2014年に創立された、不動産の買取サービス路オンラインで提供するオープンドアです。
「不動産業界を、シンプルに」を理念に掲げており、オンライン上で買い取り再販を行うビジネスモデルを確立しています。
実はこのオープンドア社ができる前まではオンライン買い取り再販の実現は難しいと言われており、満足度の高いサービスの仕組み作りや、精度の高い予測などの技術を始め資金力がなければできないといわれていました。
オープンドアはいち早くこのサービスを提供し高い評価を得ています。サービス内容としては売買どちらもオンラインで申し込みでき、システムにより迅速で透明性の高いサービスを実現しています。
従来、中古物件の売買には売り手にとって不透明な手続きや管理料などがあり、長い時間を要してきました。オープンドアを使えば、取引の全てをクリアにし劇的に早く商談を進めることができるようです。
また、買い取り時の支払いもすぐに行われるので取引がすごく安心です。オープンドアの仲介手数料は一般的な不動産取引手数料より少し割高であるにも関わらず、迅速かつクリアな処理、現金買い取りなどのメリットで、多くの売主の賛同を得ています。
しかも購入した中古物件に住んでみて納得できない場合、なんと30日以内であれば販売手数料と購入代金をキャッシュバックするようです。このキャッシュバック制度を行なっているのは、オープンドアが初めてです。
また多岐にわたる修繕保証を通常の2倍の期間で提供しています。処分したい不動産が売れにくい市場縮小期でも、現金買い取り保証で短期に住宅を処分できるこのサービスは多くの利用者を獲得できると予測されています。
あのソフトバンクビジョンファンドが4億ドル出資
オープンドアは設立からわずか4年にして、企業価値は20億ドルと評価されています。
オープンドアは昨年9月末、ソフトバンク・グループのビジョン・ファンドから4億ドルの出資を受けたことを発表しました(企業価値は変わらない)。
なぜオープンドアがここまで評価されているかというと、不動産売却のプロセスを大いに簡略化できるサービスを作ったからです。
オープンドアでは家を売りたい人がオンラインで入力した物件情報を独自のアルゴリズムで分析し、さらに50人の鑑定士グループが査定して価格を提示します。その金額に売り主が満足すれば、平均6.5%の手数料で物件を買い取ります。
同社によれば、適正価格で確実に家を売れる安心感と、売り主が二重ローンに縛られなくて済むように契約日をフレキシブルに決められる制度が強みと言います。不動産エージェントに仲介を頼む手間もありません。
オープンドアには資格を持ったエージェントが100人在籍し、希望すればアドバイスを受けられます。
取り扱うのは1960年以降に建てられた17万5000ドル〜50万ドルの一戸建てで、大規模な修繕やリフォームを必要としないものに限られ、南部を中心に十数都市で事業を展開し、1ヶ月に買い取った中古物件の合計額は、1億ドルから7か月後には3億1600万ドルに上昇しています。
購入した物件は簡単な修繕をして売りに出し、平均90日で買い手がつくそうです。オープンドア社は当初1か月に1都市のペースで進出する予定だったそうですが、前述の巨額の投資を追い風に事業拡大をスピードアップさせ、全米22都市に進出を見込んでいるようです。
また、ライバル企業も増えているようでオファーパッド社とノック社はオープンドアと同様のサービスを提供、上場企業のZillowとRedfinも転売ビジネスに参入しているようです。
今回の筆者まとめ
今回は不動産買い取りオンラインサービス、オープンドア社についてコラムを書かせていただきました。
テクノロジーの発展により様々なものがオンライン上でやり取りできるようになりましたが、いよいよ不動産の売買もネットで完結できるようになったんですね。
正直アイデア自体はそこまで大したことはないですが、IT化が遅れている不動産業界では注目を集めているようです。またWeWork社もそうですが、オープンドア社にもソフトバンクビジョンファンドが巨額の出資を行なっております。将来有望な企業には軒並み巨額の出資を行う。さすが孫さんですね。
オープンドア社はまだ日本には展開をしていないようなので、今後の動きに注目です。
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