トップ > コラム > 新着最新のリーテック市場 Part6

新着最新のリーテック市場 Part6

2019/09/05
2023/03/07
不動産投資コラム

※リーテックとはReal Estate Technologyの略で、直訳すると「不動産テクノロジー」です。
不動産事業にIT技術を活用することを意味しています。

またまた今回もリーテックの雄、WeWork社のニュースをご紹介させて頂きます。

WeWork、約730億円の赤字を計上

シェアオフィス事業を展開する米WeWorkは新規株式公開(IPO)計画を明らかにしました。同社は今秋の上場を目指していますが、今年上期の業績はなんと6億9000万ドル(約730億円)の準損失だったそうです。

ただ2018年の売上高は18億ドルと、前年の8億8600万ドルから2倍以上に拡大しているそうで、事業自体は伸びているとのこと。

1時間で3000万円の赤字を出している?

WeWork(ウィーワーク)は470億ドル(5兆円超)という巨額の企業評価額を誇っていますが、実は巨額のお金を失い続けています。
フィナンシャル・タイムズによると、2019年3月までの12カ月間、同社はなんと毎日1時間あたり21万9000ドル(約3000万円)を失い続けたと買いてあります。

WeWorkは2010年に創業、現在はThe We Company傘下の企業として運営されていますが、2018年、WeWorkは損失、売り上げ、ともに倍増し、純損失は19億ドル、売上高は18億ドルとなりました。

同社は3月、2019年通気の売上高として30億ドルを見込んでいましたが、2018年第一四半期の売上高は7億ドルとなったそうです。WeWorkはシェアオフィス以外に、コリビング事業のWeLive、「未来の起業家を育てる小学校」WeGrowを運営しています。

IPOに向け、同社は巨額の損失にも関わらず、同社の大幅な成長は長期投資に値するものであると投資家を納得させる必要があるようです。

WeWorkの欠点とは

WeWorkの将来の不確実性は次の三点に要約できると言われています。

まず一つ目がビジネスモデルの安定性、二つ目がカテゴリー(WeWorkはテック企業なのか、不動産企業なのか?)そして、三つ目の不安要素は、CEOのアダムニューマン自身です。

ニューヨーク・マガジンのIntelligencerは2019年6月、ニューマンの紹介記事を掲載し理想主義的な人物として描いています。

CEOのアダムニューマンは2018年夏、従業員に肉を含んだ食事を取ることを禁止したそうです。
また2017年、ニューヨーク市立大学バルーク校で行なった卒業記念スピーチでは、自身のニューヨークでの若い日々を振り返り、当時はクラブに通い、「街中の女の子に声をかけた」と言っていたそうです。

サーフィン好きのニューマンは、個人的な趣味とWeWorkの境界線を曖昧にしているようにも見えます。
人工波の施設でサーフィンを楽しめるようにするスタートアップ「Wavegarden」と、有名サーファーのレアード・ハミルトン(Laird Hamilton)が手がける「スーパーフード・スタートアップ」に会社を代表して投資しています。

スーパーフード・スタートアップはビーツとターメリック、カフェインを豊富に含んだコーヒー入りのココナッツウォーター粉末「パフォーマンス・マッシュルーム」などを販売しているそうです。

WeWork数千億の社債発行を検討

オフィスシェア大手「WeWork」を運営する米ウィーカンパニーが今後数カ月の間に30億〜40億ドル(約3300億〜4400億円)規模の社債発行を検討していることがわかりました。

同社は今後数年で100億ドル規模の社債発行による資金調達を狙っており、IPOにより社債発行による調達額が上回る可能性もあるそうです。

300人の従業員を解雇に

コワーキングスペースの代表的存在WeWorkはグローバル従業員の3%にあたるおよそ300人を解雇したことをTechCrunchに明らかにしたそうです。

これまでにかなりの額の資金を調達していて、最近の企業価値は470億ドルであるWeWorkは世界中で1万人を雇用していますが、今回WeWorkはニューヨークが拠点で今回の解雇は業績に伴うもので、芳しくない部門の縮小というルーティーンプロセスの一環だそうです。

今回の解雇で影響を受ける部門は、WeWorkのプロダクト・ユーザー体験デザインを手がけるエンジニアリングのチームが主とのことです。

今回の筆者まとめ

今回は前回とは打って変わってWeWork社のマイナス面のニュースを記事として書かせていただきました。

リーテック業界の雄として注目されているWeWorkですが、実情は想像以上の赤字を計上しています。

特に今回私が注目したのがWeWorkの欠点と言われるCEOのアダムニューマンについての記事です。巨額の資金を事業の発展に投資しているのであれば納得ですが、自身の趣味のサーフィンにまつわる企業にし出資しているなど企業のCEOとして少し怪訝なところがあります。

従業員を300人も解雇しているにも関わらず上記のような会社に出資していることを知った社員は果たしてどう思うのか、私はニューマンの経営スタンスでは一時は成功したとしても永くは続かず、どこかで壁にあたるのではないかと思います。

幸い、株主として経営のプロ中のプロであるソフトバンクの孫さん率いるソフトバンクビジョンファンドがいますので万が一の時はウーバーの時のように社外からプロ経営者を連れてくるかもしれませんね。
とにかくWeWorkの今後の動向から目が離せませんね。

>『新着最新のリーテック市場 Part1』
>『新着最新のリーテック市場 Part2』
>『新着最新のリーテック市場 Part3』
>『新着最新のリーテック市場 Part4』
>『新着最新のリーテック市場 Part5』
>『新着最新のリーテック市場 Part7』

あなたにオススメの記事