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投資用不動産の不正融資問題

2020/10/13
2023/03/10
不動産投資コラム

投資用不動産の不正融資に巻き込まれないためには?

近年、不動産購入における不正融資が問題視されています。

今回は不正融資の実例と融資を受ける際のポイントについて、お伝えしていきます。

不正融資の実例

社会的問題となっている不正融資問題の実例からお伝えしていきます。

1)スルガ銀行の不正融資 不適切融資が1兆円以上!

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」の事件で経営破綻をしたスマートデイズとの不正融資問題をきっかけに、スルガ銀行の不適切融資が問題視されるようになり、昨年投資用不動産融資の全件(9,388件)の調査が行われました。

このうち、かぼちゃの馬車などのシェアハウスの割合は、955件(約1,193億円)で全体の約10%にすぎず、残りの不適切融資は賃貸用のアパートやマンションに対するものです。

メディアの影響もあり、シェアハウスの問題に目が行きがちですが、全体の不適切融資額は1兆円を超えるそうです。

2)フラット35の不正利用

フラット35は、住宅金融支援機構が提供する住宅ローンで、金利1%前半台の低金利かつ固定金利で、35年のローンが組むことができるため、返済額が少なく住宅購入ができるのがメリットです。

フラット35は住宅目的での購入に限られており、投資用不動産の購入に利用することはできません。
しかし、2019年にこのフラット35を不正に利用して投資用不動産の購入していたことが問題となりました。

今回の不正に関しては、違法であることを承知しながら、投資用の中古マンションを居住用と偽って、低金利の住宅ローンであるフラット35を使って金融機関から融資を引き出したことが問題となっています。

業界では「なんちゃって」という隠語で呼ばれており、「なんちゃって不動産投資」などと言われているそうです。

不正融資のほとんどの原因が銀行に提出する書類の改ざんになります。
年収の水増しや預金状況などのエビデンスの改ざんを行い、与信を超える融資を行います。

これらの行為に問題があることを分かっていながら、勧めている業者は悪事が明るみに出た時点で営業停止、倒産と追い込まれていきます。当然ながら消費者にも責任はありますので、相応の罰則を受ける形となります。

不正融資によるリスク

不正融資に関わってしまった場合、自己破産に追い込まれるなど大きなリスクに巻き込まれる可能性があります。

不正利用が発覚すると、金融機関から一括返済を求められる可能性があり、住宅ローンの一括返済を求められた場合は残債分を手元の現金資産で返済しなければなりません。

もし、現金が足りなければ、担保に設定していた不動産を売却して返済することになります。売却してもなお、ローンの残債を返済しきれない場合は、ローンを完済するためにまた新たにローンを組むという状況にもなりかねません。

不正融資に巻き込まれないために

金融機関の融資審査は厳しくなっていますが、万が一、不動産会社が書類の改ざんを示唆するようなことを申し出てきた際は、絶対に乗らないことが大事です。

不動産は金額の大きな買い物なので、もし仮に不正利用したことが発覚すれば、自己破産に追い込まれる程の大損失を起こすことも十分に考えられます。

自分自身の収入や資産状況に応じて、無理のない範囲で不動産を持つことと、そしてお付き合いする会社には気を付けましょう。

最後に

今回は投資用不動産の不正融資について触れていきました。

不動産は大きな金額が動くので、問題があることは分かっていながら不正に手を染める会社は少なからずあります。そういった不正に巻き込まれないために、お付き合いする会社が健全かどうか見分ける方法をお伝えします。

まず基本中の基本ですが、会社の情報を調べることです。次に、提携している金融機関を確認しましょう。

提携の金融機関の数が多ければ安心材料の一つになります。不動産購入の際は、それらを調べた上で検討し、もし仮に不正融資の提案をしてくるようなことあれば、その提案には決して乗らないようにしましょう。

不正融資は多大な借金を背負うことになりかねず、最悪なケース何千万もの借金に耐えきらず自己破産をする人も出てくるほどです。決められたルールの中で取り組むことと、リスクをしっかりと把握しておくことで自分自身や大切な資産を守ることができます。

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