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たばこ税の増税から見る経済の動き

2020/10/06
2023/03/10
お金・資産形成

たばこ税の増税から見る経済の動き

たばこの税負担が重いということは、喫煙者のみならず、多くの方がご存じではないでしょうか。
たばこの価格自体には、国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税の4種類の税金が含まれています。

そもそもなぜ10月1日からたばこ税が増税したのか、そこから考えられる経済の動きについて解説していきます。

増税後の税率は?

今月10月1日からたばこ税が増税となりました。
紙巻たばこは1本あたり1円の増税となり、1本あたり13.244円だった税率は14.244円に上がりました。もちろん銘柄などによって異なりますが、一般的な紙巻たばこの税負担率は6割にも上ります。

JT(日本たばこ産業株式会社)が小売定価改定を申請して認可されたのは、紙巻きたばこ136銘柄、葉巻たばこ16銘柄、パイプたばこ3銘柄、刻みたばこ3銘柄、かぎたばこ18銘柄、加熱式たばこ48銘柄の計224銘柄でした。

実は、たばこ税は来年の10月1日に再増税が予定されており、紙巻たばこは1本あたり1円の増税で、1本あたり15.244円となります。

喫煙所の撤廃

東京都では、2020年4月1日から「東京都受動喫煙防止条例」、「改正健康増進法」が全面施行され、決められた場所以外での喫煙が禁止されたのは記憶に新しいことかと思います。

職場や馴染みの飲食店でたばこが吸えなくなり、自分の周りでも喫煙出来る場所が限られてきていると感じる愛煙家の方が多いはずです。

その理由としては、2021年に延期になった東京オリンピック、受動喫煙によって肺がん等の疾患のリスクの上昇、新型コロナウイルス感染防止対策の3密防止という点が上げられます。

喫煙者人口の減少

日本の成人男性の喫煙率は、1966年の83.7%をピークに減少傾向にあり、2018年には27.8%となっています。
成人女性も同じく、1966年の18.0%をピークに少しずつ減少を続けており、2018年では8.7%まで減少しました。

要因としては、急速する高齢化や喫煙と健康に関する意識の高まり、喫煙をめぐる規制の強化や、増税・定価改定などが挙げられます。

日本経済を支える貴重なたばこ税

たばこ税は日本経済を支える上で貴重な財源です。その額は、なんと年間2兆円を上回るとされています。

国税収等の内訳を見てみると、2019年度では国たばこ税・たばこ特別税は約1.6%、地方税収等の内訳を見ると、地方たばこ税は約2.4%を占めています。
こうした数字から、国としても地方自治体としても、たばこ税が貴重な財源になっていることは一目瞭然です。

最後に

日本が約1,000兆円の負債を抱えているのは紛れもない事実です。それに伴い、消費税の増税など、税収の確保は必須になってきています。

菅新首相の政策においても、安倍元首相が行っていたような政策が大きく変わるというような動きは今のところ見られません。
消費税10%の増税から始まり、今回のたばこ税も来年10月に更に増税されることが予想されています。

日本で生活していく上では気切り離せない税金の問題。自分がどういう税金を払っているのか、国がどういった政策をしているのか、たばこ税の増税など、今回のような機会に見つめ直し、今後の経済の動きに注目していきたいものです。

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