地震大国日本で不動産投資のリスクヘッジはどう考えるべきか
不動産投資は、自己資金を多く動かすことなく不労収入を得ていくことができる方法の一つです。
しかし、その金額の大きさから失敗したときのリスクを考え、始める前の一歩が踏み出せない、どうしても不安が残る、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はリスクの中でも「自然災害」に注目していきます。
地震などの自然災害で所有物件が倒壊したら・・・
不動産投資は、自己資金を多く動かすことなく不労収入を得る方法のひとつですが、多少なりともリスクがあるため不安に感じる方もいると思います。
そのリスクのひとつ「自然災害」について紐解いていきましょう。
日本は地震大国と呼ばれるほど地震が多発する国ですから、「もし所有する物件が地震で倒壊してしまったら」「二次災害を被り火事で全焼してしまったら」「現物資産のない状態で借金だけが残るのでは」というイメージから不安の声をよく聞きます。
実際のところはどうなのでしょうか?
不動産投資において自然災害はどれくらい影響を受けるのか、またどんな予防策をとればいいのか、過去の実例もご紹介しながらお話していきたいと思います。
過去の震災から見るマンション倒壊数と耐震基準の関係
「自然災害の中で、日本人が一番不安を感じているのは地震」というデータがあります。
このデータは2017年に日本政府によって行われた世論調査の結果で、全体の約80%の人が、最も被害が怖い災害は「地震」だと回答しています。
また、大地震が起きた場合、最も心配なことは「建物の倒壊」で全体の約70%を占めています。(参照:内閣府世論調査)
昔から地震の多い日本では、1924年以降大きな地震が起きる度に法律による耐震規定が改訂されてきましたが、現行の耐震基準は1981年6月1日に施行された改正建築基準法がもとになっています。
この新耐震基準を満すのは次のとおりです。
1)中規模の地震(震度5強程度)でほとんど損傷しないこと
2)大規模の地震(震度6強~7程度)で倒壊・崩壊しないこと
という耐震レベルです。
具体的な例を挙げてみましょう。
1995年の阪神淡路大震災では、死亡者の約88%が家屋や家具などの倒壊による圧迫死でした。その際に起きた建物倒壊などの被害は、前述の耐震基準が明暗を分けたと言われています。
被害の多くは新耐震基準を満たさない1981年以前の建物に集中したのです。(参照:GLOBAL BASE)
一方で、2011年の東日本大震災で全壊した建物は約13万棟、その中で新耐震基準を満たしたマンションの地震による倒壊件数は0件でした。
このことからも、現在の耐震基準で建設されたマンションの高い耐震性が伺えます。
また、マンションの中でも特にワンルームマンションは、ワンフロア当たりの部屋数が多いため壁などの仕切りが多くさらに強固な造りと言われています。
つまり、不動産投資を行う際には投資用マンションを選択することで、地震による建物倒壊などのリスクを下げることができるのです。
地震の二次災害に備えてチェックすべき2つのポイント
地震によって引き起こされる二次災害も無視できません。
その例として、津波や火災、液状化が挙げられます。津波や液状化を防ぐことはできませんが、災害が起きた場合でも被害を最小限に抑えるための予防策を取っておくことは十分可能です。
気にかけておきたいこととして次の2つがあります。
1)対象物件の地盤が地震に強いのか弱いのか
2)マンションの耐震設計がしっかりしているのかどうか
大切な資産となりますので、このようなことを確認した上で物件選びをしていくのが望ましいです。また、自然災害による被害の予測はハザードマップで簡単に確認することができるので、参考までにそちらを見てみるのも良いでしょう。
▼動画によるわかりやすい解説もご用意しました
講師:元教師の中山ティーチャー(当社社員)
不動産投資で一番のリスクヘッジとは?
不動産投資は安定的・長期的に資産を運用していくことができる点が魅力ですが、どこのどんな物件でも必ず成功するわけではありません。
ここまでお伝えしてきた通り不動産投資と自然災害は密接な関係にありますので、物件を選ぶ際には自然災害へのリスクヘッジも重要です。
結論としては、不動産投資を行うならマンションを選ぶことが一番のリスクヘッジになると言えます。
日本人が最も恐れる災害「地震」への全体的な対策についてですが、1981年の耐震基準改正後から東日本大震災や熊本地震の経験を経て、建物の建築技術がどんどん引き上げられているため、新築に近ければ近い程、倒壊や損壊への不安を軽減することができるでしょう。
また、万が一建物が被災して人が住めない状態になったとしても、修繕期間の家賃を保証する保険もあります。
複合的なリスクヘッジにより、大きな金額で購入する不動産を安定的かつ長期的に運用していく上で大切な安心材料となります。不動産投資をはじめる際にはプロのアドバイスなども参考にしながら慎重に物件選び行っていきましょう。