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住宅耐震化率は約90%に到達も自治体格差が課題に、改修支援の強化方針が提示

2026/11/04
中古住宅

内閣官房が公開した「第22回国土強靱化推進会議」の配布資料により、全国の住宅における耐震化の進捗状況と、今後の支援強化に向けた方針が明らかになりました。国内の住宅耐震化率は推計で約90%に達しているものの、地域ごとの取り組み状況には開きが見られます。

政府は倒壊リスクが残る古い基準の住宅ストックを減らすため、2035年に向けた耐震不足の解消を目指しています。今回の報告では、耐震改修にかかる補助金や高齢者を対象とした融資制度、登記簿などのデータを活用した実態把握など、実効性を高める具体策が整理されました。

中古住宅の再生やリノベーション事業に関わる事業者や個人にとって、公的な支援策や地域の耐震基準への適合状況を正しく把握することは、物件選びや資産価値を判断するうえで欠かせない要素となりつつあります。

この記事のポイント

  • 全国の住宅耐震化率は推計約90%に到達した一方、自治体ごとの格差が浮き彫りとなっています。
  • 政府は2035年までに耐震不足の住宅解消を目指し、高齢者向け融資や改修補助を強化する方針です。
  • 登記簿などを活用した進捗把握により、既存の耐震不足ストックの管理強化が進められます。
  • 中古住宅の流通やリノベーション投資においては、自治体ごとの支援制度の違いを注視する必要があります。

ニュースの概要と背景

国土強靱化推進会議の配布資料「住民や民間事業者が主体の取組の強化について」によると、国内における住宅の耐震化率は推計で約90%まで向上しました。地震に対する安全性を高める取り組みが一定の成果を収めている一方で、残る約10%の既存住宅ストックには依然として倒壊のリスクが存在しています。

特に課題となっているのが自治体間における進捗の格差です。耐震化の推進体制や地域ごとの支援制度にばらつきがあり、旧耐震基準のまま残されている住宅への対応について地域差が浮き彫りとなっています。これを受け、国交省をはじめとする関係省庁では、全国的な底上げに向けた取り組みを急いでいます。

政府は2035年までに耐震性が不足している住宅の解消を目標に掲げています。この目標達成に向けて、これまでの啓発活動にとどまらず、登記簿などの公的記録を活用して改修が進んでいない建物の状況を把握するなど、より踏み込んだ管理・把握手法の導入が進められる見通しです。

さらに、改修費用の負担を軽減するための耐震改修補助の拡充や、高齢者向けの融資支援策といった直接的な資金面のバックアップも提示されています。資金的な制約によって改修を見送っていた層へのアプローチを強化することで、既存ストック全体の安全性向上を図る方針です。

不動産市場・投資家への影響

今回の支援強化方針は、中古住宅流通やリノベーションを伴う不動産投資の実務に多面的な影響を与える可能性があります。耐震改修に対する公的補助や融資制度の適用範囲が明確になることで、耐震性に課題を抱える古い物件の取得や再生を検討する際の判断材料が増えると考えられます。

ただし、住宅の耐震化状況や支援体制には自治体ごとの差が大きいため、物件が所在する地域によって利用できる補助制度や進捗スピードが異なる点には注意が必要です。同じ築年数の物件であっても、自治体ごとの支援策の有無によって改修コストや将来的な流動性が左右される可能性があります。

また、登記簿などの情報を活用した進捗管理が進むことで、既存不適格や耐震不足の住宅ストックに対する把握が精緻化していくとみられます。これにより、耐震性を満たしていない物件の取引や賃貸運用において、これまで以上に耐震基準への適合状況が問われる局面が増加する可能性があります。

中古物件を活用した資産形成を検討する際には、単に物件価格や利回りだけでなく、該当地域における耐震改修補助の充実度や融資の活用可否を事前に確認することが大切です。耐震改修の動向を注視しながら、中長期的な建物の安全性と資産価値を見極める姿勢が求められます。

出典:第22回国土強靱化推進会議 配布資料「住民や民間事業者が主体の取組の強化について」 | 内閣官房

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