コロナショックと金融商品
現在コロナウイルスが、世界の経済に大きな影響を与えています。
各国で入国規制や外出禁止令などが敢行され、生活に大きな影響が出ている人も多い中、年金対策や資産運用として多く取り組まれている金融商品にはそれぞれ一体どのような影響が出ているのでしょうか?
外貨建て保険は事実上のゼロ金利で一部販売休止!?
まずは、コロナショックと「外貨建て生命保険」からです。
ご存知の方が多いと思いますが、外貨建て生命保険とは保険料の支払いや運用、積立などを外国の通貨で行う保険のことです。
特に米ドルや豪ドルが主流であり、低金利が続く日本では難しい高い利回りを得られることを売りに販売数を増やしていました。
ところが、コロナウイルスの影響を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を一気に1.0%引き下げ、事実上のゼロ金利を導入しました。
その結果、米長期金利の指標となる10年物米国債の利回りは急落、初めて0%台となり、運用先としてのメリットを失いつつあるのです。
このことから、保険会社の中には「顧客にとって魅力的な運用ができない」とし、一部販売を休止しているところもあります。
株式投資は乱高下で明暗が分かれた業界と投資家
続いてコロナショックと「株式投資」です。
コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界中の株価は暴落しました。
日経平均株価はこの2カ月で31%の暴落を記録しており、1月上旬は23,000円だったのに対し、3月には17,000円まで下がっています。
この暴落は、1987年のブラックマンデーや2008年のリーマンショックと似ていると言われており、損失を被った投資家もいる一方で、現在安価をつけている優良銘柄を狙う投資家もいます。
また、在宅勤務の実施や不要不急の外出自粛要請が出ている中でゲームの売上は伸び、ミクシィやイマジニアなどが業績予想の上方修正を発表しています。
このようにゲーム業界は今、投資家から熱い視線を集めていますが、製造業のように損切りされている業界もあるため、取り組むには情勢の先読みや売買のタイミングを見極める目が欠かせないのが株式投資になります。
(ダイアモンド・オンライン参照)
ところで不動産への影響は・・・?
それでは、コロナショックと「不動産」はどうでしょうか?
こういった状況下で、不動産の中でも特にホテルや民泊のような観光関連のインバウンド事業ではかなり大きな影響を受けています。
例えば、山梨県では約30,000件を超える旅館やホテルの予約キャンセルが発生しており、日本人、外国人問わず観光客の減少から旅館等が存続の危機に陥っています。
その一方で、「投資用不動産」への影響はほとんどありません。
今回のようにウイルスが大流行した場合でも、入居者の退去に直接的には繋がらないので特に何の問題もなく運用することが可能です。
また、不動産は購入や引き渡しなど一つ一つの流れに時間がかかるため、経済の動きに対して急激な価格変動が起きにくい金融商品だと言えます。
さらに今、気にかけておきたいのが、既に不動産を持っている人が資金繰りのために現金化を急ぎ、手放しているという例があることです。
そういった物件であれば、平時よりもお手頃価格で不動産を手に入れ、経済が上向きになり不動産の価格が通常に戻ったときに売却することで、より利益を出すということも不可能ではありません。
不動産がコロナショックでもビクともしない理由
外貨建て生命保険が輝きを失いかけ、株式市場が乱高下する中、不動産に安定力があるの理由は他でもなく「家だから」の一言に尽きるでしょう。
不況時には世の中の消費が落ち込み、経済は停滞の一途をたどり、株価の下落へと影響を及ぼしていきますが、不動産の場合は不況・好況に関わらず人々が住む家を必要とすることには変わりがありません。
だからこそ、家賃収入を得ることで運用していく不動産投資には影響が少ないのです。特に、お子さんの学校の休校などで仕事を休まざるを得ない方にとっては、働かなくても入ってくる不労収入は、これまで以上に魅力的なものに映ることでしょう。
現役で働くサラリーマンの中にも片手間で資産運用をされている方が多くいますが、コロナショックのように予測不能な出来事があると、回避する間も無く自分の資産が傾いてしまうリスクが大きくなります。
今回の株の暴落で損失を出したという方も少なからずいるはずです。
資産運用を行う上で、今回のような予期せぬリスクもあるということを念頭に、上手く分散させることが資産を守ることに繋がります。
ハイリスクハイリターンの運用方法に集中せず、不動産のように資産を守っていく性質を持つ金融商品を併せて運用していくことが一番のリスク分散になるのです。