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【連載コラム:東京「1駅ずらし」の部屋探し 第1回】自由が丘は家賃が高い?「都立大学」を選ぶメリットと住みやすさを比較

2026/08/17
連載

「自由が丘に住みたいけれど、家賃が高い」。

東京で部屋探しをしていると、このように「住みたい街」と「予算」の間で悩むことがあります。そんなとき、条件を大きく変える前に試してみたいのが、人気駅から“1駅ずらして”探す方法です。

今回取り上げるのは、東急東横線の「自由が丘駅」と、その1駅隣にある「都立大学駅」です。自由が丘の生活圏を大きく手放さずに、都立大学へずらすことで家賃はどの程度変わるのでしょうか。

最新の家賃相場とともに、交通アクセス、買い物環境、街の雰囲気まで比較してみます。

「住みたい駅」だけで検索すると、選択肢は意外と狭くなる

賃貸物件を探すとき、多くの人は最初に駅名を決めます。

「自由が丘に住みたい」

「吉祥寺がいい」

「三軒茶屋で探したい」

そして不動産ポータルサイトに駅名を入力し、家賃、間取り、駅徒歩、築年数などの条件を絞っていきます。

ところが人気駅ほど家賃相場は高く、条件を追加するたびに物件数が少なくなります。

そこで今回の連載で提案したいのが、

「住みたい駅を諦める」のではなく、「検索範囲を1駅ずらす」

という考え方です。

同じ沿線であれば通勤・通学条件がほとんど変わらない場合があります。さらに、元々希望していた人気駅を休日の買い物や食事で利用できる距離なら、「住む場所」と「遊ぶ場所」を分けることもできます。

その代表例として面白いのが、自由が丘と都立大学です。

自由が丘と都立大学は東横線で隣同士

自由が丘駅と都立大学駅は、どちらも東急東横線にあります。

位置関係は、

学芸大学 → 都立大学 → 自由が丘 → 田園調布

となっています。東急電鉄の駅情報でも、都立大学駅の下り隣接駅が自由が丘であることが確認できます。 (東急株式会社)

つまり都立大学から自由が丘までは、東横線でわずか1駅です。

ただし、大きな違いもあります。

自由が丘には東横線だけでなく大井町線も乗り入れています。また東横線では特急・通勤特急・急行なども停車する主要駅です。一方、都立大学駅は東横線の各駅停車のみが停車します。 (東急株式会社)

交通利便性だけを比較すれば、自由が丘に軍配が上がるでしょう。

しかし「毎日大井町線を使うわけではない」「急行停車駅であることより家賃や住環境を重視したい」という人なら、都立大学も候補になってきます。

自由が丘の1Kは約11.8万円。では都立大学は?

ここで最も気になる家賃を見てみましょう。

LIFULL HOME’Sが公表している家賃相場では、自由が丘駅の1Kは11.79万円、ワンルームは12.73万円となっています。これは駅徒歩10分以内の賃貸物件の平均賃料などを基準に独自算出された数字で、管理費などは含まれていません。 (ライフルホームズ)

また、少し広い部屋では差が見えやすくなります。

2026年7月24日時点の同サイトのデータでは、1LDK相当の比較で、

自由が丘 22.83万円
都立大学 20.99万円

となっています。

差は約1万8,400円です。 (ライフルホームズ)

1カ月なら「2万円弱」ですが、単純計算で1年間なら約22万円になります。

2LDKでは、

自由が丘 30.90万円
都立大学 28.14万円

と、約2万7,600円の差があります。 (ライフルホームズ)

もちろん、これはあくまで掲載データを基にした相場です。

築年数、駅徒歩、設備、建物構造などが違えば家賃も大きく変わるため、「都立大学なら必ず○万円安くなる」という意味ではありません。

それでも、自由が丘で条件に合う物件が見つからないとき、1駅隣まで検索範囲を広げる価値はありそうです。

「家賃が安い」だけでは1駅ずらす意味がない

ただし、今回の連載で重要なのはここからです。

単純に家賃だけを安くしたいのであれば、もっと都心から離れた地域まで検索範囲を広げれば、安い物件は見つけやすくなります。

1駅ずらしのポイントは、

「元々住みたかった街のメリットを、どこまで残せるか」

にあります。

自由が丘から都立大学へずらした場合、東横線という条件は変わりません。

自由が丘にも1駅で行けます。

「休日は自由が丘で買い物や食事を楽しみたいけれど、毎日その駅前に住む必要はない」という人なら、都立大学に住んで自由が丘を生活圏として利用する方法も考えられます。

これが「安い街へ引っ越す」のとは少し違うところです。

都立大学は「何もない街」なのか?

自由が丘と比較すると、都立大学駅は知名度が低いかもしれません。

しかし、住宅地として見ると性格がかなり違います。

東急電鉄は都立大学について、駅周辺には商店街や商業施設があり、その先には落ち着いた住宅街が広がっている街として紹介しています。また、呑川緑道やめぐろ区民キャンパスなど、緑のある場所もあります。 (東急株式会社)

自由が丘は、駅周辺に飲食店、ファッション、雑貨などさまざまな店が集まっています。

休日に街を歩く楽しさという点では、自由が丘の魅力は大きいでしょう。

一方、毎日の生活で本当に必要なのは、

スーパー、ドラッグストア、コンビニ、飲食店、クリニック

といった生活インフラです。

「休日に楽しい街」と「毎日暮らしやすい街」は、必ずしも同じではありません。

都立大学は、まさに後者を重視する人が比較してみたい街です。

自由が丘の便利さを「必要なときだけ使う」という考え方

これは東京の部屋探し全体にいえることですが、人気駅の便利さを毎日すべて使う人はそれほど多くありません。

例えば自由が丘に魅力を感じる理由が、

「おしゃれなカフェが多い」

「飲食店が充実している」

「買い物が楽しい」

だったとします。

それなら、その環境を毎日玄関の目の前に置く必要があるでしょうか。

休日に1駅移動して楽しむという選択もあります。

逆に、

「大井町線を毎日使う」

「急行停車駅であることが重要」

「仕事が遅く、駅前で食事を済ませることが多い」

という人なら、自由が丘に住むメリットは大きくなります。

つまり1駅ずらしは、

「人気駅は高いから隣に住もう」ではなく、自分が人気駅の何にお金を払っているのかを考える方法

でもあるのです。

「駅徒歩」まで組み合わせると、さらに面白い

もう一つ考えたいのが駅徒歩です。

例えば、

自由が丘駅徒歩12分の物件

と、

都立大学駅徒歩5分の物件

が同じような家賃だったら、どちらを選ぶでしょうか。

駅名だけを見れば自由が丘が魅力的に感じるかもしれません。

しかし通勤では、駅まで毎日歩きます。

片道7分の差なら、往復で14分です。

雨の日もあります。

真夏もあります。

荷物が多い日もあります。

人気駅にこだわった結果、毎日駅まで長時間歩くのであれば、1駅ずらして駅近物件を選んだ方が生活しやすいケースもあります。

部屋探しでは、

「人気駅の徒歩10~15分」と「隣駅の徒歩5分以内」

を同時に検索してみるのがおすすめです。

意外な物件が候補に入ってくる可能性があります。

ただし「都立大学の方が必ずお得」ではない

ここは注意が必要です。

都立大学も目黒区にあり、東横線沿線の人気住宅地です。

決して「家賃が安い街」ではありません。

物件条件によっては自由が丘と家賃がほとんど変わらなかったり、タイミングによっては都立大学の方が高く見えるケースもあり得ます。

だからこそ、

「自由が丘は高い。都立大学は安い」

と最初から決めつけない方がよいでしょう。

重要なのは、両駅を同じ条件で検索することです。

間取り、築年数、駅徒歩、専有面積、バス・トイレ別、オートロックなど、自分が譲れない条件を揃えて比較します。

その結果、

「月1万円安くなるなら都立大学」

という人もいれば、

「数千円しか変わらないなら自由が丘」

という人もいるでしょう。

正解は人によって違います。

1駅ずらすときは「電車賃」だけでなく定期券にも注意

1駅ずらしでは、交通費も確認しておきたいところです。

勤務先から交通費が全額支給される会社員なら、それほど気にならないかもしれません。

一方、交通費に上限がある場合や、自営業・フリーランスの場合は、家賃が下がっても交通費が増える可能性があります。

また、急行が停まるか、乗り換え回数が変わるか、終電後にタクシーを利用することが多いかなども生活コストに影響します。

家賃だけで比較するのではなく、

「住居費+交通費+時間」

で考えるのがポイントです。

自由が丘が向いている人、都立大学が向いている人

ここまでを整理すると、自由が丘が向いているのは、街そのものを日常的に楽しみたい人でしょう。

東横線と大井町線を使い分けたい人、急行・特急停車駅を重視する人、駅周辺の商業環境を頻繁に利用する人にもメリットがあります。 (東急株式会社)

一方、都立大学は、

東横線沿線に住みたい
自由が丘を生活圏にしたい
駅周辺のにぎやかさより住宅環境を重視したい
同じ予算で駅距離や間取りなど別の条件を改善したい

という人が比較してみたい駅です。

「どちらが上か」ではありません。

自分がお金を払いたい条件が何なのかによって選択が変わります。

部屋探しでは「駅名」を条件から一度外してみる

不動産ポータルサイトで部屋を探していると、いつの間にか、

「自由が丘に住むこと」

そのものが目的になってしまうことがあります。

しかし、本来の目的は違うはずです。

通勤しやすい場所に住みたい。

東横線沿線に住みたい。

休日を楽しめる場所に住みたい。

落ち着いた住宅街がいい。

家賃を○万円以内にしたい。

こうした条件を満たすことが本当の目的です。

それなら、駅名を一度外してみるのも方法です。

自由が丘だけを検索していたなら都立大学も入れる。

さらに学芸大学や田園調布など周辺駅も見てみる。

検索範囲を少し広げるだけで、物件の選択肢は大きく変わります。

まとめ

「自由が丘に住みたいけれど家賃が高い」という人にとって、1駅隣の都立大学は比較する価値のある選択肢です。

2026年7月時点のLIFULL HOME’Sのデータでは、1LDK相当の家賃相場は自由が丘22.83万円に対し都立大学20.99万円、2LDKでは自由が丘30.90万円に対し都立大学28.14万円となっています。 (ライフルホームズ)

ただし、都立大学も人気の東横線沿線です。

必ず大幅に安くなるわけではありません。

今回伝えたいのは、

「自由が丘ではなく都立大学に住むべき」ということではなく、「自由が丘だけで検索する必要はない」ということです。

人気駅から1駅ずらす。

人気駅徒歩10分以上と、隣駅徒歩5分以内を比較する。

家賃だけでなく、間取りや築年数まで比べる。

そして浮いた家賃と、失う利便性が釣り合うかを考える。

このように検索条件を少し変えるだけで、「住みたい街」と「払える家賃」の間に、新しい選択肢が見つかるかもしれません。

東京での部屋探しでは、駅名にこだわりすぎず、

「1駅ずらしたらどうなる?」

と考えてみることが、条件のよい物件を見つける一つの方法です。

次回は、東京を代表する人気エリアの一つ「吉祥寺」から1駅ずらします。

「吉祥寺に住みたいけど家賃が高い。それなら三鷹はどう?」

吉祥寺と三鷹の家賃、交通アクセス、買い物環境、街の雰囲気を比較しながら、三鷹だからこそ得られるメリットも検証します。

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