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不動産投資の利回りは低い?カバーする方法をご紹介

2024/11/15
お金・資産形成

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  • 不動産投資の利回りとは
  • 不動産投資の利回りが低い原因と市場動向
  • 利回りが低い物件でも収益を上げるための方法
  • 利回りが低い場合のカバー方法と代替投資戦略
  • まとめ

不動産投資の利回りが低下傾向にある中、安定的な収益を確保するにはどうすればよいのでしょうか。利回りは投資物件の収益性を示す重要な指標ですが、市場環境によっては高い利回りを期待できない場合もあります。

本記事では、利回りが低い状況でも収益を上げるための具体的な方法を解説します。適切な物件選定や運営手法、リスク評価と対策、キャッシュフロー管理と経費削減策、テナント管理と空室対策など、多角的なアプローチにより、安定的な収益確保を目指すことができるでしょう。

さらに、長期的な資産価値の向上を目指す戦略や、複数物件への分散投資、他の投資商品との組み合わせによる最適化なども有効な手段です。不動産投資に関する基本的な概念から、利回りが低い場合のカバー方法まで、収益向上のための重要なポイントを網羅的に説明します。

本記事を通じて、不動産投資における利回りの重要性と、収益向上のための実践的な方法を理解していただければ幸いです。

不動産投資の利回りとは

利回りとは、投資額に対する収益の割合を示す指標です。不動産投資においては物件購入額に対して、1年間の家賃収入がどれくらいの割合であるかを示す指標となります。利回りが高いほど、投資に対するリターンが大きいことを意味します。したがって、利回りは不動産投資の収益性を評価する上で非常に重要な役割を果たします。

利回りは、投資物件の選定や投資戦略の策定において中心的な判断材料となります。利回りを適切に分析することで、より収益性の高い物件を選別し、最適な投資計画を立てることができるのです。

利回りの4つの分類と計算方法

利回りは主に4つに分類されます。表面利回り(グロス利回り)、実質利回り(ネット利回り)、想定利回り、現行利回りです。それぞれの特徴と計算方法を見ていきましょう。

  1. ●表面利回り(グロス利回り)
    • 物件価格に対する年間賃料収入の割合を示します。
    • 維持管理費等を含まない単純計算値であり、最も一般的に使用される指標です。
    • ・計算式:年間収入÷購入金額×100
  2. ●実質利回り(ネット利回り)
    • 経費控除後の実質的な収益率を表示します。
    • 物件の実態的な収益力を反映するNOI利回りとしても知られています。
    • ・計算式:(年間収入-年間諸費用)÷(購入金額+購入時諸経費)×100
  3. ●想定利回り
    • 満室経営を前提とした計算値です。
    • 広告宣伝時の一般的な表示方法ですが、実態との乖離に注意が必要です。
  4. ●現行利回り
    • 現在の入居状況に基づく実績値を示します。
    • 空室率を考慮した実態値であり、より現実的な収益状況を反映します。

利回りの分類を理解し、適切な指標を用いることが重要です。特に実質利回りは、物件の実態的な収益力を反映するため、投資判断の重要な指標となります。

利回りに影響を与える要因

利回りは様々な要因によって変動します。ここでは、利回りに影響を与える主な要因について説明します。

まず、建物の築年数が利回りに大きな影響を与えます。一般的に、築年数が20年までは利回りに大きな変化は見られませんが、20年を超えると急激に上昇する傾向にあります。ただし、築年数が長い物件は売却が難しくなる可能性があるため、出口戦略には注意が必要です。

また、物件の立地や周辺環境も利回りに影響を与えます。都心部や利便性の高い地域では、物件価格が高いため、利回りは比較的低くなる傾向にあります。一方、地方都市や郊外では、利回りが高くなる傾向があります。ただし、地域の将来性や需要の安定性も考慮する必要があります。

さらに、物件の設備や管理状況も利回りに影響します。設備が充実し、適切に管理されている物件は、入居者からの需要が高く、安定した収益が期待できます。一方、老朽化した設備や管理不足の物件は、空室率の上昇や賃料の下落につながる可能性があります。

不動産投資の利回りが低い原因と市場動向

近年、不動産投資市場では利回りの低下傾向が顕著になっています。ここでは、利回り低下の背景にある要因や、地域別の期待利回り、建物構造別の特性が利回りに与える影響について詳しく解説していきます。

利回り低下の背景と要因

不動産投資の利回りが低下している主な要因は、金融緩和政策による低金利環境の長期化です。低金利下では、投資家は高利回りを求めて不動産市場に資金を流入させます。この結果、不動産価格が上昇し、利回りが低下する傾向があります。

また、都心部を中心とした再開発プロジェクトの活発化も利回り低下に拍車をかけています。新築物件の供給増加は賃料上昇を抑制し、利回り低下につながります。さらに、世界的な金融市場の変動や政治経済の不確実性も、利回り低下に間接的な影響を与えています。

地域別の期待利回りと市場動向

不動産投資の利回りは、物件の所在地によって大きく異なります。東京都心部では、ワンルームマンションの期待利回りが4%台、ファミリータイプでは若干高めに設定される傾向があります。これは、都心部の資産価値の高さと需要の安定性を反映しています。

一方、地方都市では東京都心部よりも高い利回り設定が一般的です。ただし、地域特性による変動があり、需要変動リスクを反映して立地条件による格差が存在します。投資家は、各地域の市場動向を注視し、適切な利回り設定を行う必要があります。

建物構造別の特性と利回りへの影響

建物の構造は、不動産投資の利回りに大きな影響を与えます。木造建築は建設コストが最も低く、法定耐用年数は22年です。減価償却期間が短いため、メンテナンス費用の考慮が重要となります。

鉄骨造は中程度の建設コストで、骨格材の厚さによって異なりますが、法定耐用年数は19-34年です(※1)。バランスの取れた構造体であり、一般的な賃貸住宅で採用されています。RC造(鉄筋コンクリート造)は最も建設コストが高く、法定耐用年数は47年と長いのが特徴です。資産価値の維持が容易で、近年のマンションではほとんどこちらが採用されいます。

※1 具体的には、鉄骨造(骨格材肉厚3㎜以下)→19年/鉄骨造(骨格材肉厚3㎜超4㎜以下)→27年/鉄骨造(骨格材肉厚4㎜超)→34年となります。骨格材の厚みによってそれぞれ異なるため、ご注意ください。

利回りが低い物件でも収益を上げるための方法

利回りが低い物件でも、適切な運用をしていれば、安定的な収益を確保することは可能です。ここでは、利回りが低い物件でも収益を上げるための具体的な方法を解説します。

リスク評価と対策

低利回り物件は、立地や建物に関するリスクを伴う場合があります。交通利便性や周辺のインフラ、人口動態などの立地関連リスクを評価し、将来的な需要変動に備えます。

また、築年数の経過による建物の劣化や設備の老朽化、耐震性能なども確認が必要です。適切なメンテナンスや修繕計画を立て、長期的な物件価値の維持に努めましょう。収益関連リスクでは、賃料水準や空室率の変動、競合物件の影響などを想定し、対策を講じることが重要です。

キャッシュフロー管理と経費削減策

利回りが低い物件では、キャッシュフロー管理がより重要になります。収入と支出のバランスを適切に保ち、安定的な収益を確保するために、効果的な経費削減策を実施しましょう。

管理運営費では、管理会社の選定や契約内容の見直しにより、コストの最適化を図ります。保守管理費では、計画的なメンテナンスや修繕により、大規模な費用発生を防ぎます。公租公課についても、適切な税務処理により、負担を軽減することが可能です

テナント管理と空室対策

利回りの低い物件では、安定的な入居率の維持が収益向上の鍵となります。優良なテナントを確保するために、物件の魅力を高める工夫が必要です。

設備のグレードアップやリノベーションにより、入居者の満足度を高めましょう。また、適切な賃料設定やきめ細やかな入居者対応により、長期的な入居継続を促します。万一の空室発生時には、効果的な広告手法や柔軟な契約条件により、早期の入居者確保を目指します

利回りが低い場合のカバー方法と代替投資戦略

不動産投資において、利回りは収益性を判断する重要な指標です。しかし、市場環境によっては利回りが低くなることがあります。そのような状況下でも、長期的な視点に立ち、適切な投資戦略を採用することで、安定的な収益を確保することが可能です。

長期的な資産価値の向上を目指す

利回りが低い場合、短期的な収益性に固執するのではなく、長期的な資産価値の向上に焦点を当てることが賢明です。築年数が浅く、高品質な物件を選択することで、将来的な家賃上昇や資産価値の維持・向上が期待できます。

具体的には、立地条件が良く、設備水準が高い物件を選ぶことが重要です。交通利便性が高く、生活インフラが充実した地域は、安定的な賃貸需要が見込めます。また、定期的なメンテナンスを行い、建物の品質を維持することで、長期的な資産価値の向上につながります。

さらに、将来的な開発計画がある地域に着目することも有効です。都市計画による新たな交通網の整備や商業施設の開発などが成功すれば、周辺エリアの価値を押し上げる要因となります。

複数物件への分散投資で安定収益を確保

利回りが低い場合、単一の物件に依存するのではなく、複数の物件に分散投資することで、安定的な収益を確保することが可能です。物件ごとに異なる特性やリスクを持つため、ポートフォリオを適切に分散することで、リスクの軽減と安定収益の実現を図ることができます。

例えば、築年数や間取りの異なる物件、立地条件の異なる物件などに分散投資することで、空室リスクや賃料変動リスクを分散させることができます。また、ワンルームマンションとファミリータイプの物件を組み合わせることで、需要の変化にも柔軟に対応できます。

分散投資を行う際は、各物件の収益性だけでなく、市場性や物件価値の評価も重要です。立地のポテンシャルや競合物件の状況、将来的な相場予測などを総合的に判断し、バランスの取れたポートフォリオを構築することが求められます。

他の投資商品との組み合わせによる最適化

不動産投資だけに固執するのではなく、他の投資商品と組み合わせることで、ポートフォリオ全体の最適化を図ることも重要です。株式や債券、投資信託などの金融商品と組み合わせることで、リスク分散と収益性の向上が期待できます。

例えば、利回りの低い不動産投資と、より高いリターンが期待できる株式投資を組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスク調整後リターンを改善することができます。また、安定的な利回りが見込める債券投資と組み合わせることで、キャッシュフローの安定性を高めることも可能です。

他の投資商品との組み合わせを検討する際は、自身のリスク許容度や投資目的、資金の状況などを総合的に考慮する必要があります。専門家のアドバイスを参考にしながら、最適なポートフォリオを構築することが賢明でしょう。

まとめ

不動産投資において利回りは重要な指標ですが、近年は市場動向により利回りが低下傾向にあります。そのような状況下でも、適切な投資戦略を採用することで、安定的な収益を確保することは可能です。

利回りが低い物件でも収益を上げるためには、将来的な価値上昇が見込める物件の選定、リスク評価と対策、効果的なキャッシュフロー管理と経費削減策、テナント管理と空室対策などが重要となります。さらに、長期的な資産価値の向上を目指す戦略や、複数物件への分散投資、他の投資商品との組み合わせによる最適化なども有効な手段です。

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