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不動産所得は確定申告が必要?損益通算で節税対策にもなる!

2023/08/31
不動産投資コラム

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  • 不動産所得とは?
  • 不動産投資における不動産所得
  • 不動産所得がある人は確定申告が必要?
  • 不動産所得の計算方法
  • 不動産所得の損益通算による節税額の計算方法
  • まとめ

不動産投資で家賃収入を得ていて
「家賃収入は不動産所得になるの?」
「不動産所得はどうやって計算したら良いの?」
などの疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

この記事では、そんな疑問をお持ちの方に、不動産所得の確定申告や計算方法について解説していきます。

不動産投資が赤字の場合、給与所得と相殺(損益通算)することで節税対策にもなるケースもあるので、ぜひ最後までご覧ください。

不動産所得とは?

そもそも「不動産所得」とは、不動産に関連する収入や利益のことを指します。

1.土地・建物などの不動産の貸付
2.地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付
3.船舶や航空機の貸付

不動産所得1.土地・建物などの不動産の貸付

賃貸アパートや駐車場といった貸地など、土地・建物などの不動産の貸付による収入は不動産所得になります。

不動産所得2.地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付

地上権・永小作権・借地権など、不動産の上に存する権利の設定や貸付けなども“不動産の貸付”に含まれます。
そのため、これらの権利の設定及び貸付も不動産所得に該当します。

不動産所得3.船舶や航空機の貸付

船舶や航空機の貸付によって得た収入も不動産所得です。
他にも、広告宣伝用の看板の設置使用料など、土地や建物の一部を利用させて得る使用料も不動産所得に当たります。

不動産投資における不動産所得

不動産投資では、以下のどちらかで得た収入も不動産所得に該当します。
1)家賃収入
2)売却益

不動産投資で得た「家賃収入」は不動産所得

「賃貸収入」は、所有している不動産を貸し出し家賃や賃料を得る場合の収入です。物件を所有している人(オーナー)が賃借人から賃料(家賃)を受け取ることによって発生します。

この場合、家賃収入から修繕費や管理費などの必要経費を差し引いた金額が「所得金額」となり、その所得金額に対して所得税が課税されるケースもあるので注意しましょう。

不動産投資で得た「売却益」も不動産所得

「売却益」は、 不動産を売却する際に得られる利益です。不動産を購入してから売却する際に、購入価格と売却価格の差額が売却益となります。

ちなみに、譲渡所得税はこの売却益に対して課税される税金です。売却益には特別な税率や控除が適用されることもあるので覚えておくと良いでしょう。

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不動産所得がある人は確定申告が必要?

不動産所得で確定申告が必要なのは、総収入額から必要経費を引いた金額が20万円を超える場合です。
20万円を超える場合、収入の申告や関連する経費や特別控除などを報告するため、確定申告を行う必要があります。

会社員の方が、勤務先で年末調整を行っていて給与所得と不動産所得以外の所得がなく、不動産所得が20万円以下なら確定申告は不要です。
ただし、雑所得を得ている場合や不動産所得と雑所得の合計が20万円以上の場合は確定申告が必要になります。

また、会社員の方でも以下に該当する場合は確定申告が必要です。
・給与収入が2,000万円以上の場合
・年末調整を行っていない場合
・副業でアルバイトを行っていて副業先の会社等で年末調整を行っていない場合

なお、個人事業主で事業所得の確定申告が必要な場合は、不動産所得の金額に関わらず確定申告が必要になります。

要するに、不動産所得の金額に関わらず他の事情によって確定申告を行わなければいけない場合には、不動産所得の金額が20万円以下でも確定申告の内容に含める必要があるというわけです。

確定申告を行うメリット

不動産所得を確定申告する上でメリットもあります。

年間を通じて不動産所得が赤字になった場合、本業の給与所得から赤字分を相殺できる「損益通算」と呼ばれる制度の対象になるという点です。

後ほど詳しく解説しますが、不動産所得はその年の総収入額から必要経費を差し引いた金額のことを指し、家賃収入よりも経費が上回った場合は利益は生じないことになります。

例えば、自然災害によって所有物件の修繕費用が発生した場合、入居者が決まらずに管理費だけがかかってしまった場合などです。

実際に、国税庁の公式サイトにも以下のように記されていますので、不動産所得が赤字になった場合は確定申告を行うのがおすすめです。

不動産所得の金額は、その年中の不動産所得に係る総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。

この結果、不動産所得の損失(赤字)の金額があるときは、他の黒字の所得金額から差し引くことができます(損益通算)。

※引用元:国税庁「不動産所得が赤字のときの他の所得との通算」より

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確定申告が不要なケース2つ

先ほどご紹介したように、不動産所得がある方は基本的に確定申告が必要ですが、確定申告が不要なケースもあります。
1)納税が発生しない
2)副業で得た不動産所得が20万円以下

1)納税が発生しない

不動産などの貸付による収入よりも経費による支出が多く不動産所得が赤字の場合は、納税が発生しないため確定申告は必要ありません。

また、最大48万円の基礎控除などの所得控除より不動産所得の金額が低い場合も確定申告は不要です。

2)副業で得た不動産所得が20万円以下

会社員の方の場合、給与所得や退職所得以外の所得合計額が20万円以下であれば確定申告は必要ありません。
要は、会社員の方が副業として不動産の貸付を行っていても、不動産所得が20万円以下でしたら確定申告は不要というわけです。

ただ、「納税が発生しない」「副業で得た不動産所得が20万円以下」であっても、以下に該当する場合は確定申告が必要です。
・給与所得と不動産所得の赤字を相殺(損益通算)する場合
・医療控除を受ける場合
・初めて住宅ローンの控除を受ける場合

また、最大65万円の「青色申告特別控除」を受ける場合は期限までに確定申告書の提出が必要ですので、忘れないように注意しましょう。

不動産所得の計算方法

「不動産所得」の金額はその年の総収入額から必要経費を差し引いて計算します。

不動産所得(総収入額ー必要経費)

総収入額には家賃(賃料)や更新料、必要経費には減価償却費や修繕費、などが含まれます。

例えば、その年の家賃収入が120万円で必要経費が50万円だった場合、不動所得金額は70万円になるというわけです。

不動産所得を確定申告する際の必要書類

不動産所得を確定申告する際に必要な書類は以下の通りです。

・不動産関連書類
・各種経費の領収書
・源泉徴収票
・借入金の返済予定表
・固定資産税の通知書
・各種控除証明書

不動産関連書類としては、不動産売買契約書・賃貸契約書・売渡精算書・譲渡対価証明書・家賃送金証明書があります。

不動産所得の確定申告は通常の確定申告よりも必要書類が多いので、早めに準備を進めるのがおすすめです。

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>不動産投資で節税|経費として計上できる費用とできない費用

不動産所得の損益通算による節税額の計算方法

不動産所得の計算方法は前述した通りですが、次は不動産所得の損益通算によって節税できる金額を試算してみましょう。

節税額は以下の3ステップで計算できます。

【不動産所得の損益通算による節税額の計算方法】
1.不動産所得を計算する
2.総所得金額を計算する
3.所得税率をかけて所得税額を計算する(所得控除後)

ステップ1.不動産所得を計算する

はじめに、上でご紹介した方法で不動産所得を計算します。

不動産を複数所有している場合は、不動産収入の総額から必要経費を差し引きします。
赤字物件・黒字物件の両方がある場合、黒字物件から赤字物件を差し引いた金額が不動産所得に該当します(不動産所得間の損益通算)。

ステップ2.総所得金額を計算する

次に、総所得金額を計算します。

不動産所得は総合課税になるため、給与所得などの総合課税対象になる各所得と合算し総所得金額を計算します。

例えば、給与所得が1,200万円で不動産所得が120万円の場合、その他の所得がなければ総所得金額は1,320万円になります。
もし、不動産所得が200万円の赤字の場合は損益通算によって総所得金額は1,000万円になり、総所得金額が下がることで所得税が安くなります

ステップ3.所得税率をかけて所得税額を計算する(所得控除後)

最後は、総所得金額から所得控除(基礎控除など)を差し引いて課税所得金額を算出し、所得税率をかけて所得税額を計算します。

・課税所得金額:総所得金額-各種所得控除
・所得税額:課税所得金額×所得税率-各種税額控除

以上の3ステップで、不動産所得の損益通算によって節税できる金額が試算できます。

例えば、不動産所得が200万円の赤字で所得税率が23%の場合、不動産投資による不動産所得がない場合と比較して46万円も節税できる計算になります。

不動産所得で赤字が多い方や所得金額が多く税率が高い方ほど、不動産所得の損益通算による節税効果は大きくなるというわけです。

まとめ

今回は、不動産所得の確定申告や計算方法について解説してきました。

20万円以上の不動産所得がある会社員の方は確定申告を行う必要がありますが、不動産所得が赤字になった場合は確定申告を行うことで節税に繋がるケースがあります。

今回ご紹介した内容が参考になったら幸いです。

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