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不動産投資物件の手付金の基礎知識│種類は?いつ払う?金額の相場は?注意点は?

2022/12/15
2023/03/23
不動産投資コラム

不動産投資物件の売買契約時にはいくつかの費用が発生し、「手付金」もその一つです。

不動産の購入にかかる費用は高額なものも多いため、「手付金」は一体どのくらいなのか気になる方も多いのではないでしょうか?

このコラムでは、手付金の種類と役割、手付金の相場など、手付金に関わる内容をご紹介します。

特にこれから不動産投資物件の購入を控えている方は、正しい知識を身に付けるための参考になさってください。

不動産投資における手付金とは?

手付金とは、不動産売買契約を結ぶときに買主から売主に支払うお金です。売買の意思を正確に伝えるものとして法的に認められています。

購入契約にともなって手付金を支払うことで、売り手と買い手、双方の意思表示に信頼性を持たせることができます。

手付金の種類には以下の3種類があります。

・証約手付
違約手付
解約手付

証約手付

「証約手付」は、売買が成立した証となる手付です。契約の成立をより明確にしたいときに用いられます。

違約手付

「違約手付」は、売買契約に何らかの違約事項が発生した場合の違約金として差し入れられる手付です。

買主に違約があれば手付金が没収され、売主に違約事項があれば手付金の返還と同額の違約金を支払わなければなりません。

解約手付

「解約手付」とは、買主売主の双方に解約権を付する目的で用いられる手付です。

買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を返還することで、損害賠償を負うことなく契約を解除することができます。
ペナルティによって契約解除を予防する目的があるとともに、一方で「手付金を手放せば契約をキャンセルできる」という救済措置としての側面もあります。

手付金の種類は複数あるため、手付金が上のいずれに該当するのか、売買契約書に記載し明確にすることが大切です。一般的に手付金は解約手付を指していることがほとんどですが、記載がない場合は契約締結時に必ず確認しましょう。

不動産投資の手付金の相場

手付金の一般的な相場は、売買金額の5〜10%と言われています。

売主が不動産会社で買主が個人である場合は、上限が売買金額の20%と法律で定められています。

ただし、そのほかの場合は、手付金の具体的な金額について売主と買主双方が自由に決めることができます。売主または買主が希望金額を出して交渉することも可能ですが、手付金が少額だと契約が解約されるリスクが大きくなるため、売主の合意を得るのは難しくなります。

不動産投資における手付金の注意事項2つ

ここでは、手付金の契約前に注意しておきたい点を2つご紹介します。

1.不動産投資ローンの審査落ち
2.
手付解除期日の設定

注意事項1.不動産投資ローンの審査落ち

手付金の解除例としてよく挙がる例がローンの審査落ちです。

ローンの審査は不動産売買契約締結後に行われます。特に、不動産投資の場合は住宅ローンより審査が厳しいため、審査が下りないリスクが高い傾向があります。

この対策のひとつに「ローン特約」があります。ローンが下りなかった場合、契約を解除できる旨の特約を売買契約書に盛り込むことです。

ローン特約が盛り込んであれば、売買契約後に解約しても手付金を失うなどのペナルティを受けることはありません。

注意事項2.手付解除期日の設定

手付金は解約手付が一般的であると前述しましたが、注意しておきたいのが手付解除期日の設定です。手付解除期日とは、不動産売買契約を解約できる(手付解除できる)期日のことをいいます。

手付解除は理由を問わず、相手方の承諾なく契約を解除できる制度です。
民法では手付解除期日を 「契約の履行に着手するまで」 と定めていますが、この「契約の履行に着手するまで」という規定が不明確であり、トラブルに発展するケースがあります。

そのため、売主・買主の合意によって明確な手付解除期日を決めておくことが必要です。一般的には、契約日から1ヶ月前後の日を手付解除期日とすることがほとんどです。

手付金と混同されやすい費用について

不動産売買に関連する取引には、「手付金」のほかにも 「〇〇金」と呼ばれるお金が複数あります。

特に以下の2つについては必ず意味を押さえておきましょう。

・申込金
・頭金

申込金

「申込金」とは、買主が購入の申し込みをする際に売主に支払うお金のことです。申込金を支払うことで、買主は優先的に購入する権利を確保できます。申込金の相場は不動産価格には関係なく5〜10万円です 。

頭金

「頭金」とは、不動産物件価格から不動産投資ローン借入額を差し引いた金額のことを指します。頭金の相場は物件価格の20%と言われていますが、不動産投資ローンの審査結果によって変動しますので注意しておきましょう。

頭金については別の記事で詳しくまとめています。併せてご一読ください。
>『不動産投資で必要な頭金とは|いくら準備すればいいのか解説

まとめ:手付金は不動産投資で必ず支払いが必要

不動産投資物件を購入する際は、高額な取引となるためお金のやり取りについては慎重に行う必要があります。

購入時にどのようなお金が必要なのか、金額や受け取りのタイミング、売却までの流れを理解しておきましょう。特に手付金は、契約の解除が生じた場合に関わる大きな項目になりますので、仕組みをよく理解しておきましょう。

LIV PLUSでは不動産投資に関するコラムを随時アップしています。マンション投資を検討する際にご参考いただけますと幸いです。

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