不動産競売物件という言葉に対して、こんな疑問をお持ちではありませんか?
「不動産競売って一体何?」
「不動産競売にかけられる物件はどんな物件?」
「なぜ安く購入できるの?」
本記事では、不動産競売の仕組み、競売物件のメリット・デメリット、についてご紹介します。
不動産競売物件の購入を考えている方は、最後までご覧ください。
不動産競売とは?
「不動産競売」とは、裁判所の権利により不動産を強制的に売却されることをいいます。
住宅ローンや不動産投資ローンの支払いが滞った場合、債権者である金融機関が不動産を担保に完済してもらえるよう裁判所に申し立てを行い、申し立てが正当であると立証されると「不動産競売」が始まります。
金融機関が不動産を担保に取れる理由は「抵当権」があるためです。この抵当権は、ローンが完済されるまで解除することはできません。
また、競売物件を購入する際は「入札」を期間内で行い、一番高い価格で入札した者が物件を購入できます。その後は、裁判所が所有権移転の手続きを行い、購入者は入札後に物件の所有権を手に入れます。
不動産競売物件のメリット3つ
競売物件には、通常の不動産購入とは異なるメリットとデメリットが存在します。
メリットは以下の3つです。
1.購入費用を抑えられる
2.物件が種類が豊富
3.手続きがシンプル
メリット1.購入費用を抑えられる
競売物件の1番のメリットは、購入費用を抑えられる点です。
市場の相場より3割程度安く購入できるといわれていますが、中には5割など更に安く購入できる物件もあります。
競売物件の価格については裁判所から依頼された不動産鑑定士が評価する際に減価し、あらかじめ価格が調整されています。
メリット2.物件の種類が豊富
競売物件では、不動産市場に流通しない多様な物件を手に入れることができます。たとえば、特殊な形状をした土地や極端に狭い土地、田舎の農地やアパート一棟まるごとなど、様々な物件があります。
不動産投資において物件選びが不動産投資の成功を握ると言っても過言ではありません。
物件選びについては以下の記事で詳しく紹介しています。併せてご一読ください。
>『不動産投資成功の鍵は物件探し!コツと注意事項を伝授』
メリット3.手続きがシンプル
競売物件は、通常の物件よりも手続きの負担が少ない点も特徴です。
所有権の移転登記や、抵当権の抹消登記といった煩雑な手続きは裁判所が行います。そのため、購入者は入札用紙と暴力団員に該当しない旨の書類を提出し保証金を納付、後に残りの代金を振り込みや持参で納付するだけで手続きが完了します。
手続きにおける買主の負担は少ないといえるでしょう。
不動産競売物件のデメリット4つ
不動産競売物件には、メリットだけではなく留意すべきデメリットもあります。
主なデメリットは以下の4つです。
1.入札期間が限られている
2.内見ができない
3.立ち退き交渉を自ら行う必要がある
4.契約不適合責任がない
デメリット1.入札期間が限られている
競売物件は、裁判所が定めた一定の期間内に入札書を受け付ける「期間入札」で購入します。
最も高い価格で入札した者に権利が明け渡される仕組みで、入札後は落札の取り消しが認められていません。
デメリット2.内見ができない
競売物件は内見ができません。
競売物件情報サイトに掲載されている「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」という、裁判所が作成した3点の書類のみが唯一の情報源となります。そのため、入札した後に判明するリスクも十分に考えられます。
このリスクをできるだけ低減するために、可能な限り事前に実際に現地に赴き、物件を外からだけでも確認することが推奨されます。
デメリット3.立ち退き交渉を自ら行う必要がある
競売物件では所有権移転登記の手続きは行われますが、前の管理者の入居者が居座った場合、自ら立ち退き交渉をする必要があります。
特に不動産投資の場合、旧管理者のみならず、賃貸人ともトラブルを抱えることになりかねません。居住実態については事前によく確認しておく必要があります。
デメリット4.契約不適合責任がない
競売物件は売主がいない状態で行うため、一般の物件にある契約不適合責任が存在しません。
不備・破損・汚れが見つかっても買取者が費用を出し修繕や清掃を行わなくてはいけないため、運用後の管理費・修繕費で費用が膨らむ可能性も想定しておく必要があります。
まとめ:不動産競売物件に関するリスクを事前に押さえておこう
今回は不動産競売物件について仕組みとメリット・デメリットについて紹介しました。
競売物件には費用を安く抑えられるメリットもありますが、特有のデメリットも存在します。競売物件の購入を行う前に、本記事の内容を踏まえ慎重に検討しましょう。
なお、LIV PLUSでは不動産投資に関するコラムを随時アップしています。マンション投資を検討する際にご参考いただけますと幸いです。