住宅ローン新局面、三菱UFJが低金利で攻勢「申し込み1・4倍に」　逆風のネット銀

要点

• 日銀の政策金利引き上げを受け、最大手の三菱UFJ銀行が最優遇金利を据え置いて低金利競争を仕掛ける一方、消耗戦を避けて付帯サービスの充実で勝負する銀行も出てくるなど、変動型住宅ローンを巡る銀行の戦略が新たな局面に入った。
• 利上げを受け、多くの銀行が10月から変動型金利を引き上げる中、三菱UFJは新規契約者向けの最優遇金利を0・345％に据え置いたが、日銀が0.5%程度まで追加利上げに踏み切ったことにより、低金利競争は長く続けられないと予測されている。
• 東京スター銀行は、普通預金の預金額と同額分の住宅ローンの金利負担を「実質ゼロ」とする「預金連動型住宅ローン」を25年1月に再開した。
• 住信SBIネット銀行は物件価格高騰に対応し、今月4日から、住宅ローンの借り入れ上限額の引き上げ、団体信用生命保険（団信）の保障額を増額、団信の対象となる病気などを幅広くカバーするほか、手続きのサポートなどを充実させる等の施策を展開している。
• 日本では約8割が変動金利を選ぶが、金利上昇リスクが意識される中で、金利が変動しない固定型も注目を集めそうだ。ただ、固定金利は長期金利上昇のあおりを受け、高止まり傾向が続いており、当面は変動型優位の状況が続くと予測されている。