国土交通省は2026年11月2日、物流の脱炭素化や省力化を後押しする「物流効率化推進事業」の二次公募を開始しました。荷主企業や物流事業者による輸送網の見直しなどを資金面からサポートする取り組みです。
本事業では、改正物流効率化法に基づき、長距離輸送を途中で分担する「中継輸送」の計画策定や、運行にかかる初年度経費への支援などが拡充されています。輸送網の再構築を検討する関係者にとって注目度の高い制度となっています。
今回の公募は、物流業界における深刻な人手不足への対応だけでなく、建築資材のサプライチェーンや物流不動産の配置計画にも関わる内容です。不動産市場や関連開発の実務においても今後の動向を確認しておく必要があります。
この記事のポイント
- 国土交通省が物流の省力化や脱炭素化を促す「物流効率化推進事業」の二次公募を開始しました。
- 改正物流効率化法を踏まえ、中継輸送の計画策定や初年度運行経費への支援が拡充されています。
- 中継輸送やモーダルシフトの支援により、高速道路周辺などの中継拠点需要に影響する可能性があります。
- 建築資材のサプライチェーン見直しや物流不動産の開発動向に関わる重要な施策として注視が必要です。
ニュースの概要と背景
国土交通省が募集を開始した「物流効率化推進事業」は、物流業務の省力化や環境負荷の低減を目的とした国の補助事業です。今回の二次公募では、トラック輸送から鉄道や船舶への転換を図るモーダルシフトのほか、長距離ドライバーの負担を抑える中継輸送への支援が盛り込まれています。
中継輸送とは、長距離の貨物輸送において、中間地点でドライバーが交代したりトラックの荷台(トレーラー)を切り離して付け替えたりする手法を指します。これにより、ドライバーが日帰り勤務できるようになり、過度な長時間労働を防ぐことが期待されています。
背景には、物流業界における人手不足の深刻化や、持続可能なサプライチェーンの構築が急務となっている現状があります。改正物流効率化法の施行を踏まえ、事業者が具体的な中継輸送計画を策定するための費用や、初年度の運行に伴う経費を補助することで、新たな輸送モデルへの移行を後押ししています。
加えて、二酸化炭素排出量の削減に向けたモーダルシフトへの取り組みも支援対象となっており、企業が単独または連携して物流構造の改革に乗り出しやすい環境づくりが進められています。公的支援を活用した実効性のある運行体制づくりが各方面で求められています。
不動産市場・投資家への影響
今回の支援事業は、物流不動産の立地需要や拠点の機能設計に影響を与える可能性があります。長距離輸送網が見直され中継輸送が普及していくと、高速道路のインターチェンジ周辺や主要都市の中間地域において、トラックの待機や積み替えを行う中継拠点としての不動産需要が高まることも考えられます。
物流施設を開発・保有するデベロッパーや投資家にとっては、従来の大型配送センターだけでなく、中継輸送に対応した荷待ちスペースやドライバー向けの休憩機能を備えた施設など、求められる施設仕様の変化に目を向ける必要があります。
また、本支援は建築資材を長距離運搬するサプライチェーンの効率化にも直結するテーマです。資材輸送の省力化や効率化が進めば、建築現場における資材調達の安定性にも間接的な影響を与える可能性があります。物流コストや工期に関わる要素として注視が求められます。
荷主企業、物流施設運営者、不動産開発事業者の連携による新たなインフラ需要がどのように具体化するかについて、公募結果や今後の拠点整備の動向を含めて確認していくことが大切です。





