全国の中古住宅市場において、取引の活発化を示す指標が発表されました。国土交通省が公表した最新データによると、住宅の売買状況を示す販売量指数が前月に比べてプラスとなり、取引の堅調な動きが続いています。
今回の調査結果では、一戸建てとマンションのどちらにおいても取引量が底堅く拡大している状況が示されました。マイホームの購入や資産形成を検討している方にとっても、中古ストック市場の動向を把握するうえで見逃せない情報です。
公表された統計の具体的な数値や内訳を確認するとともに、住まいの売買動向が市場や個人の選択にどのような視点をもたらすのか、指標が示す意味を整理しておきましょう。
この記事のポイント
- 2026年6月分の既存住宅販売量指数は、全国合計で前月比4.4%増の131.3となった
- 内訳は戸建て住宅が前月比3.7%増、マンションが同4.3%増と種別を問わず拡大した
- 30㎡未満を除くマンションも4.1%増となり、実需向け物件の底堅い需要が示された
- 新築価格の高止まりを背景に、実需と投資の両面で中古流通が活発化している可能性がある
- 取引の活況が続く局面でも、立地や物件ごとの個別性を慎重に見極める姿勢が求められる
ニュースの概要と背景
国土交通省は2026年9月30日、2026年6月分の既存住宅販売量指数(試験運用)を公表しました。既存住宅販売量指数とは、過去に建築され現在市場で流通している中古住宅が、どの程度売買されたかを数値化した統計指標です。季節による変動要因を取り除いた全国の合計指数は前月比4.4%増の131.3となり、市場の堅調な回復基調を裏付けています。
物件の種別ごとに内訳を見ていくと、戸建て住宅が前月比3.7%増、マンションが同4.3%増となりました。さらに、ワンルームなどの単身者向けを除いた30平方メートル以上のファミリー向けを中心とするマンションに限っても同4.1%増となっており、特定の広さや形状に偏ることなく、全体的に取引量が増加している点が大きな特徴です。
この背景には、新築物件の価格が高止まりを続けている状況が関係していると考えられます。新築住宅の取得ハードルが高くなるなかで、実需としてのマイホーム取得を考える一般の購入層や、賃貸運用などを視野に入れる層の双方が、状態の良い中古物件へと目を向ける流れが定着しつつあります。
試験運用の統計ではあるものの、国が公表する公式な一次データとして、既存の住宅ストックが実際にどの程度市場で動いているのかを客観的に把握できる貴重な指標といえます。住宅市場全体の温度感を測る基礎資料として、関係者の間で重要視されています。
不動産市場・投資家への影響
中古住宅の販売量指数が上昇していることは、住宅市場における既存ストックの流動性が高まっていることを意味しています。戸建てとマンションの双方がそろってプラスを示しているため、住まいを探す実需層だけでなく、中古物件の再販や賃貸経営を行う事業者にとっても、取引が成立しやすい環境が維持されている可能性があります。
特にマンション市場においては、30平方メートル以上の居住用規模も含めて取引が拡大していることから、ファミリー層の実需ニーズが中古市場にしっかりと流入している様子がうかがえます。新築マンションの供給価格が落ち着かない局面では、利便性の高い立地にある良質な中古マンションへの需要が今後も継続するのか、注視が必要です。
一方で、取引量が増加している局面だからといって、すべての物件が均一に取引されているわけではありません。購入や資産形成を検討する際には、エリアごとの需給バランスや物件の維持管理状態、将来の資産価値などを冷静に見極める姿勢が不可欠となります。
公的統計によって中古住宅流通の底堅さが示されたことは、物件選びや売買のタイミングを判断する一つの目安になります。今後の金利動向や新築市場の価格推移とあわせて、販売量指数の推移を定期的に確認していくことが大切です。





