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POPOPOはなぜ半年で終了へ?アバターSNSとAI時代に考える「セミナー特化」の可能性

2026/07/17
AI

アバター通話アプリ「POPOPO」が、2026年9月17日をもってサービスを終了すると発表した。2026年3月18日の正式リリースから、わずか約半年での終了となる。川上量生氏や西村博之氏ら著名人が関わり、アバターを使った新しいコミュニケーション体験として注目されたPOPOPOは、なぜ短期間で幕を下ろすことになったのか。今回は、サービス終了の経緯と関係者の発言をもとに、アバターSNS、AI時代のコミュニケーション、新規SNS参入の難しさ、そしてオンラインセミナー向けサービスとしての可能性を考える。

POPOPOは「顔を出さない通話体験」を目指したアバターアプリだった

POPOPOは、顔出しをせずにアバターを使って会話やライブ配信ができるスマートフォン向けアプリだった。単なる音声通話ではなく、アバター、自動カメラワーク、ライブ配信の要素を組み合わせた点に特徴があった。

オンラインで人と話したいが、顔を出すのは負担が大きい。かといって、音声だけでは表情や雰囲気が伝わりにくい。POPOPOは、こうした現代的なコミュニケーションの悩みに対し、アバターという中間的な表現で応えようとしたサービスだったといえる。

この発想自体は、決して古いものではない。VTuber、メタバース、音声SNS、ライブ配信、AIアバターなど、近年のネット文化では「本人そのものではない姿で交流する」ことが一般化しつつある。POPOPOも、その流れの中にあるサービスだった。

リリースから半年で終了、話題性の大きさとは対照的な結末に

POPOPOは2026年7月15日、同年9月17日15時をもってサービスを終了すると発表した。3月18日のサービス開始から約半年での終了であり、通話アプリとしてはかなり短い期間での撤退となる。終了理由について、運営側は「今後の事業環境やサービスの最適化を総合的に検討した結果」と説明している。

終了までの流れとして、7月22日にプレミアム会員の新規登録・更新停止とコイン販売終了、8月31日にアプリの新規ダウンロード停止、9月17日にサービス終了が予定されている。未使用の有償コインについては、サービス終了後に払い戻し受付期間が設けられる。

サービス開始時には、川上量生氏、庵野秀明氏、GACKT氏、西村博之氏らが関わる新しい国産コミュニケーションアプリとして注目を集めた。1億円キャンペーンなども話題になり、初期の認知拡大には相当な力が入っていた。しかし、認知されることと、日常的に使われ続けることは別の問題である。

川上量生氏は「私財30億円」を投じたと明かした

POPOPO終了をめぐって特に注目されたのが、立ち上げに関わった川上量生氏の発言だ。報道では、川上氏がPOPOPOについて「私財30億円」を投じたプロジェクトだったと明かしたことが伝えられている。

30億円という金額は、新規アプリの開発・運営費として非常に大きい。アバターシステムの開発、通話・配信基盤、スマートフォンアプリの運用、広告宣伝、キャンペーン費用、人員体制などを考えれば、POPOPOは単なる実験的アプリではなく、本格的に市場を取りにいくプロジェクトだったと見てよい。

また、川上氏はサービス終了にあわせて、終了までに「過去最大のバージョンアップ」を行い、外部アバターの持ち込みにも対応すると説明している。もともとは有料提供予定だった機能を、サービス終了まで無料で利用できるようにするという内容だ。

この対応からは、最後までアバターコミュニケーションの可能性を見せようとする姿勢も感じられる。一方で、機能追加がサービス継続に間に合わなかったことは、SNS型サービスの難しさを象徴している。

ひろゆき氏は「POPOPO失敗しました」と率直に投稿

西村博之氏、いわゆるひろゆき氏も、POPOPO終了に関連してXで反応した。POPOPO公式の終了告知を引用し、「POPOPO失敗しました! 力不足ですいません。。。」と投稿している。

この発言が広く話題になったのは、関係者がサービスの失敗をかなり率直に認めたからだ。多くの企業はサービス終了時に、事業環境や経営判断といった表現にとどめることが多い。その中で、ひろゆき氏の投稿は、POPOPOが大きな期待を背負いながらも、目標とする成長には届かなかったことを端的に示すものだった。

POPOPOは、著名人の発信力を活用し、大規模キャンペーンで一気に認知を広げる戦略を取った。だが、SNSや通話アプリにおいて重要なのは、初回登録者数だけではない。問題は、その後にユーザー同士の関係性が生まれ、毎日戻ってくる理由が作れるかどうかである。

新規SNSが難しい理由は「友達がいないと始まらない」ことにある

新規SNSが難しい最大の理由は、ネットワーク効果にある。SNSは、機能だけで価値が決まるサービスではない。そこに友達がいる、好きな配信者がいる、話したい相手がいる、見たい投稿が流れてくる。そうした人間関係や情報の集積があって、初めて使う理由が生まれる。

既存SNSが強いのは、機能が完璧だからではない。多くの人がすでにそこにいるから強いのである。X、Instagram、TikTok、YouTube、Discord、LINEなどは、それぞれに巨大なユーザー基盤と文化を持っている。新しいSNSは、この「すでに人がいる場所」と競争しなければならない。

POPOPOのような通話・配信系サービスでは、この壁はさらに高い。投稿を見るだけのSNSと違い、通話やライブ配信は相手が必要になる。アプリを開いたときに話す人がいない、配信を見ても人が少ない、友人がまだ使っていない。こうした状態が続くと、ユーザーはすぐに既存の居場所へ戻ってしまう。

一般SNSではなく「セミナー特化」なら可能性があったかもしれない

一方で、POPOPOの仕組みは、一般向けSNSとしてではなく、オンラインセミナーや説明会に特化していれば、違った展開があったかもしれない。

たとえばリヴのように、オンラインセミナーを通じて情報提供や相談機会をつくる企業にとって、POPOPOの特徴は相性がよい。参加者は顔出しをしなくてもよく、アバターで気軽に入室できる。登壇者側も、通常のZoomやYouTube配信よりも柔らかい雰囲気をつくりやすい。堅い説明会ではなく、少し親しみやすい「参加型の学びの場」にできる可能性があった。

オンラインセミナーでは、参加者が顔を出しにくいという課題がある。質問したいが、名前や表情を出すのは抵抗がある。カメラオフのまま聞くだけになり、双方向性が生まれにくい。こうした悩みに対して、アバター参加はひとつの解決策になり得る。

POPOPOが持っていた「顔を出さずに話せる」「ライブ感を出せる」「アバターで空気をやわらげられる」という特徴は、まさにオンラインセミナー向けの機能だったとも考えられる。

セミナー用途なら「人がいない問題」を回避しやすい

SNSとして難しいのは、ユーザーが自発的に集まり、日常的に関係性を作らなければならない点だ。しかし、セミナー特化であれば、この問題をある程度回避できる。

セミナーには、主催者がいる。テーマがある。開催日時がある。参加する理由がある。つまり、ゼロから人間関係や文化を作る必要がなく、すでに目的を持った人たちを同じ場に集めることができる。

新規SNSでは「誰がいるのか分からない」ことが離脱の原因になりやすいが、セミナーでは「このテーマを聞きたい」「この人に質問したい」「この会社の話を知りたい」という明確な動機がある。POPOPOの技術は、そうした目的型コミュニケーションの場でこそ、より分かりやすく価値を発揮できた可能性がある。

特に、資産形成、転職、教育、美容、医療、相続、住宅購入など、参加者が顔出しをためらいやすいテーマでは、アバター参加の心理的ハードルの低さは強みになる。実名や顔を出さずに参加できることは、相談型セミナーにおいて大きな安心材料になるからだ。

AI時代のセミナーは「アバター司会者」や「AI相談員」と相性がよい

さらに、AIとの組み合わせを考えると、POPOPOのようなアバター型サービスには別の可能性も見えてくる。

たとえば、セミナーの冒頭でAIアバターが司会進行を行う。参加者の質問をAIが整理し、登壇者に分かりやすく届ける。終了後には、AIアバターが個別の質問に答える。参加者の関心に応じて、次に見るべき資料や動画を案内する。こうした仕組みは、通常のビデオ会議ツールよりも、アバター空間のほうが自然に見せやすい。

AIが普及するほど、オンラインセミナーは単なる一方向配信ではなく、参加者ごとに体験が変わる場になっていく。人間の講師、AIアシスタント、アバター参加者が同じ空間にいるような形は、今後のオンラインイベントのひとつの方向性になり得る。

POPOPOがもし「誰でも使うSNS」ではなく、「顔出し不要のセミナー・相談会プラットフォーム」として設計されていたなら、ターゲットも利用シーンもより明確になっていたかもしれない。

アバターSNSの失敗ではなく、使いどころの難しさだった

POPOPOの終了は、アバターコミュニケーションそのものの失敗を意味するわけではない。むしろ、アバターには今後も十分な可能性がある。顔出し不要、心理的安全性、表現の自由度、AIとの親和性。これらは、これからのオンライン体験にとって重要な要素である。

ただし、アバターを使えば自然に人が集まるわけではない。SNSとして広く使ってもらうには、強いネットワーク効果と日常的な利用習慣が必要になる。そこがPOPOPOにとって大きな壁だった。

一方で、セミナー、相談会、ファンイベント、オンライン授業、社内研修のように、目的と参加理由がはっきりしている場であれば、アバターの価値は伝わりやすい。顔を出さずに参加できること、質問しやすいこと、場の雰囲気が柔らかくなることは、明確なメリットになる。

まとめ

POPOPOは、アバター通話という新しいコミュニケーション体験を掲げ、著名人の参画や大規模キャンペーンによって大きな注目を集めた。しかし、2026年3月のリリースから約半年で、9月17日にサービス終了することが発表された。

川上量生氏が私財30億円を投じたと明かしたこと、ひろゆき氏が「POPOPO失敗しました」と投稿したこともあり、POPOPOの終了は単なる一アプリの撤退ではなく、新規SNSの厳しさを象徴する出来事となった。

一方で、POPOPOの仕組みは、一般向けSNSとしてではなく、オンラインセミナーや相談会に特化していれば、別の可能性があったようにも見える。特に、顔出しせずに参加できるアバター機能は、リヴのようなオンラインセミナーとの相性もよかったかもしれない。

新規SNSに必要なのは、派手な広告や話題性だけではない。そこに人がいて、参加する理由があり、戻ってくる意味があることだ。POPOPOは短期間で終了することになったが、アバター、AI、オンラインセミナーを組み合わせたコミュニケーションの可能性までも否定されたわけではない。むしろ今回の事例は、新しい技術を「誰に、どんな場面で、何のために使うのか」を明確にすることの重要性を示している。

リヴトラストでもセミナーを行っています。今後アバターやAIセミナーを行うかは不明ですが、新たなセミナーのあり方を皆長無ければ行けないと思いました。

 

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