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なぜ今、親が金融教育を学び直すべきなのか── 子どもの将来と家庭の資産を守るための新しい常識

2025/11/14
お金・資産形成

子どもの教育費、そして自分たちの老後資金。
将来を考えると、漠然としたお金の不安を抱えている親御さんは少なくありません。

「とにかく節約して、貯金しなきゃ」
その真面目な努力は、もちろん素晴らしいものです。

しかし、「ただ貯めるだけ」では、大切なお金を守りきれない時代が既に来ています。
この記事では、なぜ今、親自身が金融リテラシーを学び直す必要があるのか、そして、それが子どもの将来と家庭の資産をどう守ることにつながるのかを、具体的に解説します。

教育資金・老後資金だけでは守れない時代へ

従来の貯蓄だけの発想が限界を迎えている理由は、私たちの生活を取り巻く環境が大きく変わったからです。

  • 物価上昇で教育費は過去最高水準に
    ニュースで物価上昇が報じられるたび、将来子どもにかかるお金を心配されている方も多いでしょう。実際、大学の学費をはじめとする教育費は、この30年間で大幅に上昇しています。
  • 老後資金も年金依存では不十分
    「老後2,000万円問題」が話題になったように、公的年金だけに頼る将来設計は難しくなっています。人生100年時代、自分たちで資産を準備することが必須となりました。
  • 将来のお金の不安が親世代で急拡大
    ある調査では、子育て世代の約8割が「老後資金に不安を感じている」と回答しています。

この現実が示すのは、もはや貯めるという守りの行動だけでは不十分だということ。
これからの時代は、貯めたお金をインフレから守り、賢く増やし、そしてその知恵を子どもに伝えるという、新しい常識が必要なのです。

金融教育は子どもにお金を渡すことではなく、考え方を残すこと

私たちが子どもに残せる、本当の資産とは何でしょうか。
それは、目先の現金や預金通帳の残高よりも、子ども自身が「お金と賢く付き合っていくための考え方」、すなわち金融リテラシーです。

① 子どもが将来損をしないための金融リテラシーが必要

今の時代、お金のトラブルは身近に潜んでいます。
SNSを通じた高額な情報商材や投資詐欺、安易なリボ払いや過剰なローンなど、知識がないばかりに損をしてしまう若年層の失敗例は後を絶ちません。

親がまず正しい知識を持つこと。それこそが、子どもをそうしたトラブルから守る、最大のセーフティネットになります。

② 親が資産形成をすること自体が、子どもの実例教材になる

子どもは、親の言葉よりも行動を見て学びます。

親がNISAやiDeCo、あるいは不動産投資といった資産形成を実践している姿は、子どもにとって何よりの実例教材です。

「なぜ貯金だけじゃなく投資をするの?」
「保険と不動産はどう違うの?」

こうした家庭での自然な会話が、子どもの金融リテラシーを育みます。そして、給与所得だけに頼らないという柔軟な考え方を、自然な形で継承できるのです。

③ 子どもの将来の選択肢を広げる

金銭的な余裕は、心の余裕に直結します。
親が賢く資産を築くことで生まれる経済的なゆとりは、子どもの「やってみたい」を応援する力になります。

「留学したい」「この大学で学びたい」「起業に挑戦したい」

そんな時、お金を理由に子どもの可能性を狭めないこと。親が知識の資産を持つ家庭ほど、子どもの選択肢は大きく広がります。

まずは親が身につけたい3つの金融リテラシー

では、親が学ぶべき金融リテラシーとは何でしょうか。難しい金融工学ではありません。基本となる、以下の3つの考え方です。

① お金の価値(インフレ・金利・手数料)を理解する

「1万円は、10年後も同じ1万円の価値ではない」という事実を理解することが第一歩です。インフレ(物価上昇)は、銀行に預けているお金の価値を実質的に減らします。

また、銀行や証券会社に支払う「手数料」が、将来のリターンにどれだけ影響するかを知ることも重要です。

② お金の置き場所を分散する(現金・投資・現物資産)

「すべての卵を一つのカゴに盛るな」という格言通り、資産を分散させることがリスク管理の基本です。
ただし、株式投資だけで複数銘柄を持ったり、不動産投資だけで複数物件を持つというような分散投資の仕方は万が一のことが起こった場合には全ての資産を失う可能性があるため、注意しましょう。

  • 現金(すぐに使える生活防衛資金)
  • 投資(NISAやiDeCoなど、長期で育てるお金)
  • 現物資産(インフレに強く、家賃収入などを生む不動産など)

このように、お金の置き場所(資産クラス)を分ける意識を持ちましょう。

③ 長期目線で続ける仕組みを作る

資産形成は、短期売買で一喜一憂するギャンブルではありません。毎月決まった額を淡々と積み立てるなど、「長期目線で続ける仕組み」を作ることが成功の鍵です。

親が金融教育を実践するための家庭での会話術

学んだ知識を、家庭でどう伝えていくか。大切なのは教育と構えず、日常の会話に取り入れることです。

  • お年玉やお小遣いで選択の優先順位を一緒に考える
    今すぐ欲しいものと将来のために貯めておくもの、どちらを優先するか。今本当に必要なものか、浪費になっていないかどうかを教えます。
  • スーパーでの買い物や、値上げニュースを家族で話す
    「なぜ、いつものお菓子の値段が上がったんだろう?」こうした会話が、インフレや経済の仕組みを学ぶ最高のきっかけになります。
  • 中学生以上なら家計の見える化を一部共有する or お小遣い帳をつける
    「今月は食費が多かったね」など、家計簿アプリの画面を見せながら話すだけでも、お金の管理(マネジメント)の意識が芽生えます。また、自分が何にどのくらいお金を使ったのかお小遣い帳をつけてみるのも良いかもしれません。今ならアプリで簡単につけられるものもあるので取り組みやすいです。
  • やってはいけない金融行動を話題にする
    「SNSで絶対儲かると書いてあったら、それは詐欺の可能性が高いよ」と、具体的な危険を伝えることも、子どもを守る大切な教育です。

金融教育は親の資産形成と表裏一体

ここまでお読みいただき、子どもの金融教育と親自身の資産形成は、実は表裏一体であることにお気づきかもしれません。

親が安定した資産構造を作ることは、子どもにお金のことで将来を心配しなくていいという何物にも代えがたい安心感を与えます。

特に、現金や預金だけに依存せず、株式や不動産などから働かなくても収入が生まれる仕組みを持つこと。その仕組みを親自身が理解し、実践する姿を見せることこそが、これからの時代を生き抜く力を子どもに伝える、最高の金融教育になります。

親が学ぶ姿を子どもに見せることが最大の金融教育

金融教育のスタートは、親である私たち自身が、まず知ることから始まります。

リヴグループでは、「子どもの未来のために、まずは自分が学びたい」と考える親御さんを応援するため、初心者の方でも理解しやすい形で資産形成の基本から、現物資産としての不動産投資まで、体系的に学べるセミナーを開催しています。

「子どもの未来のために、自分が学ぶ」
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