トップ > コラム > 日本の不動産を再開発中

日本の不動産を再開発中

2019/08/28
不動産投資コラム

老朽団地の再開発 少子化や不動産価値はどう変わる?

高度経済成長期に造られた団地の多くが老朽化し始めています。こうした現状を放置したままにしておけば、地震大国とも言われている日本においては大きな問題になることから、様々な対策が検討されています。

老朽団地再開発のメリット

不動産の同意要件緩和で部分売却が容易になります。国土交通省は、複数の棟で構成された団地型の分譲マンションの老朽化に対応するのが目的で、これにより店舗や保育所に転換し有効活用していこうというものです。敷地を分割して売却しやすくする新制度を設けることで、既存の土地や建物を再活用していくことが可能になります。この方針により、老朽化した団地型の分譲マンションは、跡地に店舗や保育所を誘致して団地としての魅力を高めるなど多様な再生手法を選択できます。さらに、空き家になっている部屋の所有者は売却によって現金化しやすくなるメリットを生むことができるため流動性も出てきそうです。

国交省の調査によると、同じ敷地内に2棟以上が集まり、50戸以上ある団地は全国に約5千カ所あります。その中で築45年を超す団地は2015年時点で291と全体の6%程度ですが、20年後には2,769と10倍近くに拡大する予想です。住民の高齢化は進んでいるにも関わらず、老朽化でバリアフリー化も遅れているため再生が急務とされています。

しかし、現状においては建て替えに必要な合意形成のハードルが高く、改革はあまり進んでいません。こうした現状に対して、国は、一部の棟を建て替える場合に必要な「団地全体の所有者の4分の3以上、かつ売却対象の棟の所有者の5分の4以上」との要件などを参考に具体案をつめ、2020年の通常国会には必要な法改正案の提出を目指す方針とのことです。

上述したような動きが進展していけば、地震対策の他、団地の再生や街の再生にもつながります。また、地方再生のモデルとして多くの地域に生かしていくことができれば、過密都市での混雑緩和などにも寄与していきそうです。

老朽団地の再開発は少子高齢化の歯止めにも

2018年4月全国の待機児童数は4年ぶりに減少し2万人を下回りました。都道府県別で待機児童が最も多い東京都でも5,414人となり、10年ぶりに5000人台まで減少。近年、保育園整備を急ピッチで進め、保育定員を拡大した結果がようやく現れた形ですが、政府が2001年から目標に掲げる待機児童「ゼロ」は達成できていないのは残念です。今も自治体では入園が「狭き門」となっています。

中でも注目されるのが、湾岸3区の港区・中央区・品川区です。この3区は2016年度未就学児(0-5歳)の増加数トップ3となりました。保育園の定員を4年間で合計約6,300人分拡大、募集人数は約1,900人分増やしましたが、まだ保育需要に追いついていません。待機児童が減ると「自分も子供を預けて働きたい」と潜在需要を掘り起こしたり、近隣からの転入が増えたりして、翌年の申し込みが増えることもあります。
少子化に歯止めがかからない全国とは対象的に、1人の女性が生涯に産む子供の数(合計特殊出産率)でも23区中トップは中央区と港区で1.42(17年度)です。急激な人口増に悩む中央区は、1990年代の都心空洞化で始めた住宅を増やす政策を約20年ぶりに転換、マンションなどの住宅建設に対する容積率の緩和制度を廃止する方針のようです。
3区と同じ湾岸エリアに位置する江東区も保育園不足などに備え、マンション内でファミリー向けの住戸を約8割に抑えるよう義務付ける条例を定めました。

需要の増加に対してマンションの数が増えなくなると、不動産価値は上昇し今後は高騰する事が予想されます。現在の価格が高い、安いなど個人的な価値観はさておき、このように需要に対して供給が鈍っている都心エリアでの不動産所有を検討するには、とても良い時期だと感じるのではないでしょうか。

あなたにオススメの記事

物件一覧セミナーメルマガ登録