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晴海フラッグの現状

2021/03/12
2023/03/14
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晴海フラッグの現状

東京五輪の選手村として使われた後にリノベーションしてマンション群となる「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」。

銀座へ約2.5km、東京駅へは約3.3kmと東京のど真ん中に位置し、その敷地内には大型スーパーから小中学校などの教育施設も揃う、都心のコンパクトシティとして注目されています。

しかし、東京五輪が1年延期され、さらに中止の可能性すら囁かれる中で、晴海フラッグの先行きへも大きな影響を与えています。今回はその晴海フラッグの現状をお話していきます。

契約白紙撤回が可能に

晴海フラッグは、2019年8月に第一期分譲が行われ、総分譲戸数4145戸のうち940戸が売りに出されました。

都内でありながら、部屋の広さの割に価格が安いことと、五輪選手村に使われるという付加価値も相まって、平均競争倍率は2.57倍、最高では71倍にもなるなど大変な人気ぶりが伺えました。

しかし、東京五輪が1年延期となった影響で、予定されていた販売開始時期も1年延期となり、開発再開の時期も未だ未定のままとなっています。

先行き不透明なため購入者が契約を解消しようと思っても、通常は、契約完了後に解約する場合は先に支払った手付金は返金されないため、解約したくてもできない人もいたのではないでしょうか。

それが一転して、契約を解消し手付金も返却されるという通知が購入者に届いたことで、希望者は契約を白紙にできることになりました。

現時点で、契約解消数がどのくらいあるのかは不明ですが、仮に今後、五輪開催の再延期や中止となった場合、契約解消する人が増えることは容易に考えられ、その影響は無視できないものになるでしょう。

入居1年延期がもたらす契約者への影響

マンションへの移住が購入者の不可抗力により1年延期するというのは、購入者の金銭面はもちろんのことライフスタイルの面でも大きな影響を与えます。

例えば、マンションからマンションに移住する場合には、今住んでいる住居を売却することになります。

すでに売却が決まっていた場合、移住先に引っ越すまでの期間をどこか仮のアパート等で生活する必要に迫られます。
その生活資金、引っ越し代、家賃を支払わなければならず、仮住まいの期間が長いほど無駄な出費がかさむことになります。

そのため、晴海フラッグのマンション購入者が、延期に伴う家賃分などの補償を売主側に要求し、売主側は「1年延期は予見できなかった」として拒否したことで、賠償を求める民事調停へと発展するケースも出ています。

また、ファミリー世帯のマンション移住は、子どもの入学や入園タイミングに合わせて行う家庭も多いことから、移住が1年ズレるというのは許容しがたいものです。

晴海フラッグの工期完了と同時に開校する予定だった小中学校も1年延期となり、今後の状況によっては更なる延期の可能性もあるため、入学する児童を持つファミリー世帯にとっては移住の選択肢から外れても何らおかしくない状況と言えます。

晴海フラッグは買いなのか

もともと、最寄り駅の大江戸線勝どき駅から歩いて20分というアクセス難がある中で、晴海フラッグの売りは五輪の選手村として使用されることでしたが、仮に五輪中止となった場合、その資産価値が大きく下がる可能性があります。

しかし、資産価値は下がっても、すでに購入している人がいる以上、販売価格は少なくても数年は変わらないと予想されます。そのため、購入する場合は後々価値が大きく下がる可能性があるというリスクをよく考慮して決める必要があります。

さらに、交通の便の悪さを解消する予定のBRT(Bus Rapid Transit)については、通勤時間帯などのピーク時には1時間に12本の運行が予定され、混雑の解消が期待されていますが、入居者が思うように集まらない場合、予定通り運行されるか分からない上に、現時点では正式運用時期も未定となっています。

もしこれから購入を検討するという人は、表面的なことだけでなく、オリンピックの動向や晴海フラッグを取り巻く様々なインフラ開発等の情報にも留意すると良いでしょう。

おわりに

今回は晴海フラッグの現状についてお話ししました。

五輪の動向に振り回されてマイナスのイメージが付いてしまった晴海フラッグですが、マンションなどの不動産を選ぶ際に大事なのは、いかに自分の求める条件やライフスタイルとマッチしているかです。

入居時期の延期や駅へのアクセス性なども自分の許容内であればマイナスポイントにはなりません。

流れてくる情報に惑わされずに、自分がマンション購入に何を求めるのかをよく考え、しっかり見極めることが失敗しないマンション選びに大事なことなのです。

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